どうすれば回避依存症の彼の本命になれるのでしょうか?根拠ある方法が知りたいです。
この記事ではこんな疑問を解決します。
しん | 心理カウンセラー
心理カウンセラー。過去のカウンセリング実績500件以上。毒親育ち。自身の恋愛依存症・回避依存症の経験を活かし、「読者の悩みの根本的な解決」を目指し発信しています。
- 回避依存症者の本命になるたったひとつの方法
- 彼の本命になるために、あなたが変えること、変えなくていいこと
- 大切なのは「覚悟」があるかどうか
こんちには、心理カウンセラーのしん(@psynote__)です。
「回避依存症の彼の本命になる」というのは決して簡単なことではありません。
なぜこうも言い切れるのか、それはカウンセラーをしている私自身が元・回避依存症者だからです。
「どうしても彼の本命になりたい」
この覚悟がある方のみ、この記事をお読みください。
回避依存症者の本命になるたったひとつの方法
そもそも、回避依存症者が本命に選ぶ女性、つまり一生を添い遂げたくなるような女性とはどのような女性なのでしょうか?
結論からお話しますね。
回避依存症の彼の本命になれる女性。
その特徴は大きく分けて以下の2つです。
- 彼に依存しない自立した女性であること
- 彼に安心してもらえる女性であること
この2つが回避依存症の彼の本命になるための本質、大原則になります。
ではなぜこの2つが大事なのかを説明する前に、私が回避依存症だったからこそ分かる、回避依存症者の独特な考え方やとらえ方について解説します。
元・回避依存症だからこそ分かる。回避依存症者がもつ独特な考え方
回避依存症者には人間関係において、独特な考え方があります。
それは人間関係を自分にとって「必要」か「不要」かできっぱり分けているということ。
- 自分の助けになってくれる人
- 自分を傷つけない人
- 自分を癒してくれる人
これらが「必要な人」で、この条件に当てはまらない人は「不要な人」になります。
当然ながら、つねにこれらの条件を満たしてくれるであろう人はそう多くはありません。
というよりも、ほとんどいないと言った方が正しいでしょう。
多くの場合、この条件を満たせるのは「幼児期の母親」になるでしょう。
だからこそ、自分にとって「必要」と感じた相手には、なりふり構わずアピールをして、自分のものにしようとします。
付き合う前や付き合った当初、彼は驚くほど優しく愛情深くあなたに接してくれたでしょう。
それは彼にとって数少ない「必要な人」を手に入れようとする、生存戦略だからです。
回避依存症者の愛情表現は分かりづらい?態度が急変する理由について解説します彼女を「不要」と判断した時、態度は急変する
では回避依存症者はなぜ、最初は「必要な人」であったはずの彼女を遠ざけるようになるのでしょうか。
その答えは
回避依存症者にとって「彼女」とは「自分を救ってくれる存在」でなければならないから
です。
普通の恋愛関係であれば、彼女に良いところもあれば悪いところもある。
それは彼氏側も同じで、お互いに良いところも悪いところも認め合うのが一般的な恋愛関係と言えるでしょう。
しかし、回避依存症者はそうは考えません。
付き合い始めを100点とし、彼女が「不要な人」と同じ行為をするたびに
と点数を引いていきます。
そしてその点数が回避依存症者の我慢の限界を下回ると、態度は急変します。
回避依存症者にとって、一定の点数を下回った彼女はもはや「自分を救ってくれる存在」=「必要な人」ではないのです。
- 自分の助けになってくれない人
- 自分を傷つける人
- 自分の心を乱す人
これらは回避依存症者にとって「不要な人」なのです。
そういう意味で回避依存症者の恋愛は「減点式」と言えます。
「不要な人」認定されてしまう行為
ではなにが原因で「不要な人」だと思われてしまうのでしょうか?
ここによくある具体例を記載します。
- 彼に依存する
- 彼の行動を把握しようとする
- 彼に好きと言わせようとする
- 彼に感情をぶつける
- 彼の機嫌を無理にとる
- 彼に試し行為をする
- 彼と必要以上に連絡をとる
そう、今ここであげた具体例はそのまま「恋愛依存」の特徴に当てはまります。
ではなぜこれらの行動をとると、彼から「不要」認定を受けてしまうのでしょうか?
それを知るために、回避依存症者のなりたち、トラウマについて簡単にお話しします。
回避依存症者が抱えているトラウマ
回避依存症になる一番の原因は「幼少期の頃の親との関係」です。
具体的には
- 親の感情に振り回されで育った
- 過保護、過干渉な環境で育った
- 暴力や暴言など、肉体的にも精神的にも痛めつけられる環境で育った
- 幼少期に親との別れ(離別・死別)を経験した
このような家庭環境ですね。
こうした環境で育った子供は、人に干渉されたり、コントロールされる状況に対し
「無意識の拒否」
を覚えます。
この「無意識」という部分が回避依存症を知る上でとても大切です。
- 音信不通になる(脱走者)
- 彼女に対し尊大な態度を取る(独裁者)
- 彼女を否定するような発言が増える(ナルシスト)
回避依存症者自身がこうした回避行動を悪びれないのは、これらの行動が「無意識」だからです。
そして、さきほどあげた
- 彼に依存する
- 彼の行動を把握しようとする
- 彼に感情をぶつける
- 彼に試し行為をする
- 彼に何度も連絡をする
- 彼の機嫌をうかがう
これらの行動は全て、彼の「無意識の拒否」=「トラウマ」を思い出させる行為になります。
自分の味方だと思っていた人が、いつの間にか敵になっている。
回避依存症者はこのような「被害妄想」で、彼女を遠ざけるようになります。
それでも関係を切ろうとしないのはなぜ?
彼女を一方的に「不要」認定しつつも、回避依存症者は自分から別れようとしません。
彼女からするとなぜ付き合っているのか分からない状況です。
ですが、いざ勇気を出して別れをほのめかすと、回避依存症者は態度を急変させます。
- 泣きわめく
- 怒りだす
- 別れを拒否する
彼女からすれば彼がなにをしたいのか、もう理解不能です。
ここで当事者だった私の経験をもとに、彼の心理を解説しましょう。
回避依存症の彼にとって、あなたが去るということは「理想の親」がいなるなること同じ。
つまり、耐えがたい「喪失体験」になるのです。
そしてもう一度くり返しますが、この心理は彼にとって「無意識」です。
彼自身、なぜ自分がこのような態度を取ってしまうのか、原因を理解していないのです。
自分から彼女を遠ざけておきながら、心のそこでは彼女を信頼したい気持ちがある。
これが回避依存症者が持つ、独特の恋愛観です。
彼の本命になるために変えなければならないこと
ではここからは具体的に、回避依存症の彼の本命になる方法について解説します。
- 彼に依存しない自立した女性であること
- 彼に安心してもらえる存在であること
記事の冒頭で、回避依存症の彼の本命になるにはこの2つが大切だとお話ししました。
ではどうすればこの2つを両立できる女性になれるのか、順に解説します。
本命になる方法①:彼に依存しない強い女性になる
では具体的に「彼に依存しない女性」とはどのような女性なのでしょうか?
私がこれまでのカウンセリングで導き出した答えは以下の3つに当てはまる女性です。
- 自分ひとりの時間を有意義にすごせること
- 彼以外の人間関係を大切にできること
- 決して彼の態度に振りまわされないこと
これら3つの特徴は、ひとつひとつが独立しているのではなく、どれも密接に関係しています。
その理由を順に解説します。
自分ひとりの時間を有意義にすごせること
回避依存症の彼の本命になりたいのであれば、まず「あなた自身が一人でも幸せだと思える時間を増やす」ことが大切です。
趣味に打ちこむ、家族と話す、ペットと遊ぶ、友人と遊ぶ、なんでも構いません。
趣味がないという人は、仕事に打ち込むのでも良いでしょう。
大切なのは、「彼」以外のことで、しあわせや達成感を得られるかどうか。
まずは彼以外の部分で「自己肯定感」が高まる過ごし方をみつけてください。
彼以外の人間関係を大切にできること
回避依存症者と交際している方によく見られる特徴があります。
それは「彼だけが人間関係のすべて」になってしまっていること。
なぜこれが良くないのか?それは
彼とうまくいっている間は幸福、そうでない間はすべて不幸
と感じてしまうからです。
彼以外に大切にできる人がいないからこそ、彼に依存してしまう。
だからこそ、彼のほかに話し相手がたった一人いるかどうかで、彼に対する依存や執着心は大きく変わります。
また、彼に対して「客観的な視点」でアドバイスをくれる友人がいるとなお良いでしょう。
今であれば、X(旧Twitter)で、同じ悩みを抱えている方と繋がってみるのもいいかもしれませんね。
彼の態度に決してふりまわされないこと
そして最後は「彼の態度に決してふりまわされないこと」です。
たとえば、あなたは恋人の回避行動(音信不通や浮気)に対して、下のような言動を彼にとったことはありませんか?
さきほどお話ししたように、これらの行動はすべて、回避依存症者にとってマイナスの行動です。
ではこのような場合、実際にどう対処したら良いのでしょうか?
正解は「一時的にあきらめる」です。
この「一時的なあきらめ」ができるかどうかは、上で解説した
- 自分ひとりの時間を有意義にすごせること
- 彼以外の人間関係を大切にできること
この2つの成熟度によって決まるといっても過言ではありません。
あなたが彼を一時的にあきらめることで、彼は必ずあなたへの執着心を取りもどします。
彼からのアクションがあって、初めてお互いに「話し合う」ことができるようになるのです。
本命になる方法②:彼に安心してもらえる存在になること
本命になる方法の2つめは「彼に安心してもらえる存在になること」です。
では回避依存症者が彼女に感じる「安心」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
- 自分の性格やアイデンティティをありのまま受け入れてもらえること
- 一時的に関係が悪くなっても、自分の元から離れていかないこと
- 控えめな干渉の中で、困った時は助けてくれること
本来であれば、これらの「安心」はすべて幼少期に親から与えられるもので、幼児の本能的な欲求です。
ですが、回避依存症者はこれらを経験していません。
経験していないからこそ、無意識にいつまでもその欲求にしばられている。
これこそが「回避依存症の根幹」といえる部分です。
当然ながら、これらの欲求が満たされれば、彼の回避行動も自然と減っていきます。
もっとも大切なのは彼とあなたの関係性
ここでひとつ小話を。
回避依存症の改善につながる、とあるうつ病の研究結果があるので紹介します。
この研究では重度のうつ病患者を対象に下に書いた治療を16週間試し、どの治療法が一番効果があるのかを測定しました。
- 対人関係療法
- 認知行動療法
- 抗うつ薬+臨床的な管理
- 偽薬(プラセボ)+臨床的な管理
あなたはどれが一番効果があると思うでしょうか?
意外な答えは「どれも効果に差はなかった」です。
この研究では、うつ病の改善に影響を与えた一番の要素は
「治療法ではなく、治療者と患者との関係性」
だと結論づけられました。
治療者(医師)が患者の心に寄りそい、患者が安心したことで、心のつらさが緩和され症状が改善したということですね。
そして、この考え方はそのまま回避依存症者にも当てはめることができます。
あなたが自立心を強め彼への依存を捨てさり、一緒にいて安心してもらえる存在になることができれば
- あなたに冷たい態度をとらなくなる
- 彼から積極的に話しかけてくれる
- モラハラがなくなる
- あなたに関心を持ってくれる
- キスやハグ、セックスなどの頻度がふえる
このように、回避依存症者としてではない、彼本来の優しさを取り戻すでしょう。
彼に安心してもらうのに「自己犠牲」は必要ない
ここまでの内容を読みあなたはこのように考えたかもしれません。
それなら全部彼のペースに合わせてあげた方がいいのかな?
ですが、この考えは間違いです。
彼に安心してもらえる女性になる=彼のペースに合わせて行動するではない
大切なのは
「私はあなたの味方だよ」
「見捨てないよ」
などの基本的な安心感を彼に与えつつも、彼の問題は彼の問題として、あくまで「支える」立場で接すことが大切です。
必要以上の干渉は、彼のトラウマを無意識に刺激します。
よくある例を一つ紹介します。
今までのあなたは、こうした彼の態度に対して
- 彼の機嫌をうかがう
- 「なにか悪いことしたかな…?」と悩む
- とりあえず謝る
こうした対応をとっていたかもしれませんね。
ですが、これは「自己犠牲」です。
ここで大切なのは「彼が不機嫌なのは彼の問題だ」と考えられるかどうか。
彼がなぜ怒っているかを、彼自らが自分の言葉であなたに伝えようとしない限り、あなたは彼に対してなにもする必要はありません。
こちらも不機嫌になれという話ではなく、あくまで彼からのアクションを待つことです。
あなたが彼への依存を捨て、彼が一緒にいて安心する女性になることができれば、彼からの前向きなアクションは必ず増えていきます。
本命になるには時間が必要
あなたが恋人への依存を捨て、安心できる女性になったとしても、彼自身はすぐには変わりません。
彼は以前と変わらず
- 音信不通
- 浮気
- モラハラ
などの行動ではあなたを苦しめるかもしれません。
あなたからすれば当然怒りも湧いてきますし、悲しい気持ちにもなるでしょう。
しかし、回避依存症の彼の本命になるには、こうした怒りや悲しみをなんども受け入れなければなりません。
そこで「期限を決めて彼と付き合う」方法がとても有効です。
あらかじめ
と、自分の中で期限を設定することで、彼の行動にふり回されることなく、気持ちを強く持ったまま彼と向き合うことができます。
本当に彼が「運命の人」かを考えることも大切
さいごに私の正直な気持ちをあなたにお伝えします。
私自身は回避依存症の方とのお付き合いを勧めてはいません。
もちろん、カウンセラーとして、元回避依存症者として、相談者の方々の関係を良いものにしたいという思いは強くあります。
そのために、回避依存症の恋人に悩む方に対し、これまで何百件もの相談を受けてきました。
私はカウンセリングを始める際、相談者の方に必ずこのように伝えます。
お話しをする中で、彼に対し今まで感じなかったこと、気がつかなかったことが色々と出てくると思います。その中で、あなたの中で彼への想いが変わることもあるかもしれません。
カウンセリングのゴールは彼と仲良くなることではなく、あなたが幸せな道を見つけることです。このことを心に留めておいてくださいね。
私自身が回避依存症だったからこそ伝えられるのですが、回避依存症者と一生を添いとげるのは決して簡単なことではありません。
一時的に関係が良くなったとしても、生活の変化(仕事、出産、加齢など)がきっかけで、関係が悪化したという方も珍しくないのです。
はじめから彼だけが「運命の人」と決めつけず
- 付き合いはじめの幸せが忘れられないだけではないのか?
- 本当に彼じゃないとその幸せは手に入らないのか?
- あえて苦しい恋愛に挑む必要はあるのか?
こうしたことを含め、一度ゆっくりと自分の心に問いかける時間も必要です。
それでも回避依存症の彼を追う覚悟がある方へ
カウンセラー、そして元回避依存症者である私自身の経験をもとに「回避依存症の彼との幸せな関係の作り方」という記事を作成しました。
- 彼に依存しない自立した女性であること
- 彼に安心してもらえる女性であること
この記事で紹介したこれら2つの条件を満たすため方法について網羅した記事になります。
私自身の経験とカウンセリングの実績をあわせ、具体的な行動例を含めながら、丁寧に解説しています。
元・回避依存症者として、これほどまでに回避依存症者の心理を詳細に書いた記事はないという自信があります。
ただし本気の覚悟がある方向けの記事です。
【おすすめ記事】回避依存症の彼との幸せな関係の作り方この記事のまとめ
- まずは回避依存症者の心理を知ること。回避依存症者はあなたを傷つけるために回避行動を取るのではない。
- 回避依存症者の本命になるには「あなた自身の自立性」と「彼にとっての安心感」の両立が大切
- もしあなたが好きなのが「付き合い始めの彼」なら、無理に追わず、新しい恋愛を見つけることもできる。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
あなたの恋愛を応援しています。
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しんさん
ためになるお話をありがとうございます。
回避依存っぽい彼ともう3年目になります。いまだに付き合っているとは認めないですが、それでもあまりそこを重要視しないで、ほどほどの距離感でいるためか、なんだかんだで仲良くできています。
ひとつ質問ですが、試し行為というのには、どのようなものがありますか?
私は、今までに、別れると言うとか、もう身体の関係にはならないと言われたりしましたが、その都度泣いてみたり、しょぼんとしてみたりしたところ、後日「そんなことは言っていない」と撤回してきて、それをきっかけにさらに仲良くなってきた気がします。
これからも、勉強になる記事を楽しみにしております。よろしくお願いいたします。
蛍さん
コメントありがとうございます。
回避依存症の人の試し行為は「無視する」「別れ話をする」「連絡をブロックする」などが多いですね。ただしこれは回避行動の一つで、本気でそう思って言っていたり、行動している訳ではありません。それゆえ、蛍さんの彼氏も言動を撤回しているのだと思います。
「仲良くなっている」かどうかについては正直疑問が残るところです。不安定な関係にお互い依存している(不幸⇔幸福)だけの可能性もありますので、ぜひ他の記事も参考にしてみて下さいね。
*有料記事ですがが、その部分も含めて全てこちらのnoteで解説しています。
>>回避依存症の彼との幸せな関係の作り方【元回避依存症のカウンセラーが徹底解説】