毒親育ちですが仕事が長続きしません。小さな失敗を大きく考えすぎてしまったり、なぜか上司に怯えてしまいます。これも毒親が関係しているのでしょうか?
この記事ではこんな疑問を解決します。
- 毒親育ちが一つの仕事を続けられない理由
- 自分を追い詰めるような仕事は続かない、自分にあった仕事を見つける
- 仕事が続かない自分を責めないこと。そうなった責任はあなたにはない。
しん | 心理カウンセラー
心理カウンセラー。過去のカウンセリング実績500件以上。自身の毒親育ちの経験を活かし、毒親の克服方法やアダルトチルドレンの改善などを中心に、「読者の悩みの根本的な解決」を目指し発信しています。
こんにちは、心理カウンセラーのしん(@psynote__)です。
先日、こんなツイートをしました。
今回は「毒親育ちと仕事」というテーマで解説します。
毒親育ちで仕事が続かず悩んでいる方、長続きする仕事を見つけるにはどうすれば良いのかを知りたい方、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
毒親育ちが仕事を続けられない理由
「仕事が長続きしない」と悩む毒親育ちの人は少なくありません。
現在、心理カウンセラーとして生計を立てている私も、今の仕事にたどり着くまでに何度も転職を繰り返していました。
仕事を辞めると「罪悪感」や「自己否定」の気持ちに襲われてしまってツラいですよね。
当時の私も仕事を辞めるたびに
「自分は何でこんなにこらえ性が無いんだろう・・・、他の同年代の人は辛くても頑張ってるのに」
と、落ち込んでいました。
しかし、カウンセラーとして活動するようになり毒親育ちの方のお話を色々と聞いてみると
一つの仕事を続けられないのは毒親育ちあるある
だということがハッキリと分かりました。
仕事を辞めたり、辞めそうな自分を責める必要は一切ありません。あなたと同じような人は沢山います。
ではなぜ、毒親育ちは一つの仕事を続けられないのでしょうか?
私の経験とこれまでのカウンセリングの内容を元に考えてみました。
理由は下の通りです。
- 人間関係が上手くいかず疲弊してしまう
- 望んだ仕事に就けていない
- そもそも働く意味が分からない
順に解説していきます。
1.人間関係が上手くいかず疲弊してしまう
毒親育ちが仕事を続けられない理由として、まっさきに挙げられるのが「人間関係」です。
人間関係のどの部分に苦労するかは環境によって多少の差が出るとは思いますが、カウンセリングでよく聞くのは「上司」との関係ですね。
毒親育ちは親に否定され続けて育ってきているため
- 自分に自信が持てない
- 0か100の完璧思考
- 過緊張で自然に振る舞えない
こうした問題を抱えていることが多いです。
そのため、上司からの軽い注意や小言を聞くだけで「自分の全てが否定された」かのようにとらえてしまいます。
上司にそのつもりは無いのは分かっていても、言葉一つ一つを勝手に重くとらえてしまいプレッシャーを感じてしまいます。
「過敏な反応→プレッシャー→ミス→注意」
こんな悪循環にハマって仕事を辞めたくなる毒親育ちの方は多いのではないでしょうか?
他人が怒られているのを見るのもツラい
また、親の顔色をうかがって育ってきた毒親育ちにとって、「緊張する空間」はそれだけでも心を病ませる原因になります。
あなたは同僚が怒られていたり職場全体の雰囲気がギスギスしているだけで気持ち悪くなりませんか?
自分の記憶にある「家庭内のギスギス」と「職場のギスギス」が頭の中で勝手に結びついてしまい、漠然としたつらさを感じるようになります。
また直接的な注意ではなく「不機嫌な態度」を取る事で間接的にプレッシャーを与える上司もいます。
これは毒親と同じ、子どもに「罪悪感」を与えることでコントロールするのと全く同じ方法です。
つまり、毒親育ちが仕事を続けられないのは、こうした人間関係や上司の行動が親からの「コントロール」を無意識に思い出させてしまうからです。
2.望んだ仕事に就けていない
毒親育ちが仕事を続けられない2つ目の理由は「望んだ仕事に就けていない」です。
つまり生きるための「妥協案」としての仕事ですね。
毒親育ちの人は親から「お前は価値が無い人間だ」と刷り込みを受け育ってます。
そのため、本人に高い潜在能力があったとしても
「自分にも絶対にできる仕事」
「人間関係がわずらしくない仕事」
「正社員ではなく派遣社員や契約社員」
こうした自分の実力以下の仕事をしているケースが多いのです。
また人生の選択を親に奪われてばかりだった場合
「自分のやりたい仕事」ではなく「親が喜ぶ仕事」
を優先してしまっている場合もあります。
それでも働けている間は問題ありませんが、こういったケースの場合どこかで心が折れてしまいます。
一度でも
「もう頑張れない」
「いい子でいるのに疲れた」
「もっと自分らしい生き方をしたい」
このように感じてしまうと、その後はひたすら辞める事ばかり考えてしまいます。
しかし、仕事を辞めたからといって今更やりたいことがある訳ではありません。
お金が無くなると生活のためにまた望まない仕事へ就き、就いては辞めの繰り返しで何度も転職を重ねてしまいます。
3.そもそも働く意味が分からない
3つ目の理由は「そもそも働く意味が分からない」です。
毒親にコントロールされて育った人の多くが
- 自分のために努力できない
- 将来に希望を持てない
- 人と親密な関係を築けない
こうした問題を抱えています。
自分の未来に希望を抱けず、何のために働いているのかが分からない状態では一つの仕事は続けられません。
そのため、毒親育ちの方の中には派遣社員やバイトなど、正社員と比較して辞めやすい雇用形態をあえて選ぶ人もいます。
私も20代前半の頃は仕事を終えて家に帰るたびに「この価値のない人生を早く終わらせたい」と毎日考えていました。
【経験談】毒親育ちで転職を繰り返した私の履歴
ここで実際に、現役カウンセラーで毒親育ちである私のこれまでの職業履歴と退職理由について語りたいと思います。
少し恥ずかしいのですが、嘘偽りなく語っていきます。
興味のない方は少し下まで飛ばしてくれて大丈夫です!
私の職業の移り変わりは以下の通りです。
営業職→フリーター→ITエンジニア→心理カウンセラー
ここで私があえて自分の過去をさらす理由は
「こういう人でもカウンセラーになれるんだなあ」
「辞めても意外となんとかなるものなんだな」
など、過去の自分と同じことで悩んでいる人に勇気を持ってもらいたいからです。
では一つづつ解説していきます。
営業職
大学卒業の間近になっても就職活動が上手くいかず、なし崩しに就いたのが営業職の仕事です。
私自身、どう考えても営業職に向いていない性格なことは入社前から分かりきっていました。
案の定、入社1週間もすると会社に近づくだけで
「胃が痛くなる」
「お腹を下す」
などの身体的な症状が出るようになりました。後は職場にいる間ずっと動悸が酷かったことを覚えています。
営業職という数字を求められる環境の上、上司のパワハラや残業代が一切支払われない事などが積み重なり、この仕事はわずか3ヶ月で辞めました。
上司の大声が父親の暴言と重なり、常にビクビクした状況で仕事をしないといけないことが特に辛かったですね。
清掃のアルバイト
仕事を辞めたことを親に言い出せず、こっそり始めたのが病院の施設内清掃のアルバイトです。
閉院後の大病院の清掃をする仕事ですが、始業が夕方からだった為、朝家を出た後は夕方になるまで公園でぼーっとして時間を潰していました。
営業と違い仕事自体は非常に楽でしたが、パートのおばさま方からの「強い干渉」を受け続けた結果、常に気持ちが落ち着かなくなり7ヶ月で辞めました。
仕事がどうこうではなく「干渉される環境」に耐えられませんでした。
ITエンジニア
バイト生活はバレていませんでしたが、親からの
「そんな会社じゃいつか野垂れ死ぬ」
「もっと良い仕事を探せ」
という言葉を受け選んだのがITエンジニアの仕事でした。
元々少しだけプログラミングやネットワーク、IT周りの知識があったので、転職にはさほど苦労することはありませんでした。
この転職を機に実家を出て一人暮らしを初めました。
正社員で入社しその後2年ほど働いたのですがほとんど給料が上がらなかったので、単価(給料)の高い派遣エンジニアに移ったのですが、ここで再度問題が発生します。
派遣エンジニアはお金の面ではかなり恵まれていたのですが、「パワハラ」や「過剰な叱責」が飛び交う職場だったのです。
記事内でもお話した通り
- 自己肯定感が低い
- 0か100の黒白思考
- 生きる目的がない
これらが原因となり、わずか半年で「うつ病」になりそのまま退職しました。
その後、半年ほど休み、うつ病が寛解したので再び転職活動を初めました。
うつ病を経て大企業へ・・・しかし
転職活動中、私が常に考えていたのは
「自分のような打たれ弱い人間こそ安定した企業で守ってもらうべきなのでは…?」
ということです。
当時はエンジニア不足ということもあり、私は運良く大企業へ転職することができました。
ですが、ここでまたも問題が発生します。
私が入った会社は古い企業ということもあり、「権威主義」がとても根強く残る会社だったのです。
毒親育ちの私は「権威」が苦手で、偉そうに(実際偉いのですが)部下に命令をしたり、きつく叱る上司を見ているだけで心が疲れてしまうのです。
仕事内容に不満はありませんでしたが、当たりの強い上司によって疲弊していたのは事実で、「辞めたいけどここを辞めたらそれこそ後がないな…」と毎日悩んでいました。
過去の悩みを解決していたらカウンセラーになっていた
私は今でこそ心理カウンセラーとして生計を立てていますが、ブログを初めた当初は心理カウンセラーになろうなどとは一切考えていませんでした。
このブログでは主に「回避依存症」「恋愛依存症」「毒親」など、過去の自分が悩んでいた問題に対する解決策を書いてきたのですが、読者が増えるにつれて
「この場合はどうしたらいいでしょうか?」
「個別に話を聞いて欲しいです」
という方が増えてきたのです。
最初は軽い気持ちで一人ひとりに無償で返信をしていたのですが、あっという間に返信ペースが追いつかなくなりました。
そして「このままでは返信ができない罪悪感に押しつぶされてしまう…」とお金を頂くようになったのが、心理カウンセラーとしての活動のきっかけです。
そんなこんなで独立する目処が立ったので大企業を辞め、現在はフリーのカウンセラーとして活動しています。
ありがたいことに現在もカウンセリングの依頼を毎日頂いています。
仕事は出来るだけ続けた方が良い
私が言っても何の説得力もないかもしれませんが、毒親育ちだとしても仕事は可能な限り続けるのが無難です。
毒親育ちが仕事を続けられない理由は
「物事の考え方や捉え方」
「人に対する基本的な信頼感」
「将来への漠然とした不安」
こうした部分に問題を抱えているからです。
子どもの頃に染み付いた考え方や行動は、職場を選び直したくらいでは変わりません。
転職することで逆に今よりも悪い状況に陥る可能性もあります。
ただその一方で
- 心がザワザワしてしまう職場
- 暴言が飛び交う職場
- 人格否定される職場
毒親育ちがこうした環境に長く身を置いていると、私のように「うつ病」を発症してしまう場合もあるので、早めに身を引くことをオススメします。
どうすれば仕事を長続きさせられるのか?
もしあなたが毒親育ちかつ仕事が続きせず悩んでいるのであれば、2つのアドバイスがあります。
- 何かしらの専門領域を学ぶ
- 親に植え付けられた「考え方」や「行動」を矯正する
まず仕事の面ですが、仕事が長続きしないのであれば、そんな自分を素直に受け入れてあげましょう。
仕事を辞めたからといって、あなたの人としての価値が下がったりすることは一切ありません。
どうしても辛ければ辞めても良いのです。
「辛かったらいつでも辞める」という前提の上で、転職がしやすいようになんらかの専門領域を学んでおけば、多少は気が楽に働けるはずです。
そしてもう一つは、毒親に植え付けられた「考え方」や「行動」を矯正することです。
仕事に限らずあなたが生きづらさを抱えているのは、親に対する怒りや悲しみといった感情を消化しきれていないことが原因かもしれません。
「考え方」や「行動の矯正」、毒親の克服方法については以下の記事を参考にして下さい。
【おすすめ】毒親の克服、親への不安や恐怖を手放す方法【心理カウンセラーが解説】この記事のまとめ
- 仕事が長続きしない毒親育ちは割と多い
- 仕事上でも親に対する行動パターンを繰り返してしまうから
- 仕事が長続きしない自分を責める必要はない。自分にあった生き方を考える。
毒親に育てられた人の中には、仕事が続かないのとは逆に、仕事にのめり込んでしまう方もいますね。自分のために頑張っているのではなく「人に認められたい」という気持ちで無理をされている方です。
仕事が続かないにしろ、働きすぎにしろ「親に縛られている」という点では変わりありません。
ぜひ、他の記事も参考にして、あなたも毒親を克服して下さいね。
今回は以上になります。
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私は、転職2回目となる、20代独身一人暮らしです。
普段は至って普通に、真面目に仕事に向き合っていますが、突然限界を迎え、突発的に仕事を2回辞めてしまっています。
色々事情はありますが、自分の中で、耐えて耐えて、我慢し続けた結果、無理、限界となってしまいます。
大人になって、自分はアダルトチルドレンだと、認識するようになりました。
もしくは、精神的な偏りがあるんじゃないかと。
子供の頃の辛い環境が、著しい自己肯定感の欠如、偏った思考、傷つきやすさの原因であると、自分の中でわかりました。
親のせいにした所で何も変わらないし、かといって、自分の気持ちや状況を、受け入れる事もできなくて、生きているのがしんどいです。
これから3社目に入社しますが、きちんと続くかどうか、不安です。
でも、この記事を見つけて、同じような人がいると知り、少し心強く感じる事が出来ました。
ありがとうございます。