自分の生きづらさの原因が愛情不足にある気がする。でももう大人だし、今更どうやって解決したらいいのか分からない。どうすればいいのか教えて欲しい。
この記事ではこんな疑問を解決します。
- 愛情不足な大人にみられる生きづらさと特徴。
- 愛情不足な大人が生きづらさを解消するための本質的な方法
- 意味のないアドバイスと、今から親に愛情を求める危険性
しん | 心理カウンセラー
心理カウンセラー。過去のカウンセリング実績500件以上。自身の毒親育ちの経験を活かし、毒親の克服方法やアダルトチルドレンの改善などを中心に、「読者の悩みの根本的な解決」を目指し発信しています。
恋愛や仕事、生きづらさに悩んでしまう原因のひとつに、幼少期の親からの愛情不足があります。
この記事にたどり着いたあなたも
- なぜか仕事がうまくいかない
- ダメな恋愛を繰り返している
- 人生に空虚感を覚えている
こうした方のひとりかもしれませんね。
現在心理カウンセラーとして活動している私も、同じように愛情不足による生きづらさを抱えていた経験があります。
この記事では、愛情不足で人生が生きづらく感じるあなたへ向けて解決法を解説します。
ぜひ最後まで読んでみて下さいね。
愛情不足な大人、どうすれば生きづらさを解消できるのか
まず結論からお話しますね。
もしあなたが愛情不足が原因で、人生に生きづらさを感じているのであれば、以下の3つを意識することが大切です。
- 愛情不足を他人で満たそうとしない
- 自分なりの成功体験をつみ上げる
- 自分の感情を客観視するクセをつける
なぜこれらが大切なのかについては、記事の後半で詳しく解説します。
まずは愛情不足な大人の特徴について見ていきましょう。
愛情不足な大人の特徴
親からの愛情が不足している大人に見られる特徴は以下のとおりです。
- 人に依存してしまう
- 人を信用できない
- 自己評価がひくい
- 思いやりや人に共感するのが苦手
- 感情を上手に表せない
順に見ていきましょう。
人に依存してしまう
親から愛情を受け取ることができなかった子供は、成長するにつれて親以外の他人につよい愛情を求めるようになります。
自分に愛情を与えてくれる人に執着してしまうため、依存関係に陥りやすいのです。
この根底にあるのは
「自分のことを大切にしてほしい」
「もっと自分のことを見てほしい」
「自分のことをいちばんに考えてほしい」
このような満たされない思いであり、相手が自分の理想を叶えてくれるうちは、つよい幸福感を感じます。
ですが依存の関係は長続きしません。
なぜなら、恋人に「こうあって欲しい」という思いが強すぎるからです。
自分が作り上げた「理想の恋人像」を追ってしまうために、恋人が少しでも自分の理想から外れた行動を取ると、裏切られた気持ちになったり、つよい不安を感じてしまいます。
人を信用できない
愛情不足な環境で育つと、人を信用するのが難しくなります。
これは小さな頃、困った時に親が助けてくれた経験がないために、人に対する基本的な信頼感が育まれていないからです。
人を信用できないために、相手の言葉をつい疑ってしまったり、悪い方向に受け取ってしまうなど、日常生活におけるストレスや生きづらさに苦しみます。
自己評価がひくい
これは親に「ありのままの自分」を認めてもらえなかったことが原因です。
たとえば
- テストでいい点数を取った時
- 親の役に立った時
このように、なにかの条件や対価でしか自分を認めてもらえない環境で育つと、子供は自分自身に価値がないように感じてしまいます。
自己評価が低いと
「自分は頑張っても意味がない」
「どうせなにをやっても上手くいかない」
という思考になり、自分自身のために努力することができなくなります。
思いやりや人に共感するのが苦手
愛情不足な環境で育った人の中には、他人にたいして思いやりを持てなかったり、共感性が低い人がいます。
自分ではそのつもりがないのに、「冷たい」「怖い」などと言わてしまうタイプですね
思いやりや共感性が欠けている理由として
- 親が子供に興味や関心を持っていなかったのをそのまま学習してしまった
- 自分の心を守るために、無意識に感情を抑えてしまっている
このような理由が考えられます。
こうしたタイプの人でも、本心では人と触れ合いたい気持ちが強いため、よけいに孤独を感じる傾向にあります。
感情を上手に表せない
愛情不足な大人は、喜怒哀楽を素直に表現することに抵抗を感じることがあります。
なぜなら、自分の内面を他人に見せることに、不安や恐怖感があるからですね。
「親にすら受け入れてもらえなかった自分を、他人が受け入れてくるわけがない」こう考えています。
相手が恋人でも素直な愛情表現ができず、結果として相手を不安にさせてしまうこともあります。
感情を抑え込むのが日常になるため、ためた負の感情を急に爆発させてしまったり、逆に急に人との関係を経ってしまうこともあります。
このように思い込んでいるため、人にも相談できず生きづらさを抱えます。
形だけの意味のない解決方法
愛情不足による生きづらさを解消しようと考え調べてみると、以下のようなアドバイスが目に止まります。
- 自分を好きになろう
- 自信をつけよう
- 新しい趣味を見つけよう
これらは一見、自己肯定感を高める有益なアドバイスのように思えます。
ですが、実はこれらのアドバイスにはなんの意味もありません。
このアドバイスを聞いて「なるほど!」となる精神状態であれば、生きづらさを抱えることはないでしょう。
「自分を好きになる」「自信をつける」は「結果」でしかなく、必要なのはそこに行き着くための方法や過程です。
表面だけの意味のないアドバイスを信じないようにしましょう。
愛情不足な大人の生存戦略
記事冒頭の結論に話をもどしましょう。
愛情不足を自覚している大人が、生きづらさから抜け出すためには下の3つを意識することが大切です。
- ①:愛情不足を他人で満たそうとしない
- ②:自分なりの成功体験をつみ上げる
- ③:つらい時は自分の感情を客観視する
では順に一つずつ解説しますね。
①:愛情不足を他人で満たそうとしない
愛情不足な大人が、恋人に愛情を求めるのは一見するといい手段のように思えます。
ですが愛情不足な大人の場合
「恋人に愛されているかどうか」
が最優先になるため、非常にメンタルが不安定になりやすい特徴があります。
愛情を感じられている間は問題ありませんが、一度崩れると関係があっという間に破綻します。
「自分の価値」を恋人に預けているために、破局すると「自己肯定感」を一気に失います。
この状況を改善するためには、まずは恋愛依存から抜け出す勇気を持つこと。
恋愛依存の抜け出し方については、下の記事を参考にしてください。
関連記事:辛くて苦しい「恋愛依存」から抜け出す方法とは?②:自分なりの小さな成功体験をつみ上げる
「あなたはなぜ自分に自信が持てないのか?」
この質問に対する私の答えは「成功体験の不足」です。
子供の精神的な成長に、なにかを一人で成し遂げた体験は欠かせません。
ここであなたに知って頂きたいのは
「成功体験」と「自己肯定感」はセットで、行動することでしか得られない
ということです。
子供の頃の成功体験があるからこそ、成長とともにいろいろなことに挑戦し、自己肯定感は自然と強化されます。
しかし、愛情不足で悩む大人の場合、この過程がすっぽり抜け落ちていることが珍しくありません。
自己肯定感は今からでも身につく
「自己肯定感を身につけるには大きな成功が必要」だと考える人がいますが、それは間違いです。
自己肯定感を身につけるために大切なのは、どんなに小さな目標でも「自分が決めたこと」をやり切ることです。
- 毎日10分だけ勉強する
- 1日に1回、健康になるための選択を取る
- 週の終わりに日記を書く
目標はなんでもかまいませんが、最初の目標は限りなく小さなものにしてください。
どんなに小さな目標だったとしても、達成することで
「自分には、自分の決めたことを成し遂げる能力がある」
という自己肯定感に繋がるからです。
③:つらい時は自分の感情を客観視する
人生につらさを感じた時「自分の感情を客観視する」のも、とても効果的な方法のひとつです。
たとえば人の言葉を信用できないと感じた時、いちど冷静になって自分の感情と対話してみてください。
「なんで自分はこの人のいうことが信じられないのだろう?」
と。
するとそれはあなた自身の性格の問題ではなく、親の愛情不足が招いたものだということが分かります。
「自分は変えられない」と思うあなたへ
ここまで読んだ方の中には「そんなのは理想論だ!」と感じた方もいるかもしれませんね。
ですが、ここであえて厳しいことを言わせてもらうならば
理想を理想と切り捨てていたら、いつまでも現状は変わらない
これもまたひとつの事実です。
完璧を目指さない、走りつづけることが大切
ここまでの復習になりますが
愛情不足由来の生きづらさを解決するためには
- ①:愛情不足を他人で満たそうとしない
- ②:自分なりの成功体験をつみ上げる
- ③:つらい時は自分の感情を客観視する
これらの行動を意識することが大切だとお話ししました。
とはいえ、これらを意識しても最初はうまくいかないことの方が多いでしょう。
大切なのは完璧を目指さず、意識して行動し続けること。
最初から完璧を目指してしまうと、少しの失敗で”いつもの自分”に戻ってしまいます。
親に愛情を求めてもいい結果にはならない
ここまで読んだ方の中にはこう思った方もいるかもしれませんね。
「親からの愛情不足が原因なら、親との関係を改善すれば全て解決するのでは?」
と。
結論をお話しすると理屈としては正しのですが、たいていの場合、その思いは打ち砕かれることになります。
なぜなら親はあなたを苦しめてきたとは考えていないからです。
いくらあなたが子供時代の不遇を親に叫んだとしても、親はその事実を否定するでしょう。
さらに詳しく知りたい方は、下の記事を参考にしてください。
関連記事:毒親の自覚なし!自覚のない毒親の対処方法を解説しますこの記事のまとめ
- 愛情不足な大人の生きづらさを解消するためには「愛情不足から依存的な恋愛にのめり込まないこと」、「自分なりの成功体験を積み重ねること」、「自分の感情を客観的に捉える習慣を身につけること」が大切。
- 完璧を目指さない、少しづつ意識して行動することが大切。はじめから完璧を目指すと失敗した時に自尊心が下がる。
- いまから親に愛情を求めてもうまくいかないことがほとんど。余計に傷つく可能性大。
今回は以上です。ぜひ他の記事も参考にしてくださいね。
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