回避依存症ってなんでクズみたいな行動ばかり取るんですか?回避依存症の人は皆こんな感じなのでしょうか。事実を知りたいです。
この記事ではこんな疑問を解決します。
しん | 心理カウンセラー
心理カウンセラー。過去のカウンセリング実績500件以上。毒親育ち。自身の恋愛依存症・回避依存症の経験を活かし、「読者の悩みの根本的な解決」を目指し発信しています。
- 回避依存症がクズと呼ばれる理由とクズ行動の心理
- 自己愛選人格障害との違いと絶対に混同してはいけない理由
- 回避依存症者のクズ行動はあなた主導で改善が可能
「回避依存症はクズ」あなたもこんな言葉を一度は聞いたことがあるかもしれませんね。
この記事では元回避依存症者である私が、回避依存症者がクズと呼ばれる理由について解説します。
また記事の途中では、絶対に混同してはいけない自己愛性パーソナリティ障害との違いについても解説します。
回避依存症のクズ行動について知りたい方、クズ行動に悩まされている方はぜひ最後まで読んでみて下さいね。
回避依存症者がクズと呼ばれる理由
まず結論からお話します。
回避依存症者がクズかどうかについてですが、これは正しくもあり間違ってもいます。
確かにクズと呼ばれる行動を取ってしまうこと自体は事実なのですが、その行動の多くは、自分には止められない無意識なものだからです。
相手の行動に悩まされている方からすると知ったこっちゃない!って感じかもしれませんが、ぜひ記事の最後まで読んでみて下さい。
まず、一般的な恋愛でクズと呼ばれるのはどのような行動でしょうか。
ここでは一例を挙げてみましょう。
- 浮気
- 不倫
- 暴力
- 嘘をつく
- すぐ感情的になる
当然ながらこれらの行為は、回避依存症者以外でもクズと呼ばれて然るべき行動です。
そして実際の所、回避依存症者の中でモラハラタイプ、ナルシストタイプはこれらの行動を取る可能性が高いです。
また脱走者タイプの回避依存症者は急に音信不通になることも多く、これも当然恋人からすればクズだと思われて仕方ないでしょう。
では、なぜ回避依存症者はこうした『クズ』と呼ばれるような行動を取りがちなのでしょうか。
クズ行動の本質は自己防衛だということ
回避依存症者が浮気や不倫、暴力などのクズ行動に走りやすい傾向があるのには理由があります。
それは、クズ行動は彼らにとって一種の『自己防衛』であるということ。
彼られにとって自分を守るための回避行動が、結果的にクズ行動になってしまっているのです。
おさらいですが、回避依存症は恋人と心を通わせたいのに、いざ心が近づくと拒否感を覚えてしまう。そんな人達のことを言います。
つまり、クズ行動の裏にあるのは「傷つきたくない」という弱い心。
そのため、回避依存症のクズ行動は以下のようなタイミングで発生しやすいと言えます。
- 感情的に恋人に追いつめられる
- 恋人に落胆する
- 恋人に裏切られた気持ちになる
注意しないといけないのは、回避行動が起こるきっかけは非常に些細なものが多いということ。
「自分としては軽い冗談のつもりだったのに…」程度の内容が多いですね。
回避依存症者が直前まで機嫌が良かったにも関わらず急に怒り出したり、突如として音信不通になるのは、普段の日常の中にある軽口がきっかけで、トラウマが呼び起こされてしまうからです。
ですので、回避依存症の恋人と交際するのであれば、相手が抱えるトラウマについても当然、知っておかなければなりません。
混同してはいけない2つのパターン
相手が回避依存症ではない「正真正銘のクズ」なパターン
これは自己肯定感の低い方によく見られる特徴なのですが、相手を回避依存症と思い込むことで、自分に対するぞんざいな扱いを正当化しようとする方がいます。
これはどういうことかと言えば
彼は本当は私を相手しているからこそ、浮気や暴力を繰り返すんだ
こうした思考です。
そして、この考えは典型的な共依存への入口でもあります。
まず大前提として、相手が回避依存症だからといってあなたに何をしても良い訳ではありません。
まして、相手の問題行動をそのままにしても、困るのはあなただけなのです。
いくつかの特徴が当てはまっていたとしても、無闇に相手を回避依存症と思い込まず
- 相手が抱えているトラウマの内容
- 見捨てられ不安への過敏さ
- 問題行動に至った原因
これらをしっかりと考え、相手がただのクズなのか、回避依存症なのかをしっかり判断することが大切です。
自己愛性パーソナリティ障害のパターン
回避依存症者のクズ行動を考える中で最も気をつけなければならないことがあります。
それは自己愛性パーソナリティ障害との混同です。
カウンセラーの中でも、回避依存症と自己愛性パーソナリティ障害を混同して語っている方がいますが、私はとんでもない話だと考えています。
回避依存症者はあくまで個人の恋愛面を捉えた言葉ですが、自己愛性パーソナリティ障害はれっきとした病気です。
自己愛性パーソナリティ障害の簡単な特徴は以下の通りです。
- 自分に対する過大評価
- 称賛への強い欲求
- 共感性の欠如
- 対人関係での搾取的行動
- 傲慢な行動や態度
- 羨望されることへの欲求
- 現実の捻じ曲げ
これらの特徴が結果的にクズ行動となることがありますが、回避依存症と自己パーソナリティ障害では、その行動意図が本質的に全く違います。
更に言えば、回避依存症は相手との接し方を変えることで自然な改善が可能です。
しかし、自己パーソナリティ障害の改善には、本人の自覚と通院が必須です。
自己愛性パーソナリティ障害の方に対し、回避依存症者に対する考え方、接し方を試みても改善することはありません。
また回避依存症と自己愛性パーソナリティ障害を併発していることもありますが、その場合も回避依存症に対するアプローチだけで全て改善することはありません。
間違っても、回避依存症と自己パーソナリティ障害を混同しないように注意して下さい。
「回避依存症だから仕方ない」で済ませない
さきほど私は、回避依存症のクズ行動は自己防衛のための行動であるとお伝えしました。
では自己防衛であれば、相手はあなたになにをしても良いのでしょうか。
もちろん、そんなことは許されません。
あなたにお伝えしたいのは、相手の行動が自己防衛としての行動だったとしても、それをそのまま受け入れてはいけないということです。
ダメなことはダメだと、毅然とした態度でノーを突きつけられる人間にならなければ、関係は改善されません。
先ほどお伝えしたように、回避依存症は正しい態度、コミュニケーションをくり返すことで自然な改善が可能です。
基本的な考え方としては以下になります。
- あなた自身が彼に依存しない自立した人間になること
- 彼の問題にあなたが必要以上に手助けしないこと
- 自分の考えや気持ちをオープンかつ正しく伝えられること
これらを満たすための、具体的な付き合い方、改善方法については以下の記事で解説しています。ぜひ参考にして下さい。
【おすすめ】回避依存症の彼との幸せな関係の作り方この記事のまとめ
- 回避依存症のクズ行動の多くは自己防衛のための行動。自分で意識して止められるものではない。
- 自己愛星パーソナリティ障害との行動に共通点はあるが、行動の意図や本質が全く違う。回避依存症のアプローチをしても関係は改善できない。
- 回避依存症だから仕方ないということはない。あなた自身が相手と明確な線を引いて付き合えるようになれば、クズ行動を改善することも可能。
今回は以上となります。
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