毒親育ちだけど友だちがいない。毒親育ちの人はみんな友だちが少ないの?毒親育ちの人の友だち関係が知りたい。
この記事ではこんな疑問を解決します。
この記事はこれまで私がカウンセラーとして得た知見、加えて自身の毒親育ちの経験を元に深く解説していきます。
こんにちは、心理カウンセラーのしん(@psynote__)です。
先日、こんなツイートをしました。
私はカウンセラーとして、これまでたくさんの毒親育ちの方とお話をしてきましたが
「友達付き合いが好きです」
「誰とでもすぐに友達になれます」
こうしたタイプの方はほとんどおらず、どちらかといえば「友達が少ない」方が多かったように思えます。
今回は「毒親育ちと友だち」というテーマを深堀りして解説します。
「毒親育ちはなぜ友達ができにくいのか?」や「人間関係のリセット癖」について知りたい方、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
「毒親育ちは友だちがいない」は本当なのか?
まず結論からお話します。
毒親育ちに友達がいないかどうかは人によります。
とはいえ冒頭でもお話した通り、私がこれまでお話してきた限りでは友達はいない方が多い印象です。
ではなぜ、毒親育ちは友達が少ないのでしょうか?
考えられるのは以下の理由です。
毒親に育てられたことによって、人との距離感を取るのが苦手だったり、対人恐怖を抱えています。
そして、毒親育ちの人の「友だちがいない」には3つのパターンがあると考えています。
- パターン①:友だちが完全にゼロ
- パターン②:少数の友だちがいる(1人~3人)
- パターン③:友だち”らしき”人が沢山
順番に解説していきます。
パターン①:友だちが完全にゼロ
まず1つ目は友だちがゼロ、言葉の通り「友だちが全くいない」パターンです。
このパターンに当てはまる人の多くは、子供の頃に
こうした制限を親から受けていたのではないかと思います。
私も小学生のころ「勉強をしないといけないのでもう遊べなくなりました。ごめんなさい。」という内容の電話を、自らクラス中の友だちにかけさせられたトラウマがあります。
こうした親の元で育つと、人とのコミュニケーションのとり方や、人との適切な距離感が分からなくなります。
そのため、大人になってからも対人不安を抱えてしまい、人との交流が全く取れなくなることもあります。
そして子供をガチガチに縛っていた親に限って、子供が大人になると
「なんでそんな子に育ったのか分からない」
「友だちのひとりもいないなんて親として恥ずかしい」
などと、友だちがいなかったり、コミュニケーションが苦手なことを持ち出し、ことあるごとに子供を否定します。
このパターンは、親から離れたいのに、メンタル不全で働けなかったりで苦しんでいる人に多い印象ですね。
こうした記事を書くと毎度のように
「親は関係ないでしょ」
「甘えてるだけ」
と毒親育ちの方を批判するようなコメントが届くのですが、子どもが甘えているから友達ができないのではありません。
「毒親のせいにするのは甘え」が間違っている理由パターン②:少数の友だち(1人~2人)
2つ目は「ごく少数の友だちがいる」というパターンです。
対人コミュニケーションはそこまで高いタイプではありませんが、その友だちと”だけ”は自然に会話が出来たり、自分の素を出せる関係を築いています。
友だちの境遇が自分と似ているという人も多いですね。
このパターンに当てはまる人は
「必要以上に友だちを増やそうとはしない」
という特徴があります。
素の自分をさらけ出せる関係をお互いに築いているので、他のパターンと比較しても「自己肯定感」がかなり改善されています。
後ほど詳しく解説しますが、毒親育ちの人の友達関係としては、負担が少ない理想的な関係だと思います。
パターン③:友だち”らしき”人が沢山
パターン3は「友だち”らしき”人は大勢いるが、実は誰のことも友だちとは思っていない」というケースです。
このパターンに当てはまる人の親はいわゆる「支配的な母親」であることが圧倒的に多いですね。
子どもに自分の価値観を強要したり、罪悪感を与えることで子どもをコントロールするタイプです。
友だちを作る時は自分に合いそうな人をフィーリングで選び、そこから仲を深めていくのが普通ではないかと思います。
しかし、子どもをコントロールしようとする親は以下のような言葉で子どもを縛り付けます。
「友だちはちゃんと選ぶのよ」
「親に恥をかかせないで欲しい」
「あんな子とは友だちになっちゃダメ」
こうした言葉を受けた子供は、自分に合う人ではなく、親が満足する人を友だちに選びます。
つまり、自分が好きでもない人に無理に合わせている状態ですね。
毒親の元で我慢を強いられている子どもは無意識に
「友達関係でツラいことがあっても我慢して当然」
と考えてしまいます。
親に対するコミュニケーションと同じ行動を、無意識に友達にも取ってしまっているということです。
昔の記憶を振り返ってみると「なんであんな相性の悪い人と無理に付き合ってたんだろう?」と思うことありますよね。
このケースの場合、友だちとは心が通っていない表面的な付き合いになります。
そのため、歳を重ねるほど「1人が楽だ」と感じるようになり、友だち付き合いが自然と減っていく傾向にあります。
あなたを消耗させる「フレネミー」の存在
あなたは「フレネミー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
フレネミーとは、「friend」(友)と「enemy」(敵)を組み合わせた混成語で「友を装う敵」または「ライバルと同時に友である者」を意味する。
フレネミー
「友を装う敵」とありますが、要はあなたに対して「マウント」を取ったり「おせっかい」を焼いてくる人たちのことです。
そこにあるのは友人関係ではなく、
自分の自尊心を満たすことを目的とした人間関係
です。
自分の意見を言うのが苦手な毒親育ちの方はフレネミーのターゲットにされやすいです。
そして「毒親」と「フレネミー」には多くの共通点があります。
違いは親か友だちかという立場だけで、あなたに自分のエゴを押し付け、我慢をさせるという面では毒親もフレネミーも変わりません。
友だちがいなくても親に「罪悪感」を感じる必要はなし
あなたに友だちがいないことを「みっともない」と親は笑うかもしれません。
ですがここまで解説した通り、毒親育ちが友達付き合いに難を感じてしまうのは、親の育て方に責任があります。
親に罪悪感を植え付けられて育ったあなたは
「自分の性格が悪いから友達ができないのかも?」
「やっぱり誰からも愛されない人間なのかな」
「なんで周りの人みたいに話せないんだろう」
などとマイナスに考えてしまうかもしれませんが、そんな必要はありません。
もし、あなたが今こうした感情で苦しんでいるのであれば、それは全て親の責任です。
毒親はなぜ子どもに「罪悪感」を植え付けるのか?コントロールしたがる心理と対策を解説毒親育ちでも信頼できる友だちが1人いると生きやすくなる
毒親育ちの人にとって、信頼できる友だちが一人いるかどうかははかなり重要です。
ここでいう友だちとは
「素の自分を否定せず、理解してくれる人」
のことです。
友だちと書きましたがこれは恋人や配偶者でも構いません。
この「素の自分を否定せず、理解してくれる」人が身近に1人いるのと全くいないのでは、「人生の生きづらさ」が大きく変わります。
信頼できる友達がいない方も悲観する必要はありません。そのために私のような毒親育ちのカウンセラーがいます。
少し話を戻して、私がパターン2の少数の友だちを「理想的な関係」と言ったのは、フレネミーに邪魔されることなく、自分を理解してくれる人と接することができるからです。
とはいえ、毒親を否定せず受け止めてくれる人が世の中に少ないのもまた一つの事実です。
これについては以下の記事で詳しく解説しています。
毒親は理解されない。「理解される」という思い込みを捨てて生きること毒親育ちは友だちをどうやって作るか?
とはいえ、大人になると友だちを新たに作るのはなかなか難しいですよね。
なので、私としては無理に現実世界で友だちを作ることにこだわる必要はないと思っています。
例えば、ツイッターでは毒親に育てられて苦しんでいる人たちが、生きづらさ解消に向けてお互いに情報共有をしています。
ツイッターで自分の気持ちを正直に打ち明けることで「共感」や「励まし」の言葉をもらい
「自分は悪くなかったんだ」
「親は自分に責任を押し付けてばかりいたんだ」
「罪悪感を感じる必要なんてなかったんだ」
と認識することは、毒親を心をから追い出すきっかけにもなると思います。
毒親育ちが友達を探すときの注意点
ただし、注意しないといけないのは毒親育ちはメンタルが不安定な場合が多い、ということです。
中には無意識に親の行動を再現してしまい、人をコントロールせずにいられない人もいます。
もちろん、メンタルが不安定だからといって、その人が悪いわけではありません。
とはいえそれであなたが攻撃されてしまっては元も子もないので、できれば「毒親育ちで前向きに生きようとしている人」と接することをオススメします。
自分と近い人を探すというよりも、自分がなりたい人を見つけるイメージですね!
毒親育ちは人に素を見せることに恐怖を感じる
あなたは自分の不安や悩みなどを人に話せず、自分の中に溜め込むクセがありませんか?
人に自分の悩みや不安を話すことを考えると
「負担に思われてたらどうしよう」
「どうせ分かってもらえないだろうし…」
「否定されたら嫌だな」
このような考えにとらわれ、人に素を見せられないのではないかと思います。
ですが、人に自分のことを理解してもらうには
自分の悩みや不安を、ありのまま正直に話す
ことが大切です。
あまりに単純すぎる話かもしれませんが、毒親育ちのアダルトチルドレンにはとても難しいことですよね。
ですが、聞いて下さい。
「普通の家庭で育った人」はあなたの悩みや不安を真剣に聞いてくれます。
親のように、あなたの話を頭から否定することもなければ、曲解することもなく、ありのままに受け止め理解してくれます。
自分の言葉や感情が否定されて当たり前だった毒親育ちにとって「否定されない」ということは、はじめはすごく不安で不思議なことに感じるでしょう。
ですが、すぐにこれが当たり前なことに気づくはずです。
そして、素を出して人と接することの一番のメリットは、素を出しても人から嫌われないことが分かることで
自分に対する自信や勇気が自然に湧く
ということです。
怖くても少しの勇気を出して踏み出してみれば、自分の不安が杞憂だったことに気がつくはずです!
ただし、くれぐれもフレネミーには気をつけて下さい。
毒親育ちは人間関係をリセットしがち
さいごに、毒親育ちの方に多い「人間関係のリセット癖」について少しだけお話します。
リセット癖は、とつぜん連絡先を全部消したり、身の回りの人をブロックして一人になる行為のことです。
つい勢いでリセットしてしまう人も多いのではないでしょうか?過去の私も事あるごとに人間関係をリセットしていました。
リセット癖がある人の特徴は以下の通りです。
あとは特に理由が見当たらないのに、漠然とした不安感からやってしまうこともありますよね。
リセットは簡単なのでついやってしまう気持ちは経験者として私もよく分かります。
ですが、リセットすればするほど人との関係は狭くなり、結果的に孤独感を強めてしまいます。
その結果として
こうした行動に繋がってしまう可能性も極めて高いので、リセットしすぎには注意が必要です。
この記事のまとめ
- 毒親育ちの「友だちがいない」は「一人も友達がいない」「少数の友人がいる」「友達らしき人(フレネミー)が大勢いる」の3つのパターンのどれか一つにあてはまることが多い。
- 友人関係が親と同じ支配関係になっていないかを意識して生活する。もし支配関係になっていたらなるべく早く関係を断ち切る。
- 人間関係のリセットはやりすぎないこと。素のあなたを大事にしてくれる人を一人みつける。
今回は「毒親には友だちがいない」というテーマで解説しました。
親にコントロールされて育った子どもは、友人関係でも我慢を重ねてしまうことが多いですね。
相手が友人として自分のことを本当に考えてくれているのか、それとも支配したいだけなのかを冷静に見極めることが大切です。
今回は以上となります。
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