
自分に自信が持てなくていつも恋人に依存してしまう。少し連絡がないだけで不安になる。恋愛依存から抜け出したいのにどうしていいか分からない。
この記事ではこんな疑問を解決します。
先日、こんなツイートをしました。
恋愛依存症について「たかだか恋愛の悩みを大げさに…」と思う方もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
依存対象が無くなることで「日常生活に大きな悪影がでる」という点では、アルコール依存も恋愛依存も大差ありません。
この記事では、そんな辛い恋愛依存の抜け出し方について解説していきます。
ぜひ最後までお付き合いください。

カウンセラーである僕自身、過去には「恋愛依存」「回避依存」に苦しめられていました。
辛くて苦しい恋愛依存症から抜け出すには?

まず結論からお話します。
恋愛依存症から抜け出すためには、まず下の3つの大前提を抑える必要があります。
・克服にはいくつかの段階を踏む必要がある
・克服には多少の時間がかかる
・ゆっくり努力すれば誰でも克服できる
「なんか漠然としすぎ!」
と思うかもしれませんが、詳しくは記事後半で解説するので安心して下さいね。
恋愛依存症を抜け出す方法については、さまざまなメディアが取り上げていますよね。例えば
「自己肯定感を高くしよう」
「別の趣味を見つけることが大切」
「自分の新しい居場所を見つけよう」
確かにどれも間違いではありませんが、これらはあくまで表面的な解決方法で、根本的な解決にはなりません。
繰り返しになりますが、恋愛依存症はアルコールや薬物と同じれっきとした「依存症」です。

ちなみに今「大げさだな~」と思った方はかなり危険です…!
依存症の人の特有の考えに「否認」があります。
「私はアルコール依存ではない」
「止めようと思えばいつでも止められる」
恋愛依存症に置きかえてみましょう。
「私は恋愛で少し悩んでいるだけ」
「離れようと思えばいつでも離れられる」
どうでしょうか?共通点が見えてきたのではないかと思います。
このように、恋愛依存症もアルコール依存症も依存する仕組みや、解決方法は基本的に変わりません。
具体的な方法は記事後半で解説していきますね。
恋愛依存症とは?

そもそも恋愛依存症とはどういった状態なのでしょうか?
恋愛依存症は4つのタイプに分けることができます。
・共依存タイプ
・ロマンス依存タイプ
・回避依存タイプ
・セックス依存タイプ
タイプごとの詳しい説明については、下の記事を参考にして下さい。
タイプによって恋愛に対する考え方やアプローチは変わってきますが、共通しているのは
「 罪悪感」
「 自己否定感」
「 無価値感」
「 絶望感」
こうした悪感情を心に抱えているということです。

「恋愛依存で悩んでいます」という方の大半は「共依存タイプ」。そして恋人は「回避依存タイプ」がもっとも多い恋愛のパターンです。
共依存タイプの特徴
共依存タイプの人は恋人に対し
・必要とされること
・承認されること
を強く求めます。
そのため、付き合う相手も精神的に自立していない人、具体的には
・繊細な人
・メンタルが不安定な人
・DVや暴力を振るう人
など、一般的には好ましくないとされる人に惹かれてしまう特徴があります。
なぜ共依存タイプはこうした人を選んでしまうのでしょうか?
・恋人を助けること
・恋人から必要とされること
・恋人を自分の思うように操作できること
共依存タイプの人にとってはこれらはすべて「自分の価値」へと繋がります。
共依存タイプが恋人からの承認を強く求めてしまうのは
自己肯定感の低さ
が根底にあるためです。
自己肯定感が低いと「自分で自分のことを認められない」ために、自分の存在価値を他人に委ねるようになります。
・恋人に必要とされると幸せを感じる
・見捨てられ不安が強い
・恋人命、常に恋人が最優先
・不幸な人や影がある人に惹かれる
・恋人の頼みごとにノーを言えない
・自分の意見を聞いてもらえないと、イライラする
・相手が自分より劣っていると感じる
・恋人の予定をすべて把握したくなる
あなたがこうした特徴に当てはまるのであれば、「共依存タイプ」の可能性が高いでしょう。
回避依存タイプ(回避依存症)の特徴
回避依存タイプは、恋人と「親密になること」を恐れるのが一番の特徴です。
心の底では
「人と触れ合いたい」
「近づきたい」
「心を通わせたい」
と考えているのですが、実際に関係が深くなると、その関係から逃げ出してしまいます。
これには小さな頃のトラウマが関係しています。
具体的には「束縛」や「干渉」を思い出させる行動が回避行動の引き金となっていることが多いですね。
回避依存症にはいくつかのタイプがあり、大きく分けて下の4つに分類することができます。

タップすれば各タイプの詳しい特徴に飛びます。
タイプごとに性格や特徴は大きく変わりますが
「見捨てられ不安」が強いこと
「自己肯定感」が実はとても低いこと
は全てのタイプに共通しています。
回避依存症については、女性よりも男性に多くみられる傾向がありますね。
回避依存症については、このブログではかなり詳しく取りあげているので、他の記事も是非参考にして下さい。
>>回避依存症の特徴・タイプ・行動・心理・付き合い方を解説恋愛依存症の原因

恋愛依存症の原因で圧倒的に多いのは「小さな頃の愛情不足」です。
具体的な特徴としては下のような環境になります。
・精神的・肉体的な暴力がある環境で育った
・親がアルコール依存だった
・両親の離婚や別居を経験した
・子どもが親の代わりをしていた
・親の態度や言動に一貫性がなかった
こうした家庭環境で育った子どもは
「親に満たしてもらえなかった愛情を恋人に肩代わりして欲しい」
と無意識に考えるようになります。
「恋人になんども愛情を確認する」
「恋人の役に立てるように無理をする」
「恋人の機嫌を損ねないようにする」
恋愛依存の人のこうした行動は、もともと「親に愛されるための行動」です。

子供の頃に学んだ「間違った愛され方」を恋人に再現してしまっている、ということですね。
この間違った愛され方でも、恋人から認められることで「自分は愛されている」といった満足感を得られます。
ですが、あくまでそれは一時的な感情です。
根本的なトラウマが癒やされているわけではないので、またすぐに愛情の確認をせずにはいられなくなってしまいます。
自分の恋愛依存症度をチェック

簡単にですが、恋愛依存症のチェックリストを作りました。
① 誰かに愛されていないと不安になる
② 恋人が自分のもとを去るのではないかと不安になる
③ 恋人を支えられるのは自分だけだと感じる
④ 相手好みの人になろうと努力する
⑤ 一人の時間をなにに使っていいか分からない
⑥ 家族や友達より恋人を優先してしまう
⑦ ドラマや漫画のような恋愛に憧れる
⑧ 恋人が友達といると分かっていても不安になる
⑨ 恋人が今なにをしているのか四六時中考えてしまう
⑩ 恋人に必要としてもらえると心が軽くなる

半分以上当てはまるのであれば、恋愛依存症の可能性が高いと言えます。
「良い依存」と「悪い依存」

よく勘違いされるのですが、「依存」そのものはなにも悪いことではありません。
ここでは「良い依存」と「悪い依存」の違いについて解説します。
まず良い依存から。
・大前提として自分が主体
・相手の立場や気持ちを思いやれる
・困った時はお互いに助け合える
良い依存は、あくまで自分が主体です。
人に依存する部分と、自分で解決すべき部分の区別が明確なので、必要以上に相手の負担になることがありません。
良い依存を言いかえると
「責任を果たした上で、困った時は人に素直に頼れる」
このようにまとめることができます。
一方の悪い依存について
・他人が主体で責任を放棄する
・依存対象がないとまともな日常生活が送れなくなる
・不安や無価値感を自分で否定できず、相手にしがみつく
自分ではなく他人が主体ですね。
「相手に自分の責任を全て押し付けることで、自分の問題を解決しようとする」
これが「悪い依存」になります。
全て相手任せなので、依存対象を失うと「自分が自分でいられなくなるような感覚」に陥ります。
恋愛依存症のなにが問題か?

恋愛依存症のなにが一番の問題なのか?
それは恋愛依存症の「恋愛」は、実は「恋愛」ではないということにあります。
これだけだと意味が分からないですよね。
恋愛依存症の人が持っている
「愛されたい」
「認められたい」
「トラウマを癒やして欲しい」
「ダメな自分を隠して欲しい」
こうした「認められたい」という欲求は「恋愛感情」とは全くの別物です。
恋人が自分の「不安」や「欲求」を満たしてくれることが当たり前になるほど、恋愛依存の人は自分と向き合うことが怖くなります。

恋人と別れたり、関係にほころびが見えた段階で、別の恋人を探してしまうのは「認めてくれる人がいなくなる」という不安が根底にあるからです。
普通の恋愛であれば、一つの恋愛が終わった時
「自分のどこがダメだったか?」
「上手くいかなかった原因は?」
「どうすればもっといい人と出会える?」
など「次はもっと良い恋愛をしよう!」とあれこれ考えると思います。
ですが、恋愛依存症の人が求めているのは
「愛情を与えてくれる人」ではなく「役割を果たしてくれる人」
になります。
普通の恋愛のように「恋愛を通して自分が成長する」というのが一切ないので、いつまでも同じ恋愛を繰り返してしまいます。
恋愛依存症を抜け出すために【まずは認めること】

記事のはじめに「恋愛依存症を抜け出すにはいくつかの段階を踏む必要がある」とお話しました。
この記事では、恋愛依存症を克服する最初のステップである
「自分の恋愛依存症をありのままに受けめること」
についてお話しますね。
恋愛依存症を認めることの重要性

恋愛依存症を認めることがなんで重要なの?
と思うかもしれませんね。
自分の恋愛依存症を認めることがなぜ大切なのかというと
「これまで不安定な恋愛をしていたこと」
「恋人と傷つき傷つけあったこと」
「辛いことから逃げつづけていたこと」
こうした問題を全て「自分の責任」と考えられるようになるからです。

これはもちろん「あなたが悪い!」とか「病気だ!」と言っているのではありません。
過去の出来事に対して「自分にも責任があった」と認めることで、責任のありかが「恋人」から「あなた」に移り変わるのが重要なポイントです。
自分の人生や行動に責任を持つことで
「これまで自分は辛い思いをした」
「同じことを繰り返したくない」
「もっと良い関係を作る方法があるはず」
といったポジティブな感情が自然に湧くようになります。
責任を持つということは、自分の行動次第でいくらでも現状を変えられること
「恋愛依存症を認める」と聞くと大したことのないように思えるかもしませんが、恋愛依存症を克服するにあたってここはとても大切なポイントになります。
間違った恋愛依存症の抜け出し方
あくまで、僕個人の意見にはなりますが
・恋人に期待しない
・スマホから離れる時間を増やす
・自分の見た目を磨く
・一人でできる趣味を見つける
こうした対策だけでは、恋愛依存症は克服できないと考えています。
なぜなら、これらの行動は表面的な部分にしかアプローチしていないからです。

「これらの行動が間違っている!」ということではなく恋愛依存症の克服には直接結びつかないかな、と思います。
また、恋愛依存から抜け出そうと必死になるあまり、買い物やアルコールなど別の依存を招く危険性もあります。
無理して恋愛から離れるのではなく、まずは自分の内面を知ることが大切ですね。
まとめ

最後に今回の記事の内容のまとめです。
[safe title=”この記事のポイント!”]今回は恋愛依存症の抜け出し方について解説しました。
この記事で紹介した「自分の恋愛依存症を認める」は、あくまで恋愛依存症を克服する「最初のステップ」になります。
更に詳しい恋愛依存症を克服する方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
>>関連記事:恋愛依存症を克服する方法とは?【本質へのアプローチが大切】今回は以上となります。