「恋人のモラハラで一緒にいるのが苦痛」
「恋人の自己中心的な態度に疲れ切ってしまった」
「モラハラをしてくる心理が知りたい」
この記事ではこんな疑問を解決します。
しん | 心理カウンセラー
心理カウンセラー。過去のカウンセリング実績500件以上。毒親育ち。自身の恋愛依存症・回避依存症の経験を活かし、「読者の悩みの根本的な解決」を目指し発信しています。
先日、こんなツイートをしました。
このツイートを見て「回避依存症とモラハラってなにか関係あるの?」と思った方もいるかもしれませんね。
回避依存症の恋人、配偶者の相談を聞いていると「恋人の理不尽なモラハラ的言動に悩んでいる」という方は少なくありません。
回避依存症と聞くとどうしても音信不通や無視などの回避行動に目が行きがちですが、実は「モラハラ」も回避依存症の立派な特徴なの一つです。
そこで今回は「回避依存症とモラハラの関係性」について詳しく解説していきます。
恋人のモラハラ行為の心理を知ることによって、恋人の行動を客観的に見ることが出来るようになるので、恋人の言動で自分を責めることがなくなります。
出来る限り分かりやすくまとめるので、今まさに「恋人のモラハラで悩んでいる!」という方は是非最後まで読んでみて下さいね。
回避依存症の「独裁者タイプ」がモラハラをする
回避依存症とモラハラには大きな関係があります。
回避依存症の中にはいくつかタイプがありますが、その中で恋人や配偶者に対しモラハラを行うのは「独裁者」タイプです。
独裁者タイプには下のような特徴があります。
- 常に自分を中心に物事を考える
- 人に命令するが、反論されると激しく怒る
- 自分の理想を押し付ける(話し方、食事、掃除など)
こうした特徴からも分かる通り、独裁者タイプは恋人との間に「主従関係」を作ることで、相手を常にコントロールしようとします。
相手を支配するために「言葉の暴力」と「見えない暴力」を繰り返す
モラハラでよく使われる言葉としては
「なんでこんな簡単なことが出来ないんだ?」
「お前は能力が低いから、俺が教えてやっている」
「なにをやらせても駄目だな」
こうした類の発言が多いでしょうか。分かりやすいと言えば分かりやすいモラハラです。
そしてもう一つ、私が言う「見えない暴力」とは
恋人に対する不機嫌な態度、つまり「無言の圧力」
のことです。
あえて言葉に出さないことで自身のイライラを感じ取らせることで、恋人に
「私が悪いことをしてしまったのかな・・・」
と自責の念を生ませ、相手をコントロールするのが目的です。
見えない暴力の危険なところは、この方法が一度成功してしまうと「自分の言うことを聞かせたい時はこの方法を使えばいい」と恋人が学んでしまうことです。
すると恋人はなにか気に食わないことがあるたびに、「言葉の暴力」と「見えない暴力」を繰り返すようになります。
モラハラを受けている側は、なにをやっても否定される状況に次第に自分への自信や自己肯定感をなくしていきます。
【注意】もしあなたが恋人から日常的に暴力を受けている場合
注意点として回避依存症の人が恋人に手をあげる、つまり「肉体的暴力」に頼るのは独裁者タイプとはなにも関係がありません。
もしあなたが日常的に暴力を受けているのであれば、それは回避依存症に留まる問題ではないので、一人で悩まず、友人、知人、もしくはしかるべき場所に早めに相談してくださいね。
参考 パートナーや恋人からの暴力に悩んでいませんか。一人で悩まずお近くの相談窓口に相談を。政府広報オンラインモラハラの原因は子ども時代の過ごし方にある
回避依存症をはじめ、恋愛依存症、アダルトチルドレンの原因は幼少期の、親との関わり方に原因の根幹があるとされています。
多くのアダルトチルドレンに関する議論では、子ども時代に家族内で自尊心が適切に育たないと、それがほぼそのまま大人になったときの「低い自尊心」となり、共依存や嗜癖につながるとされており、自己と家族へのフォーカスが非常に強い。
アダルトチルドレン(wikipedia)
あなたの恋人が無意識にモラハラをしてくるのも、小さい頃の育てられ方に原因がある可能性が高いということです。
ここでは回避依存症の恋人がモラハラをしてくる本質的な原因について解説します。
過干渉や過保護により、自分がコントロールされる状況を無意識に恐れる
過保護や過干渉の親の元で育てられた子供は、家の中で「自分の意思が尊重される」という経験を持っていません。
そのため、大人になってからも自分の気持ちを伝えたり、建設的な話し合いの場を持つことを苦手とします。
親から「気持ちや意見は押し付けるもの」と学んでしまっているので、自分の考えが少しでも否定されたり、注意されると、それを怒りで無理やり覆そうとします。
そして、なによりも
「自分は親のあやつり人形だった」
「自分は親に大切にされていなかった」
こうした
親にコントロールされていたことへの怒り
を心の底に持っています。
こうした理由により、たとえ恋人や配偶者であっても自分がコントロールされる可能性が少しでもあれば、モラハラによって主従関係を作ることで、状況を回避しようとします。
これが回避依存症とモラハラの関係性です。
傷ついた状況からの回避の為に手段として「モラハラ」があるということですね。
「そんな小さい頃の話が大人になっても関係してるの?」と思う方もいるかもしれませんが、毒親やアダルトチルドレンの問題は、大人になっただけで治るものではないのです。
モラハラは同棲や結婚を機に発覚することが多い
日常的にモラハラをするような回避依存症の男性でも、深い関わり合いを持たない内は「男らしい人」という印象をもつことがあります。
また回避依存症の脱走者タイプの様に唐突に音信不通になることも殆どないので、付き合っている間に「回避依存症」を意識するほうが難しいかもしれません。
「少し厳しくて気難しい人けど、根はいい人だし・・・」
とあくまで、口うるさいのも性格の一つとして受け入れてしまうと思います。
しかしいざ一緒に暮らしてみると、独裁者タイプの恋人は毎日毎日、あなたの悪い(一般的には問題ない)部分を見つけては口を出すようになります。
最初は軽い指摘程度だった発言も、段々とあなたそのものを否定する言葉が増えていき、次第にあなたから「やる気」や「自信」を奪っていきます。
そして厄介なことに、恋人が同じミスをしたとしてもそれはなかったことにされ、指摘すれば逆ギレされるでしょう。
「相手をコントロールしている」という成功体験を持った恋人のモラハラは、目に見える形で徐々に過激になっていきます。
そして最終的には
自分があれほど怒りを感じていた「コントロールされる状況」を、恋人自らが家庭内に作り出す
といった状態になります。
このブログでは毒親についても取り上げていますが、これもまた、毒親が再生産されてしまう理由の一つだと私は考えてます。
家庭内のモラハラは「マインドコントロール」に似ている
実は回避依存症の恋人によるモラハラは「マインドコントロール」の手法と似ています。
マインドコントロールの条件、手順を短く説明すると
こうした流れになります。否定と肯定を交互に繰り返していく感じですね。
そして、今これらを読んで「あれっ?」と思ったあなたは特に要注意です。
知らず知らずの内に相手の「コントロール」にハマっている可能性があり、あなたが普通だと思っている恋人の態度は、世間一般的には普通ではない可能性があります。
モラハラ行為をすぐに止めさせるのは難しい
ではどうすれば恋人はモラハラを止めてくれるのでしょうか?
薄々感づいている方もいると思いますが「あなたは回避依存症で独裁者タイプだ」なんて伝えた日には、恋人は怒り狂い大変なことになるでしょう。
結論を書くと、恋人のモラハラをすぐに止める方法は残念ながらありません。
しかし、恋人のモラハラに屈しない大切な考え方が2つあるので最後にそれを紹介します。
①:モラハラされている自分を客観視すること
まずひとつ目は「モラハラされている自分を客観視すること」です。
これまでは恋人がモラハラ行動を取るのは「自分にも問題がある」と考えていたかもしれませんが、多くの場合、それは言いがかりに近いものです。
今後、恋人がモラハラ行動を取ってきた時は
「この人は過去にコントロールされていたんだ」
「それが嫌で今は私をコントロールしようとしているんだ」
と考えることで、不必要に自分を責めず、安定した精神で恋人と向き合うことが出来ます。
②:回避依存症について情報を集めたり、人に話をしてみる
さきほど、回避依存症のモラハラはマインドコントロールと近いと言いました。
マインドコントロールを解くのに大切なのは、家族、友人、知人、インターネットの掲示板、質問サイトなど色々な場所で
「情報を集める」
「人に自分の現状を話してみる」
この2つが大切です。
回避依存症の恋人に悩む人の多くは、恋人の問題を自分の問題と捉えてしまうことが多く、二人の関係が客観的に見ておかしな関係になっていることに、中々気がつくことが出来ません。
回避依存症について詳しく知りたいのであれば、下記の記事がオススメです。
【おすすめ】回避依存症の彼との幸せな関係の作り方この記事のまとめ
最後に今回の記事の内容のまとめです。
今回は「回避依存症のモラハラ」について解説しました。
実際のところ、恋人や配偶者のモラハラを「そういう人だから」の一言で片付けてしまっている家庭も多いと思います。
回避依存症は明確な病気ではありませんが、自然に直ることはほぼ無いので、長く付き合うのであれば付き合い方や対処法を知ることがとても大切です。
今回は以上となります。
回避依存症の恋人との正しい別れ方【負のループから脱出】