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「自分を大切に」と言われてもそれができない理由

心理カウンセラーが解説、「自分を大切に」ができない理由

「自分を大切に」と人から言われてもなんだか言葉が素通りしてしまいます。こんな私でも自分を大切にできるようになるのでしょうか?

この記事ではこんな疑問を解説します。

この記事の内容
  • 自分を大切にするためには、育った環境から受けた影響を理解し、そのパターンを断ち切ることが重要。
  • あなたを支え、大切にしてくれる人たちと新たな環境を築くことで、あなたは自分自身をもっと尊重できる。
  • 環境を変える勇気を持つことは、あなたが幸せな未来を手に入れるための大切な一歩になる。


こんにちは、心理カウンセラーのしん(@psynote__)です。

「自分を大切にする」と聞いてあなたは何を思うでしょうか。

この記事では、あなたが自分を大切にできない理由とその環境、そしてどうすれば自分自身をもっと大切にできるのかについてお話しします。

そもそも「自分を大切にする」とはなにか?

まず私が考える「自分を大切にする」についてお話します。

私が思う自分を大切にするとはずばり

自分自身の価値を認識して、他人の評価に左右されずに自分自身を認められること

だと考えています。

自分を大切にできない人ほど、他人との「心理的な境界線」があいまいです。

その結果

  • 依存的な関係
  • 自己犠牲的な関係

これらに陥りやすくなります。

他人の期待に応えすぎることで自分のニーズを無視してしまい、相手に合わせることが当たり前になってしまいます。

つまり、先程の言葉を少し変えると「自分を大切にする」とは

自分自身に対して誠実であり、他人の期待に左右されない人生を選ぶこと

だとも言えるでしょう。

自分の本当の気持ちや欲求に向き合い、それを尊重する生き方こそが「自分を大切にする」ということなのです。

しん | 心理カウンセラー
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もちろん、これは単に自分の欲望を満たしたり自分中心に行動することではありません。

あなたが自分を大切にできない本当の理由とは?

自分に対する価値、つまり「自己価値感」は幼少期の経験によって大きく左右されることが分かっています。

特に、親や周囲から十分な愛情や肯定を受けられなかった場合、「自分を大切にする」という概念そのものが理解しにくくなります。

特に幼少期の経験で

  • 自分の感情や意見を否定される
  • 親に無視されたりなじられる
  • 自分の発言を冗談のように扱われる

これらの経験があると、感情を表に出すこと自体が「悪いこと」「意味のないこと」だと感じるようにります。

その結果、自分の感情を抑え込む習慣がつき、自分のニーズや感情を無視することが当たり前になってしまうのです。

しん | 心理カウンセラー
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この記事を読んでくださっている皆さんの中にも、同じ経験を持つ方がいるのではないでしょうか。

また、これらは日本の文化的な背景とも関係しています。

日本では

  • 「他人の感情を乱さないこと」
  • 「他人を思いやること」

が美徳とされることが多く、自分のニーズを大切にすることに対して罪悪感を抱かせる風潮があります。

このような価値観が根強くあることから、自分の欲求や感情を優先することを「わがまま」と捉えてしまうのです。

「自己否定感」は環境によって強化される

自己否定感が強いと無意識のうちに

「自分には価値がない」

と思い込んでしまい、自分を大切にすることに対して消極的になってしまいます。

この自己否定感は「過去のトラウマ」や今現在の「否定的な経験」によってさらに強化され、自分を大切にできない状態が続くことで、その感覚はどんどん深まっていきます。

しかしこれは逆に言うと

自分を大切にできる人はより自分を、そして他人も大切にすることができる

ということになります。

自分を大切にできる人は、自分の価値をしっかりと認識していて、自分に対する「優しさや理解」を持っています。

だからこそ、他人に対しても自分と同じように、優しく丁寧に接することができるのです。

そしてここで、あなたに理解していただきたい大切なことが一つあります。

それは

「自分を大切にできないのは、あなたの弱さではなく、過去の経験や無意識のパターンによるもの」

だということです。

だからこそ、そのパターンから離れさえすれば、あなたはもっと自分を大切にできるようになるのです。

他人の期待に応え続けることであなたが失ったもの

ここまで「自分を大切にできなかった」という経験が、あなたの「自分を大切にできない」という信念(思い込み)を強めていることについてお話しました。

また、この記事の冒頭で私は「自分を大切にする」という意味を

自分の内面的な価値を認識し、他人の評価に左右されずに自分自身を認められること

だと説明しました。

では、一方で自分を大切にできないとどうなってしまうのでしょうか。

ここでは、特に大きな影響を及ぼす以下の3つの点について解説していきます。

  • 「本当の自分」がわからなくなる
  • 認められても物足りなさを感じる
  • 健全な人間関係を築く能力が低下する

順に見てきましょう。

「本当の自分」がわからなくなる

他人の期待に応じ続けることで、何が自分の望みで、自分がどんな価値観を持っているのかという本来の自分を見失います。

他人の期待に沿った自分を演じることに慣れてしまうと、どこまでが自分の本心で、どこからが他人の期待に応じた行動なのかがわからなくなってしまうからです。

その結果、「本当の自分」が見えなくなり、自分をどう扱えば良いのかも分からなくなります。

認められても物足りなく感じる

自分の本当の欲求や価値観に基づいた行動でなければ、どれだけ他人に褒められようと、認められようとも「心からの満足感や達成感」を得ることができません。

外からの評価に依存し、常に他人の期待に応えなければならないというプレッシャーに怯えて生きるのは、とても苦しいことです。

そして、このような生き方は

「この人生を生きていて私は幸せだ」

と感じられる瞬間が少なくなることを意味します。

健全な人間関係を築く能力の低下

他人の期待に応えることが当たり前になると人と「対等な関係」を築くことが難しくなってしまいます。

相手に合わせすぎることで

「自分の意見は重要ではない」

と感じてしまい、やがて自分自身を見失うようになります。

その結果

  • 共依存的な関係
  • 不安定で歪んだ人間関係

に巻き込まれることが少なくありません。

健全な関係を築くには、お互いに自分自身を尊重し合うことが必要不可欠ですが、それが難しくなってしまうのです。

環境があなたに与えた影響と、今の責任の所在

繰り返しになりますが、あなたが自分を大切にできないのは「育った環境や過去の経験が原因」であって、それ自体にあなたに責任は一切ありません。

あなたの考え方や行動パターンは、無意識のうちにこれまでの環境から強く影響を受けてきたものです。

しん | 心理カウンセラー
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そのため、過去の自分を責める必要はまったくありません。

しかし、ここから先の選択はあなた自身のものです。

過去の経験は変えられませんが、今のあなたには自分の考え方を見直し、行動を変えていくことができます。

では、具体的に何をすれば良いのでしょうか?

これまでの私の経験からお話させてもらうと、巷で言われているような

  • 「自己主張を練習する」
  • 「自分の気持ちを手紙に書く習慣をつける」

といった一般的なアプローチは、問題解決の序盤にはあまり効果がないと考えています。

これらの行動は、一時的には気持ちを整理できますが、根本的な解決には至りません。

そこで私が出した答えは

「自分を大切にしてくれる人だけ」を自分の環境に置くこと

というシンプルな方法です。

「自分を大切にしたい」なら環境を変えることが大切

あなたが自分を大切にできない理由がこれまでの環境にあるのなら、その環境を変えれば良いという至極自然な考え方です。

もちろん、いきなりすべてを変えることは難しいかもしれませんが、少しずつでも「自分を大切にできる環境」を新たに作り出すことが大切です。

周囲にいる人たちが「あなたの価値を認め大切に扱ってくれるような存在」であれば、自分を大切にすることもそれほど難しはないのです。

一方で、

  • あなたのことを尊重してくれない人
  • あなたの自己価値を下げるような態度を取る人
  • あなたをコントロールしようとする人

こうした人からは、はっきりと距離を置くことも重要です。

しん | 心理カウンセラー
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特に家族や恋人など、あなたとの距離感が近い人にはより注意しなければなりません。

過去の環境で否定的なメッセージを受け続けてきたとしても

自分を理解し、尊重してくれる人

と過ごすことで、その負のパターンを想像よりもはるかに簡単に打ち破ることができます。

また、このようにあなたを認め支えてくれる存在のことを「安全基地」と呼んだりもします。

安全基地についてさらに知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

関連記事:心の拠り所:大切な人の『安全基地』になれる人の特徴

環境を変えるのは簡単ではないかもしれないが…

もちろん、環境を変えることが簡単なことではないというのは、私もよく分かっています。

ですが、過去の否定的な影響から抜け出すためには、まず自分にとって適切でない環境を冷静に見極めること。

その上で、そこから離れる勇気を持つことが必要です。

しん | 心理カウンセラー
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それは決して「逃げ」ではなく、自分自身を守り、成長させるための正当な選択なのです。

勇気を持って自分にとって良い環境を選ぶことで、少しずつですが、あなたはもっと自分を大切にすることができるようになります。

そして、その選択こそが、あなたの未来をより良いものに変えていく大きな一歩になるでしょう。

この記事のまとめ

この記事の内容
  • 自分を大切にするためには、育った環境から受けた影響を理解し、そのパターンを断ち切ることが重要。
  • あなたを支え、大切にしてくれる人たちと新たな環境を築くことで、あなたは自分自身をもっと尊重できる。
  • 環境を変える勇気を持つことは、あなたが幸せな未来を手に入れるための大切な一歩になる。


これまで自分を大切にできなかった人にとって、自分を大切にする道のりは決して簡単ではありません。

ですが、少しずつ環境を整えあなたにとって良い選択をすることが未来の幸せにつながります。

少しづつで構わないので、自分を大切にするための第一歩を踏み出してみてくださいね。

あなたには必ずその力があります。

関連記事:愛情不足を抱えている大人はどうすれば?「生きづらさ」からの脱出方法

しん | 心理カウンセラー
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