
回避依存症ってなに?回避依存症の人はどんな特徴があるの?彼氏が回避依存症かどうか知りたい。
この記事ではこんな疑問を解決します。

しん | 心理カウンセラー
心理カウンセラー。過去のカウンセリング実績500件以上。毒親育ち。自身の恋愛依存症・回避依存症の経験を活かし、「読者の悩みの根本的な解決」を目指し発信しています。
先日、こんなツイートをしました。
この記事では「回避依存症」という言葉を初めて聞いたという方に向けて、回避依存症について
・特徴
・原因
・男女ごとの恋愛パターン
・4つのタイプ
・恋人に求めるもの
・正しい付き合い方
これらをまとめて解説します。
この記事を読めば、あなたも「回避依存症」のことがかなり深く理解できると思います。
あなたの恋人が「回避依存症」かどうか、ぜひチェックしてみてくださいね。

この記事を書いている私自身、20代の頃は「回避依存症」でした。現在はその経験を元に、心理カウンセラーとして恋愛のお悩みを解決しています。
回避依存症とは?

回避依存症を一言で解説すると
「自分が傷つく状況を恐れるあまり、人と深い関係を築けない人」
になります。
深い関係になると急に音信不通になったり、そっけない態度を取ったりですね。
まず、ここであなたに覚えておいて頂きたい最初のポイントがあります。
それは、回避依存症の人も心の奥底では
「恋人ともっと親密になりたい」
「恋人と深い関係を築きたい」
と考えている、ということです。

いや、深い関係を築きたいのに避けるって意味不明なんですが…
と思って当然ですが、こちらについては後ほど詳しく解説していきます。
回避依存症チェックシート

まず、回避依存症の簡易的なチェックシートを用意しました。
- 仲が深まってきたと思うと、突如として音信不通になる
- 束縛や干渉をされることを嫌がる
- あなたに対し「〜しろ」などの支配的な言葉が多い
- 恋愛経験が極端に多い、もしくは少ない
- あなたに本音を打ち明けようとしない
- 付き合い始めと今で、全く違う人のように感じる
- 愛情表現をしてくれない
- あなた対してネガティブなワードを頻繁に口にする
- 自信家に見えるが、実はとても繊細
- 両親との関係が上手くいっていない
あなたの彼の性格や特徴が、上の項目に半分以上あてはまるのであれば「回避依存症」の疑いがあります。
回避依存症の原因とは?

回避依存症の原因となるのは「小さな頃の親子関係」です。
恋愛系メディアでは「回避依存症の原因は主に”母親”にある」と書かれていますがこれは間違いで、「父親」「母親」両方に関係があります。
回避依存症の原因となる親子関係は下のようなものです。
・過干渉
・過保護
・無関心
・精神的、肉体的暴力
特にこの中でも、過干渉と過保護は「回避依存症」の原因になりやすいですね。
「子どもを自分の理想通りに育てたい」という気持ちが先行して、子供の気持ちを無視した教育をするようになります。
子どもからするとそんな親の気持ちは分からず
「自分の意見は尊重されない」
「自分は愛されていない」
「親という存在は信用に値しない」
こうした感情を子どもに強く植え付けます。
小さな頃の親子関係は、その後の人付き合いの基本の型となります。
「自分の意見が言えない」
「人に干渉されたくない」
「誰も信用できない」
回避依存症の人がこうした特徴をもつのは「小さな頃の親子関係」に原因があります。

「過去の恋愛経験」や「日常生活のストレス」が回避依存症の根本的な原因と書かれた書籍やネット記事もありますが、過去100件以上行ったカウンセリングで、これらが原因だったことは一度もありません。
カウンセリングで実際にお聞きした、回避依存症の原因(具体例)を2つ紹介します。
具体例①:親に服従して育った人
相談者様の恋人は、小さな頃から日常的に親から暴力(言葉を含む)を受けて育っていました。
親の暴力から身を守るため、日頃から親の機嫌を伺うことが日常になり、自分の本心をいつも隠してしまうようになったそうです。
また暴力の他に過干渉もひどく、子供の友人関係に口を出すことも当たり前でした。
親の希望通りの人間関係を築き続けた結果
「人との適切な距離感が分からない」
「いつも孤独感を感じるようになった」
とのことです。
具体例②:離婚や死別による母親の不在
もう一つ取り上げるのは、乳幼児の時期に母親が死別した方の例です。
母親という存在は、子供の心身の発達において、代わりが効かないとても大切な存在とされています。
乳幼児は母親から守られ、愛情を受けることで人への安心感を育めるからですね。
この方の場合、死別によって母親がいなくなり父子家庭で育ったそうですが、大人になってから
「なぜ自分が人と距離をおきたくなってしまうのか分からない」
と強く感じるようになりご相談に至りました。
たとえ心当たりがなくても、小さな頃に愛情欲求が満たされなかったことで、回避依存症になる人は珍しくありません。
【男女共通】回避依存症の人の特徴3つ

では続いて、男女共通の回避依存症の人の特徴を解説していきます。
ここでは代表的な回避依存症の特徴3つを取り上げます。
①:彼女からの束縛や干渉を嫌がる
②:自分の話をすることを避ける
③:「周囲の人からみた自分」を常に気にする
順に解説していきます。
特徴①:恋人からの束縛や干渉を嫌がる
回避依存症の人は「束縛」や「干渉」を嫌います。
「他の女の子と連絡しないで!」
「今日どこでなにしてたの!?」
といった「束縛」や「干渉」は、回避依存症の人にとって「幼い頃のトラウマ」を思い出させる行為です。

なぜ「束縛」や「干渉」がトラウマを刺激するのかについては後ほど詳しく解説します。
「束縛」や「干渉」が重荷になってくると、回避依存症の人は音信不通やそっけない態度を取ることで、相手と距離を置こうとします。
特徴②:自分の話をすることを避ける
回避依存症の人には「自分の話をすることを避ける」といった特徴があります。

「なんで彼は自分の話をしないんだろう…」とヤキモキした経験はありませんか?
例えば
「昨日は〜に遊びに行った」
「ご飯は〜を食べた」
といった日常的な話であっても、自ら進んで話をしてくれることはほとんどありません。
そんな恋人に対し、しつこく食い下がって話を聞きだそうとする行為は上で解説したように
「束縛」
「干渉」
だととらえられ、距離を開けられます。
普段の話を聞けないために、お互いの関係が深まっているように感じられず不満が高まります。
特徴③:「周囲の人からみた自分」を常に気にする
回避依存症の人は「人に拒否される事に対して非常に敏感」です。
例えば
「お前って本当に失敗が多いやつだなあ(笑)」
といった、状況的にどう考えても冗談だと分かる発言だとしても、自分の全てが否定されたように感じてしまいます。
また、その「人に否定された」という思いが長期化しやすいのも特徴です。
こうしたネガティブな思考が長期化することで
「人に否定された」
「自分はダメな人間だ」
「なにをやっても上手くいかないんだ」
と、その後の人間関係や、チャレンジ精神にも悪影響を与えます。
物事の捉え方が0か100の両極端
という特徴から、一度相手に嫌われたと感じるとその考えが頭から離れず、いつまでも引きずります。
回避依存症の男性の恋愛パターン

男女共通の回避依存症の人の特徴を解説したところで、次は回避依存症の男性によく見られる恋愛パターンを解説します。
パターン①:仲が深まると急に連絡が取れなくなる
パターン②:彼女を束縛をしたり、支配的な行動を取る
パターン③:一途アピールをしつつ他の異性と関係を持つ
あなたにも心あたりがあるのではないでしょうか?
順に解説していきます。
①:仲が深まると急に連絡が取れなくなる
カウンセリングでもっとも多い相談の一つがこの恋人の急な「音信不通」です。
それまで二人の関係に問題がなかったにも関わらず、ある日突然音信不通になるため
「なんで無視するの?」
「どうして連絡を返してくれないの?」
「このまま関係は終わり?」
と恋人に強い不安や怒りを感じ、他のことが手につかなくなります。
一見すると意味の分からない回避依存症の人の行動ですが、この行動の裏には明確な理由があります。
回避依存症の人は強い「見捨てられ不安」を抱えています。
そして、なにかのきっかけでこの「見捨てられ不安」が刺激されると
「今は幸せだけどそのうち傷つくかもしれない」
「その前に離れよう」
といった思考になり、その結果として「音信不通」になります。

厄介なのは当の本人はこの思考を意識していないことです。なので音信不通の理由を聞いても「なんとなく…」などと曖昧な言葉でにごされます。
回避依存症の音信不通への対処方法は下のページで詳しく解説しています。
関連記事>>:【経験者が語る】回避依存症の恋人が音信不通になる理由と対処方法について②:彼女を束縛、支配しようとする
彼女を束縛・支配したがるのも、回避依存症の男性によく見られる恋愛パターンの一つです。
具体的な特徴としては下のような感じです。
・常に自分が中心でないと気がすまない
・人に命令するのは当然、反論されると激昂する
・自分の理想を押し付ける(話し方、食事、掃除などなど)
こうした「恋人の行動を管理したい」という思いは
「親にコントロールされていたことへの怒り」
「自己肯定感の低さ」
が根底にあります。
自分という人間をありのままに受け止められないために
「相手にコントロールされたくない」
「弱い人間だと思われたくない」
「恋人を支配して自分の強さを確認したい」
このようなゆがんだ考え方が、彼女への束縛や支配となって現れます。
③:一途アピールをしつつ他の異性と関係を持つ
一途アピールをしつつ他の異性とも関係を持つのも、回避依存症の男性の特徴です。
付き合い始め、あなたの彼氏はこのような発言をしていませんでしたか?
「好きなのは〜だけ」
「こんなに人を好きになったのは初めて」
「浮気をするなんて考えられない」
こんな言葉を彼氏から貰えれば、彼女として舞い上がってしまうのも当然です。
ですが、回避依存症の男性は全く同じ言葉を、恋人ではない他の女性にも投げかけている可能性があります。
さきほど、回避依存症の人は「人から拒否されることに敏感」だとお話しました。
回避依存症の人にとって恋人に振られるというのは、単に彼氏彼女の関係の終わりではなく
「自分という人間の完全否定」
になります。
別れを切り出された時に自分が傷つかなくても済むよう、常に自分の事を認めてくれる人を絶やしません。
回避依存症の女性の恋愛パターン

続いて回避依存症の女性の恋愛パターンです。
パターン①:彼氏にも本心を明かさない
パターン②:束縛や干渉への恐怖心が男性よりも強い
パターン③:「傷つくことに敏感」過ぎて結果的にモテる
順に解説していきます。

僕がこれまでお付き合いした回避依存症の女性はみんなこんな感じでした。
①:彼氏にも本心を明かさない
回避依存症の女性は他人に本心を見せたがりません。
「彼氏」と書きましたが、基本的に仲の良い友人でも同じです。
「本音を言ったら嫌われるかもしれない」
「自分をさらけ出したら離れていってしまうかもしれない」
意識的にしろ無意識にしろ、こうした不安を抱えているために、本心をいうことを拒んでしまいます。
こうした特徴は恋人側からすると
「なんで気持ちを言ってくれないんだろう…」
「本当に愛されているのか分からない…」
といった不安を生み、これが元で関係がこじれてしまうことも少なくありません。
②:束縛や干渉への恐怖心が男性よりも強い
回避依存症の女性は、男性よりも小さなことを「束縛」や「干渉」と受け止めます。
例えば
「昨日はだれと遊びに行ったの?」
「家についたらすぐに連絡してね」
「毎週一回は電話しよう」
などですね。
こうした男性側の不安感が元になっている発言は、回避依存症の女性にとっては地雷です。
なぜなら、回避依存症の女性にとって「束縛」や「干渉」は
「自分がコントロールこと」
だからです。
パターン①の「本心を明かさない」と相まって、男性はその不安感から「束縛」や「干渉」を強めてしまいます。
一方で、女性側は「自分がコントロールされる状況」に息苦しさを感じてしまうため、束縛や干渉が続くと恋人から離れようとします。
基本的に「一度去ったら戻ってこない」というのが、回避依存症の男性との大きな違いです。
③:「傷つくことに敏感」過ぎて結果的にモテる
結論からいうと、回避依存症の女性はモテます。
全員が全員、そうだと言い切れる訳ではありませんが、少なくともモテる人が多いことは確かです。
これは回避依存症の女性が
「人に嫌われないように八方美人」
「バカにされないように外見を磨く」
「見捨てられ不安から複数の人をキープする」
こうした特徴を持っていることが理由だと考えられます。
「自分が傷つかない」「見捨てられ不安を解消する」こうした自分の弱さを隠すために取っている行動が、結果として男性を引きつける要因になっているということです。
関連記事>>:回避依存症の女性の特徴とは。男性とは違うポイントを解説します!回避依存症の4つのタイプ

ここまで回避依存症の特徴について解説しました。
回避依存症には4つのタイプがあり、記事中で解説した特徴についてはいずれかのタイプに当てはまります。
各タイプの詳しい特徴については別記事でまとめているので、ここでは簡単に解説します。
脱走者タイプ
脱走者タイプは、仲が深まれば深まるほど、恋人から離れていくのが特徴です。
・束縛を嫌う(小さなことを束縛と捉える)
・好意を伝えれば伝えるほど素っ気ない態度を取る
・急に連絡を返してくれなくなる
・話し合いや、約束を決めるのを嫌がる
・自分の気持ちなどを話したがらない
具体的にはこうした特徴ですね。
脱走者タイプは自分と人との距離感を大切にしており「自分の領域に踏み込まれた!」と少しでも感じると、露骨な回避行動を見せます。
関連記事>>:【回避依存症】脱走者タイプの特徴や付き合い方について解説独裁者タイプ
恋人を支配することで、自分がコントロールされない状況を作り出すのが「独裁者タイプ」の特徴です。
・非常に自己中心的な考え方
・常に自分が「教えてあげている」という態度を取る
・人には命令するが、自分が命令されるのは許せない
・精神的に痛みつける様な言葉を日常的に使う
・話し方や食事、掃除方法など、小さなことに口を出す
いわゆるモラハラ気質です。
幼少期のトラウマから「人から支配されたくない」という思いが強く、自己防衛のためにモラハラやDVなどの行動を取ります。
関連記事>>:回避依存症の独裁者タイプについて解説【恋人を支配する】ナルシストタイプ
ナルシストタイプの特徴は「自分の弱さ」を決して人に見せないということです。
・人に見下された態度を取られると激しく怒る
・自信家に見えて意外とメンタルがもろい
・否定されることにすごく敏感
・人より優れていると信じている
・自慢話や自分を大きく見せる話が多い
一見すると、自信を持っていたり、自立しているように見えるのですが、それはあくまで「自分の弱さ」を見せないための見せかけに過ぎません。
回避依存症のナルシストタイプってどんな人?【特徴や心理を解説します】搾取者タイプ
搾取者タイプは「自分の欲求の為に、相手を都合の良いように利用する」といった特徴があります。
・恋人の願いを聞かないと、拗ねたり落ち込む素振りを見せる
・お願いをしてくる時は甘えた雰囲気
・こちらのお願いは理由をつけて断る
・「どうせ自分は・・・」など相手の同情を誘う
・「お前だけは違う」など都合の良い”特別感”を演出する
恋人の同情心を引き出すことに長けており、自分の都合のいいように恋人を支配します。
関連記事>>:回避依存症のナルシストタイプってどんな人?【特徴や心理を解説します】回避依存症が好きなのは「自分に依存してくれる人」

これは僕が回避依存症だったからこそ分かるのですが、回避依存症の人が好きになるのは
「自分に依存してくれる人」
ただこれだけです。
顔や性格はあくまでおまけで「自分から離れていかないか?」の方がよっぽど重要なのです。

もちろん、全く愛情が無いわけではありませんが、あなたが考えているよりもずっと愛情は小さな要素です。
そのため、回避依存症の人は「自立した人」を恋人に選ぶことはありません。
恋人に選ばれるのは
・弱さを抱えている人
・メンタルが不安定な人
・共依存傾向が強い人
いわゆる「恋愛依存症」と呼ばれる人です。
理由はさきほどお話した通り「自分に依存してくれるから」ですね。
回避依存症の人の心理としては
・見捨てられる可能性が低い
・自分が恋愛の主導権を握れる
・常に自分を必要としてくれる
まとめると「コントロールがしやすい、自分を見捨てなさそうな人」を恋人に選ぶということです。
とはいえ、こうした二人の関係がうまくいくのは初めだけです。
恋愛が進むにつれて恋愛依存症の人の
「もっと自分を満たして欲しい!」
といった欲求に回避依存症側が耐えられなくなり、関係が破綻します。
ふたりの「親密さ」の違いを認められるかが関係改善の鍵

もし、今あなたが回避依存症の恋人との関係に悩んでいるのであれば、覚えておいて欲しいことが一つあります。
あなたと恋人の関係が上手くいっていないのは、恋人があなたを愛していないからでも、あなたに魅力がないからでもなく
お互いが求めている「親密さ」
これが二人の間で大きく食い違っているからです。
「親密さ」というと少し難しく聞こえるかもですが、要は
・お互いの距離感
・愛情の伝え方
・連絡の頻度
こうしたものです。
あなたの恋人も、付き合い始めはあなたに強く愛情を求めていたかもしれませんが、それは本来の恋人の姿ではありません。
付き合い始めの姿に惑わされず「今の恋人を理解できるようになること」が大切です。
関連記事>>:回避依存症の彼を理解したい方はこちらまとめ
最後に今回の記事の内容のまとめです。
今回は回避依存症という言葉を聞いたことがない方のために「回避依存症」をイチから解説しました。
「私の彼も、もしかしたら回避依存症かも…」と思った方は、ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。
今回は以上となります。

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こんにちは。
質問させてください。
複数人の女性がいる回避依存症の男性は同時に複数の女性を避けていたり、追いかけていたりするのでしょうか?
A・B・C・Dさんと友達以上恋人未満の関係だった場合、AさんとBさんに対して回避が発生して距離を置き、Cさんの事を追いかけている。
Dさんの事は避けてもいないし、追いかけてもいない。
コメントよろしくお願いします。
匿名希望さん
可能性として無くはありませんが、回避依存症の男性が同時に複数の女性を避ける、追いかけるというケースはあまり一般的ではない、というのが質問に対する答えになります。
友達以上恋人未満の関係の場合、その方の回避行動が果たして本当に回避行動なのか、単に浮気性な男性の方なのかを判断するのも難しいため、大変申し訳無いのですが、これ以上踏み込んだ回答はこの場では控えさせて頂きます。
コメントありがとうございました。