私は親に甘えることができませんでした。私と同じような人がどのような恋愛をしているのか。またどうやって恋人と良い関係を築いているのかを知りたいです。
この記事ではこんな疑問を解決します。
- 親に甘えられなかった人の恋愛傾向と問題点
- 恋人に心をひらけず悩む方への対処法
- 親に甘えられなかったあなたでも、十分しあわせになれる
しん | 心理カウンセラー
心理カウンセラー。過去のカウンセリング実績700件以上。自身の毒親育ちの経験を活かし、『毒親』『恋愛依存症(不安型)』『回避依存症(回避型)』『アダルトチルドレン』などなど、「読者の悩みの根本的な解決」を目指し発信しています。
親に甘えられず育った子供は、恋愛においてさまざまなハンデを抱えます。
たとえば「自分は愛されていないのではないか…」という不安。
または「素の自分を見せたら嫌われてしまうんじゃないか…」といった恐怖。
現在心理カウンセラーとして活動している私も、そうした不安や恐怖をもつ中のひとりでした。
この記事では私の経験を踏まえつつ、親に甘えられなかった人の恋愛について、その問題や解決法について解説します。
親に甘えられなかった人の恋愛傾向
まず初めに、親に甘えられなかった人の恋愛傾向についてお話ししますね。
親に甘えられなかった人の恋愛は大きく分けて2つのタイプに分かれます。
- 恋人に心をひらけないタイプ
- 恋人にのめり込みすぎるタイプ
あなたもこのどちらかに当てはまるのではないでしょうか?でも安心してくださいね。
この記事では心理カウンセラーである私の実際の経験をもとに、両方のタイプの解決法についてお話しします。
なぜ親に甘えられなかったのか?原因はさまざま
解決法についてお話しする前に、まずはあなたが親に甘えられなかった原因について考えてみましょう。
親に甘えられなかった理由は人にさまざまですが
- 多忙(共働きや他の兄弟への世話)
- 離婚や別居、死別
- 病気
- 自己中心的な親
- いつも不機嫌な親
- 家事・育児の放棄
主にこのような理由が考えられます。
あなたも本当は他の兄弟や子供のように甘えたいと思っていたのに、それができないまま、いつの間にか大人になってしまったのではないでしょうか。
「恋人に心をひらけないタイプ」
「恋人にのめり込みすぎてしまうタイプ」
このどちらにせよ、あなたの心の中には「素の自分は愛されない」という不安が隠れています。
恋人に心を開けず悩んでいる方へ
恋人に心をひらけないあなたを支配しているのは
「素の自分は愛されない」
というまちがった思い込みです。
そして、この思い込みがある限り、恋人に心を開くことはできません。
これまでの恋愛でも、幸せになりたいのに、あえて幸せとは逆の行動をとってしまったことはありませんか?
あなたはこれまで親に甘えたくても甘えられず、弱い子供の自分を自分自身の手で守り成長してきたでしょう。
そうして身につけた自立心が、これまでの人生であなたを助けてきたこともあるはずです。
ですが、親というもっとも身近な存在を頼れなかったからこそ、今のあなたは恋人に心をひらくことに、不安や恐怖を感じています。
心をひらいたのに、恋人が自分を拒否したなんてことがもし起これば、それはそのままつらい子供時代の再現になってしまいます。
「受け入れられた」という経験があなたの心を癒す
恋人に心をひらけないと悩むあなたがすべきことは一つ。
それは
恋人を信じて、自分の悩みや思いを打ち明ける
です。
と言いたくなるあなたの気持ち、大変よく理解できます。
実際のところ、親に受け入れられていないと感じるあなたが、この行動を取るにはとてつもないほどの『勇気』が必要です。
しかし「恋人に受け入れられた」という経験は、これ以上ないほどにあなたに自己肯定感を与えてくれます。
人はだれでも欠点があって当然、それはあたなも同じ
あなたは
「完璧な自分」
「恋人の役に立つ自分」
「不満や文句を言わない自分」
でなければ恋人に愛されない、そう考えてはいませんか?
しかし、実際のところあなたの恋人はそうは考えていません。
人には良いところもあれば悪い部分もある、それを受け入れて共有しともに成長していくのが一般的な恋愛関係です。
気持ちを打ち明ける時のポイントは
ネガティブな部分もポジティブな部分も包み欠かさず打ち明けること
です。
自分をよく見せようと考えずに、自分の抱えている思いを全て打ち明けることが大切です。
心を開いたのに受け入れてもらえなかったら?
勇気を出して心を開いてみても、恋人が受け入れてくれないことがあります。
実は心理カウンセラーである私にも同じ経験があるので、その場合の立ち直り方について書きます。
受け入れてもらえなくても誰も悪くない【経験談】
私は当時交際していた女性に、私の生い立ちや過去、悩み、今の不安を打ち明けました。
しかし数日後、彼女がだした答えは「私はあなたを支えられないと思う」でした。
当然私は悲しい気持ちにもなりましたし、人生に絶望しました。
「やっぱり自分は誰にも受け入れられないのだと」本心からそう思いました。
ですが、少し時間が経ちよくよく考えてみると、それは違うことがだんだんとわかってきたのです。
彼女は彼女なりに正面から私の悩みを受け止めたからこそ、自分には無理と結論をだしました。
それは「私個人」を否定したのではなく、あくまで彼女の性格、能力とのかね合いでしかない、ということです。
心をひらけない状況は相手に虚無感をあたえる
確かに今愛している人を失うかもしれないのは、とてつもない恐怖です。
ですが、それは遅かれ早かれ時間の問題、という考え方もできます。
なぜなら「心をひらけない」状況は、ときとして恋人に虚無感を抱かせるから、です。
恋人がこのような理由で、あなたの元を去っていくことを想像してみてください。
あなたはこの先の人生で、今以上に他人に心を開くことに対して後ろ向きになるのではないでしょうか?
心を開けないことによる負のスパイラルです。
だからこそ、受け入れてもらえない可能性があったとしても、勇気を出して思いを打ち明けることが大切なのです。
恋人にのめり込みすぎてしまう方へ
次に「恋人にのめり込みすぎてしまうタイプ」についてお話しします。
恋人にのめり込みすぎるとは、一言でいえば恋人に「依存」している状態です。
親に甘えられず育った子供は、承認欲求をみたせていません。
親からの承認とは
- 子供の行動や努力を褒める
- 子供の感情を理解して認める
- 子供の存在そのものを尊重する
こうした親から子供への自然なつながりであり、親からの承認があるからこそ、子供は安心して親に甘えることができます。
しかし、親からの承認が不足していると
- 自分が嫌い
- 愛されたい欲が強い
- 感情の抑制がきかない
こうした不安定な性格になりやすく、安定した人間関係をきずきづらくなります。
繰り返される恋愛パターン
恋人に依存してしまうタイプの方の多くは、相手を問わず特定の恋愛パターンをなぞる傾向にあります。
- ①:恋人に愛してもらおうと必死に努力する
- ②:恋人からの愛情表現がしだいになくなる
- ③:不安になり試し行動をするようになる
- ④:関係がうまくいかず不安やイライラが高まる
- ⑤:絶望感や自己否定感に襲われる
- ⑥:一時的に恋人から承認欲求を満たしてもらえる(1に戻る)
ではなぜ、いつも似たような恋愛パターンを繰り返してしまうのでしょうか?
これは一言で言えば、あなたの基本的な承認欲求が満たされていないから。
あなたにとって恋人はいわば救世主で、激しい劣等感や欲求不満がある人ほど、恋人に絶対の愛を要求したくなります。
通常、人間の欲求はいろいろな人間関係の中で満たされていきます。
仕事や勉強、スポーツの成果。友人や家族の付き合いでもさまざまな欲求が満たされますよね。
しかし、他の人間関係がうまくいっていない人ほど、恋人に全ての承認を求めるようになります。
自分の心の不安に気を取られるがあまり、相手に負担をかけていることに気がつかず、それでも無理に愛情を繋ぎ止めようとするために、この不毛な恋愛パターンから離れられません。
恋愛依存の克服方法については、このブログでたくさんの記事を公開しているので、ぜひ下の記事を参考にしてくださいね。
関連記事:辛くて苦しい「恋愛依存」から抜け出す方法とは?親に甘えられなくても、あなたは十分しあわせになれる
人によって程度の差はあるものの、親に甘えられなかったことで「恋人に心をひらけない」「恋人に依存してしまう」こうした悩みを持っている方は少なくありません。
私は以前、このブログで恋愛依存を治すもっとも簡単な方法は、メンタルの安定した人をパートナーにするという記事を書いたことがあります。
恋愛依存をやめたいと感じたあなたへ【付き合う人を選ぶ】確かに、カウンセラーと話しながら、自分の過去のトラウマと向き合い、ひとつずつ傷を癒していく方法もあります。
ですが、愛する人に認められるという経験に勝るものはありません。
私が心理カウンセラーだからこそ、よりそう思います。
親に甘えられず今も苦しい思いをしているのは、あなたのせいではありません。
ですが、これからのあなたを作るのはあなた自身、あなたは今からでも十分しあわせになれます。
この記事のまとめ
- 「素の自分は愛されない」という思い込みが、恋愛をハードモードにしている。
- 恋人に心を開いて受け入れられる経験は自己肯定感を与え、自身の成長につながる。
- 恋人に依存してしまう人は、まず自分の恋愛依存を自覚することからはじめる。
恋人に心をひらけない人は、勇気を出して自分の思いを伝えること。
恋人にのめり込んでしまう人は、自分の恋愛依存を自覚して付き合う人を見定めること。
まずはこの2つが大事ですね。
関連記事:恋愛依存と自己肯定感の低さの関係性についてTwitter(@psynote__)もやっています!この記事が役に立ったという方はぜひフォローして頂けると嬉しいです。