回避依存症の恋人に都合よく扱われてしまっている気がします…。搾取者タイプについて詳しく知りたいです。
この記事ではこんな疑問を解決します。
しん | 心理カウンセラー
心理カウンセラー。過去のカウンセリング実績500件以上。毒親育ち。自身の恋愛依存症・回避依存症の経験を活かし、「読者の悩みの根本的な解決」を目指し発信しています。
先日、こんなツイートをしました。
回避依存症にもいくつかタイプがありますが、その中でも自分の欲求のままに「お金」や「セックス」を引き出そうとするのが『搾取者』タイプです。
搾取者タイプの恋愛を一言でいうならば「都合の良い関係」です。
周りから「そんな人やめなよ」と忠告される関係をなぜ止められないのか。
そして搾取者タイプはなぜ恋人を搾取せずにいられないのか。
今回はこうした疑問にお答えしていきます。
回避依存症とは?
「恋人の行動を調べている内にこのページにたどり着いた」
「回避依存症ってなんですか?」
という方のために、まずは簡単にですが回避依存症について解説します。
回避依存症を一言で説明すると
自分が傷つくことを恐れるあまり、人と深い関係を築けない人
のことをいいます。
回避依存症にはいくつかタイプがあります。
- 少しのきっかけで音信不通や無視を繰り返す「脱走者」タイプ
- 恋人にモラハラを繰り返すことで相手を遠ざける「独裁者」タイプ
- 人からの称賛を欲しがる「ナルシスト」タイプ
などなど、搾取者以外にもいくつかタイプがあります。
そのため、回避依存症の人でもタイプによって性格はバラバラです。
どのタイプにも共通しているのは、回避依存症の人は自己肯定感が低く、どれだけ強がっていたとしても、中身は非常に繊細だということです。
関連記事:『回避依存症』って?原因や特徴・4つのタイプ・改善方法まで【元・回避依存症者が徹底解説します】回避依存症の搾取者タイプの特徴
ではここからは本題の「搾取者」タイプの特徴について解説していきます。
冒頭でお話した通り、搾取者タイプの一番の特徴は
「自分の欲求の為に、相手を都合の良いように利用する」
ことにあります。
具体的な例としては
こんなところでしょうか。
厄介なのは、搾取者タイプはこうした行動を暴力や暴言ではなく「相手の同情心」を利用することでコントロールしているということです。
統計上のデータはありませんが、私が知る限り「搾取者」は圧倒的に男性に多いタイプです。
彼氏の家の家賃を肩代わりしているにも関わらず、彼氏はその部屋に浮気相手の女性を日常的に連れ込んでいた。というのも実際にカウンセリングであった例です。
あなたの恋人は搾取者タイプ【チェックリスト】
上の例だけでは少し分かりづらい部分もあるかと思うので、チェックシートを作りました。
- 恋人の願いを聞かないと、拗ねたり落ち込む素振りを見せる
- お願いをしてくる時は甘えた雰囲気
- こちらからのお願いは理由をつけて断る
- 「どうせ自分は・・・」など相手の同情を誘う
- 「お前だけは違う」など都合の良い”特別感”を演出する
どうでしょう?あなたの恋人に思い当たるフシはありましたか?
もしかすると、このチェックシートを見て「これはただのクズ男では?」と思われた方もいるかもしれませんね。
「クズ男」と「回避依存症の搾取者タイプ」の違いについては後ほど解説します。
搾取者タイプにハマってしまう人の特徴【共依存傾向】
「搾取者」タイプと付き合っている人の多くは、恋愛において「共依存」の傾向をもっています。
共依存傾向の持ち主は
自分に自信が無く、自分の価値を人からの評価でしか決められない
という特徴があります。
そのため恋愛においても
- 恋人のお世話をすること
- 恋人の役にたつこと
- 自分を犠牲にすること
がそれほど苦にならず、恋人からの搾取を搾取と感じていないことも珍しくありません。
また、共依存傾向の強い方の特徴として
- 相手の表情や感情の変化など細かいことに気がつく
- 相手の感情を必要以上に汲み取る
こうした能力が普通の人と比べて高い傾向にあります。
後ほど詳しく解説しますが、この相手に対する「気づき」や「共感性の高さ」が、お互いの共依存を強めている原因に繋がります。
共依存傾向の強い人が抱えている問題とは?【2つ】
はたから見れば都合よく扱われているように見える「共依存」の方ですが、それでも恋人から離れられないのにはいくつか理由があります。
まず1つが、恋人に対する「期待」や「希望」です。
「自分が世話をしてあげないとこの人はだめになる!」
「支えつづけていればいつか変わってくれる!」
「そのうち自分のことを一番大事にしてくれるはず!」
セックスにしろお金にしろ、恋人の希望を叶えることが自分の役目。
その行動が、二人の関係を深めると本気で信じ込んでしまっている状態です。
心理学の面でいうと、自分が一度信じたものをずっと信じてしまう「一貫性の原理」や、駄目だと分かっているのにそれを認められない「認知的不協和」が働いています。
そしてもう一つの問題は
「役に立てなくなったら捨てられてしまうかも・・・」
という「強い不安」です。
先ほど、共依存傾向の強い人は「自分に自信が無く、自分の価値を人からの評価でしか決められない」とお話しましたね。
搾取者のいう通りに行動してしまうのは、相手がそうさせている部分ももちろん大きいのですが
自身の見捨てられ不安から逃れるために、相手の言うことを聞いてしまう
という面も同じくらい関係しています。
見捨てられ不安が強ければ強い人ほど、人から「別れなよ!」と言われても別れることができません。
搾取者タイプはどうやって恋人から「搾取」するのか?
搾取者の行動は言うなれば、アメとムチの使い分けです。
「自分は本当に恋人なんだろうか・・・」
「都合よく使われているだけじゃないんだろうか・・・」
という強い不安感。
「お前にしか頼めない」
「やっぱり俺のことを分かってくれるのはお前だけだ」
など、「自分が求められている」という強い幸福感。
この2つの感情が不定期に繰り返されることで、次第に恋人への依存が高まり、いつしか無理な要求も聞いてしまうようになります。
一連の流れを具体的に表してみましょう。
- 相手に自分が困っている状況を訴える(精神的に辛い、お金がないなど)
- 断りづらい雰囲気を作る。断られた場合は相手に罪悪感を感じさせる。
- 要求を飲むと、これまでの態度が嘘だったかのように一時的に優しくなる
「結局俺は一人ぼっちだ・・・」
「誰も助けてくれないんだ・・・」
また3のフェーズの後には、今後も相手が自分に依存し続けるように、将来の話など未来に期待をもたせる話をすることが多いですね。
相手を「搾取」してしまう原因と心理を解説
この相手を「搾取」する行動ですが、この行動の裏には回避依存症特有の心理があります。
ここでは2つ紹介します。
①:過保護な両親のもとで育った
回避依存症の主な原因は、一般的に幼少期の両親との関わり合いにあるとされています。
その中でも、回避依存症の搾取者タイプは
過保護な両親、特に異常に過保護な母親に育てられいるケースが多い
といえます。
過保護の親は「子供のため」を建前にあれこれと世話を焼きたがります。
この結果、物事の分別がつかない子供は成長の中で自然と
「自分が頑張らなくても、人がどうにかしてくれるんだ」
といった間違った思考がつくられ、そのまま成長することになります。
②:「お金」や「セックス」を搾取することで自分を癒やしている
「搾取者」タイプの人が相手を搾取する理由の一つに「自分の中にあるネガティブな感情の解消」があります。
さきほどもお話したとおり、回避依存症の人はタイプを問わず「自己肯定感」がとても低いという特徴があります。
他にも
- 漠然とした不安感
- やり場のない焦燥感
など、回避依存症の人は総じて色々ストレスを溜め込みやすいのですが、こうしたネガティブな感情の発散法として「お金」や「セックス」を搾取することがあります。
相手を搾取しコントロールすることで
「自分は偉い」
「自分はこいつよりも優れている」
と歪んだ形で、自分に対する自信をつけようとするのです。
搾取者タイプとの関係は破綻しやすい
回避依存症の「脱走者」「独裁者」「ナルシスト」タイプと違って、「搾取者」タイプとの恋愛は最終的に破綻することが多いと感じています。
なぜかといえば搾取者タイプの人の多くは「自分の欲求を満たしてくれる人であれば誰でもいい」と考えているからです。
つまり、他のタイプと違って「恋人としての結びつきがそもそも弱い」ということですね。
搾取者タイプが恋人に求めているものは
といった分かりやすいメリットであり、他の回避依存症のタイプと違って
「実は心の奥底では愛情を求めている」
といった感情が薄いのです。
そのため、どれだけ長く付き合っていても関係が発展しません。
この記事のまとめ
今回の記事の内容のまとめです。
今回は回避依存症の「搾取者」タイプについて解説しました。
回避依存症のタイプのうち「独裁者」「搾取者」はその特徴が「性格の一部」として認識されていることが多いので、この記事を読むまで「回避依存症」という言葉を知らなかったという方もいるかもしれませんね。
この記事が参考になったという方は、ぜひ他の回避依存症の記事も読んでみてくださいね。
今回は以上となります。
関連記事:回避依存症者の本命になるたったひとつの方法Twitter(@psynote__)もやっています!この記事が役に立ったという方はぜひフォローして頂けると嬉しいです。