恋人に対する嫉妬や執着がやめられません。相手を変えてもいつも同じような恋愛になってしまいます。改善方法を教えて下さい。
この記事ではこんな疑問を解説します。
- 幼少期に経験した心の傷が、大人になって他者への依存や執着の原因になっている。
- 無意識に過去のトラウマを再現する関係を選んでしまい、感情的な悪循環を引き起している。
- 心の傷を癒やすためには、健全な愛情を持つ人との関係を築くことが大切。
この記事では、なぜあなたが「執着」や「嫉妬」をやめられないのか。
そしてあなたの心の傷がどのように現在の関係に影響を与えているのか。
またその傷をどう癒やすかについての実践的なアドバイスを愛着障害の観点からお伝えします。
ぜひ最後までお付き合い下さい。
嫉妬や執着を止められないのは「未解決の心の傷」があなたにあるから
もしあなたが今、自身の「執着」や「嫉妬」に悩んでいたとしても、それは決してあなたのせいではありません。
あなたはおそらく、幼少期に親や他者から傷つけられ、その心の傷が今も癒されないまま残っているのでしょう。
幼少期に親との関係で「十分な愛情を感じられなかった人」は、大人になってからも他人、特に恋人に対して強い依存心や執着心を抱きやすくなります。
もう一度言いますが、嫉妬や執着が止められないのは、あなたのせいではありません。
あなたが抱えている嫉妬や執着は
心が自分を守ろうとする「防衛反応」の一種
だと考えて下さい。
心の傷によって自分が十分に価値のある存在だと感じられない時、人は他人からの承認を強く求めるようになります。
そして、その結果として他人に依存しやすくなり、相手を失う恐怖心から「過剰に執着」してしまうのです。
つまり、あなたが人への執着や嫉妬をやめられない理由は、あなたの「未解決の心の傷」が原因なのです。
あなたが抱えている未解決の心の傷
もしかすると、あなたにはこんな特徴があるかもしれません。
- 自分には価値がないと思うことがある
- 人に見捨てられるのではないかと不安に感じる
- 他人の期待を裏切ってしまうことが怖い
もし、あなたがこれらの特徴に当てはまるのであれば、それは全てあなたの過去の経験、もっと言えば「幼少期の経験」に根付いている可能性が非常に高いのです。
例えばあなたは
などと自分自身に疑問を持ったことはないでしょうか。
このような感情の根底には、過去の「未解決の心の傷」が深く関わっているのです。
しかし、それと同時に
気づきは回復の第一歩
でもあります。
嫉妬や執着の感情が湧き上がるということは、あなたが過去に経験した心の傷が今も癒されていない証拠。
まず、その事実に気づけただけでもあなたは非常に大きな一歩を踏み出しました。
しかし、気づいただけでは、その傷は癒えません。
次の章では、「なぜあなたが執着や嫉妬を引き起こす相手から離れられないのか」について、さらに深く掘り下げていきます。
「未解決の心の傷」が同じ傷を持つ人を引き寄せる理由とは?
人は無意識に、自分と似た経験や感情を持つ相手に惹かれます。
そして、自分の内面に未解決の心の傷があると、その傷が無意識のうちに恋愛相手の選択にも影響を与えます。
似たような傷や感情を持つ人との共感は、あなた自身も経験として感じたことがあるかもしれません。
本来、あなたの心の傷は「安定感」を求めているのに、実際にはその傷を繰り返す「過去のパターン」を無意識に選んでしまうことがあるのです。
これを私は
「繰り返しのトラウマ」
と呼んでいます。
あなたは過去のつらい経験を繰り返すことで、無意識のうちに「自分の過去と傷を解決しようとしている」のです。
しかし、残念ながらその解決が上手くいくことは少なく、むしろ傷は広がってしまうことがほとんどです。
例えば幼少期に
- 親に無視された
- 冷たい態度を取られてきた
このような人は、恋人にこれに似た特徴を持つ人を無意識に選んでしまいます。
このケースの場合「感情表現が苦手な相手」を選ぶことで過去のトラウマを再現してしまうのです。
すると、以下のような状況があなたに起こります。
- 恋人に冷たくされ、過剰に反応してしまう
- 放っておかれ、不安感が強まる
これがまさしく「繰り返しのトラウマ」です。
子供時代にあなたが親との関係で抱えてきた不安やトラウマ、それが恋人との関係で再現されてしまうのです。
またこの例で言えば、冷たい態度を取る相手は「過干渉な親」に育てられたことがきっかけで、親密なコミュニケーションを避けるようになったのかもしれません。
こうしたお互いのトラウマや傷が重なり、関係は複雑化していきます。
こうして自分の思い通りにならない状態、つまり「解決できない状態」は、さらなる「依存」や「束縛」を生むのです。
では、どうすれば自分の心を癒やし、この悪循環を止められるのでしょうか?
事実:心の傷を自力で癒やすのは簡単ではない
自身の心の傷に気づくことは重要ですが、気づいたとしても自分だけでその傷を癒やすことは非常に難しいのです。
なぜなら
心の傷は深く「無意識の行動」パターンとして長い間にわたって刻み込まれているから
です。
その傷が大きければ大きいほど、あるいはその傷が長年にわたって放置されていたものであれば、自分一人で回復することには限界があります。
こうした心の反応は、単なる習慣ではありません。
これらは記事タイトルにもあるように「愛着障害」、あるいは「愛着スタイル」に基づく感情の反応として、長年にわたる繰り返しの結果です。
ですから、こうしたパターンを自分の力だけで変えようとすると、心に大きな負担がかかってしまうのです。
では、なにも打つ手はないのでしょうか?いいえ違います。
「あなたと他者との健全な関係」
が心の傷を癒やしてくれます。
「執着」や「嫉妬」を止めるには「あなたの価値」を再認識する必要がある
なぜ、他者との健全な関係が大切なのか。
まず大前提としてあなたは今後、「自分の価値をしっかり認識」できるようにならなければなりません。
なぜなら執着や嫉妬の根本原因は、多くの場合「自己価値感の欠如」にあるからです。
つまり「自分で自分を認めてあげることができない」ということですね。
恋人やパートナーに対する嫉妬や執着を減らすには、自分自身の価値を内側から認められなければいけません。
これができるようになることで、他人からの評価に頼ることが少なくなり、結果として執着や嫉妬が次第に減っていくのです。
さらに、執着や嫉妬が減ると、相手の行動に対して一喜一憂しなくなるため、自分の感情も安定します。
そしてこうした変化を実現するために重要なのが、あなたと同じ傷を持つ人ではなく
健全な心を持つ人とのコミュニケーション
なのです。
こうした人々との関わりは、あなたの心の回復を確実に助けてくれます。
どうすれば「健全な心」を持つ人と近づけるのか?
実際のところ、世の中には「健全な心を持つ人」、つまり愛着理論で言うところの「安定型」の人がたくさん存在します。
というよりも、むしろそちらの方が圧倒的大多数だと言えるでしょう。
心に傷がある人がこうした安定型の人を選べず、同じような人に惹かれる理由については先ほど解説しましたが、実はもう一つ大きな理由があります。
それは
心に傷のある人にとって、健全な心を持つ人は「つまらなく」感じる
ということです。
幼い頃から感情的で、刺激が強い関係に慣れていると、健全な愛情を持つ人が
このように感じられてしまうのです。
しかし、それは実は
- 「安定」
- 「安心感」
を相手が提供できている証であり、長期的にはあなたの心を癒す大きな力になります。
本物の愛情を見誤らないこと
まずは、こうした「時につまらなく感じる関係」が本来当然であるという事実を受け入れなければなりません。
あなたは過去に感じた激しい感情こそ「本物の愛」だと思うかもしれませんが、それは単に「不安定」さによる依存や執着が引き起こした「偽の愛情」なのです。
健全な人間関係は、ドラマチックなものではなく、むしろ穏やかで安心できるものです。
心に傷を持っていると、安定感に違和感を感じたり、不安定さを「愛」と誤解してしまうことがあります。
そのため、健全な愛情を感じることは、最初は「新しい挑戦」となるかもしれません。
たとえ刺激的な感情が得られなくても、その関係がもたらす安定感があなたを癒し安心させます。
最初は平穏で退屈に思える日々が、後になって「心の安定を築く基盤」になるのです。
最初のうちは
と感じることも当然あるでしょう。
ですが、あなたは必ず、自分の意志でその価値に気がつかなければならないのです。
心の傷を負ったことにあなたに責任はありません。
ですが、今のあなたを幸せにできるのはあなただけなのです。
この記事のまとめ
- 嫉妬や執着の感情は、過去の未解決な心の傷からくる防衛反応である。
- 安定した愛情関係は、最初はつまらなく感じるかもしれないが、長期的には心を癒す力を持つ。
- 自分の心の傷を受け入れ、健全な人との関係を築くことで、心の安定を取り戻すことができる。
心の傷を癒やすのは簡単なことではありませんが、その過程において自分自身を理解し、「健全な関係を選ぶ力を育む」ことが大切です。
最終的にあなたを幸せにできるのはあなただけ。
そのことを忘れずに、少しずつでも前に進んでいきましょう。
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