毒親と一緒に暮らすのが本当に辛いです。家出をしたいけど、家出をして本当に大丈夫なのか。家出について必要なことを知りたいです。
この記事ではこんな疑問を解決します。
- 大人の家出に必要なのは「勇気」と「お金」
- 未成年の家出は危険。精神的に家を出ること
- 家出を中途半端に終わらせると、余計につらくなる
しん | 心理カウンセラー
心理カウンセラー。過去のカウンセリング実績500件以上。自身の毒親育ちの経験を活かし、毒親の克服方法やアダルトチルドレンの改善などを中心に、「読者の悩みの根本的な解決」を目指し発信しています。
こんにちは、心理カウンセラーのしん(@psynote__)です。
先日、こんなツイートをしました。
「もうこんな家早く出ていきたい…」
「親の物音を聞くだけで気分が悪くなる…」
今あなたはこのような気持ちを抱えているかもしれませんね。
毒親からの家出には2つのパターンがあります。
一つは一時的な家出です、頼れる人を見つけてでるかぎり家から離れる方法ですね。
そしてもう一つは毒親を捨てる、「一生会わないこと」を前提とした家出です。
この記事ではこの2つのパターンの家出を解説していきます。
毒親からの家出を考えているあなたへ【家出の前提条件】
まず毒親からの家出を考えるにあたって重要なのはあなたの年齢です。
あなたが「大人」か「子供」かによって、家出ができるかどうかが決まります。
結論から言うと、あなたが大人の場合
家出に必要なのは親を捨てる「勇気」と「お金」
だけです。
逆にあなたが未成年の場合、家出は現実的な選択ではありません。
無理に家出を試みると、犯罪や性被害などに巻き込まれてしまう危険もあります。
毒親からの家出について「大人」と「子供」を分けて、順に解説してきます。
大人のあなたに必要なのは「勇気」と「お金」
繰り返しになりますが、あなたが大人の場合、家出に必要なのは「親を捨てる勇気」と「お金」です。
さらに具体的にお話すると
毒親からの家出にあたって、まず必要になるのは「お金」です。
金額としては最低でも50万円、可能であれば100万円の貯金があると良いですね。
毒親育ちが原因でメンタルが不安定。思うように働けていない方もいると思いますが、家出にあたってお金の問題は避けては通れません。
ちなみに安定した仕事は必須ではありません。とはいえ
なんらかの原因によってお金がなくなり、親元に戻らないといけない可能性が出てきてしまうのが不安な点です。
(*生活保護をもらうという手段もありますが、ここでは解説しません)
そしてもうひとつ大切なのは、一人で構わないので
自分の過去や現状を打ち明けられる信頼できる人
を見つけることです。
これは友人でも構いませんが、できれば兄弟に頼るのがオススメです。(一人っ子の方は友人でOKです)
家出をし一人暮らしを始めると、親を捨てたことへの罪悪感や不安がわくため、どうしてもメンタルが不安定になりがちです。
「やってやったぞ!」という思いと「親も反省して苦しんでいるのでは…」といった、両極端な思考が次々に頭に浮かんできます。
そうした時、毎回友人を頼ってしまうと友人が先に疲れてしまい、「もう耐えられない…」と距離を置かれてしまう可能性があります。
また、兄弟が社会人であれば、保証人など、家を借りる時もスムーズに済むメリットがあります。
保証人がいない方は「賃貸 保証人なし 地域名」で検索してみてください。
更に家賃を安く抑えたい場合は、シェアハウスなどを利用する手もあります。
毒親から逃げて一人暮らしを始めた時の話【経験者が語る】毒親からの家出。親に見つからないようにするには?
ここからは家出をした後「いかにして親に見つからないようにするか」を解説します。
大前提として、毒親はあなたに依存している状態です。
あなたを取り戻すためなら、なんでもすると考えて下さい。
家出した後、毒親から見つからないようにするためのポイントは以下の3つです。
順に解説していきますね。
ポイント①:失踪宣言書を書く
失踪宣言書とは「私は自分の意思でいなくなりましたよ」と意思表示をするための文章です。
内容としては難しいことを書く必要はなく、以下のような内容を書いておけばOKです。
「自分の意思で家を出ます」
「自殺はしません」
「事件や事故には巻き込まれていません」
「生活もひとりで成り立っています」
「失踪宣言書」は書いても意味がないという方もいますが、書かないよりはマシだと思ってます…!少しでも確率は上げておきましょう。
注意点としては、失踪宣言書は自筆でなければいけません。(文章ファイルやスマホのメモはNG)
そして、失踪宣言書が親の目に留まる場所に置いておくことです。
ポイント②:住民票閲覧制限をかける
名前のとおり、自分以外の人が住民票の請求や閲覧ができなくなります。
この手続きを行わないと、仮に家出をしたとしても
毒親に住民票の開示をされた時に一発で住所がバレます。
この手続をするにはまず最寄りの「警察署」にいき、必要な書類を発行してもらいます。
手続き後、発行された書類を自分が住んでいる自治体に届け出ると、「住民票閲覧制限」が完了します。
この作業は引っ越す前と引っ越した後で、計二回行う必要があります。
詳しくは以下のリンクを参考にして下さい。
ポイント③:捜索願(行方不明者届)の不受理をお願いする
親から暴力やDV被害にあっている場合に限り、「捜索願」の不受理を警察にお願いすることができます。
ただしこれは、手続きをすればすぐに反映される訳ではなく
これらが前提になります。
もしあなたが親から暴力を受けている場合は、事前に警察に相談し
- 近いうちに家を出る予定があること
- 家を出ても事件性はないこと
こうした内容を話しておくといいでしょう。
未成年のあなたに家出は難しい【危険性が高い】
ここからは毒親に悩んでいる未成年の方向けの内容です。
毒親に悩んでいる未成年、特に中学生、高校生にもなると
「自分の家ってなんか普通じゃないかも?」
と、だんだんと自分が置かれている環境の異常性に気がつきます。
そして、そんな毒親の元で毎日つらい思いをして過ごしていれば、「家出をしたい」と思うようになるのは自然な感情です。
未成年の家では必ず連れもどされる
…ですが、未成年のあなたが家出を試みるのは現実的ではありません。
家出をしても必ずいつかは親、警察に見つかり家に連れ戻されます。
なので、未成年のあなたが毒親に対しできることは下のようなものです。
精神的に家を出るというのは、つまり「親との不健全な結びつき」から抜け出すということです。
それには自分と親の間にきっちり境界線を引き
「なぜ親は自分をコントロールしたがるのか?」
「なぜ子供に罪悪感を植え付けようとするのか?」
「自分の親はなぜ毒親なのか?」
これらを客観的に理解するために、過去の記憶を一つ一つ紐解いていく必要があります。
>>毒親育ちで人生終了したと感じている方へ【いつでも挽回可能です】毒親に悩んでいる未成年のあなたが大切にすべきこと
毒親に悩んでいる未成年のあなたに伝えたいのは、「自信」や「自己肯定感」を持つことの大切さです。
自信や自己肯定感がないと、勉強が上手くいかなかったり、仕事を始めても長続きしません。
あなたは今どんな未来を思い描いているでしょうか?
どちらの道に進むにしろ、自信や自己肯定感がなければどこかで必ず限界を迎えます。
そして、限界を迎えてなにもできなくなってしまうと、再び親に依存する生活に戻ることになってしまいます。
そして、今あなたが親から暴力を受けていたり、毎日死にたくなるような思いをしているのであれば勇気を出して、
- 「信頼できる大人」
- 「行政機関」
を頼ってください。
「そんなことをしたら親になにをされるか分からない…」と不安になるかもしれませんが、今は昔よりも虐待に厳しい世の中になっています。
行政機関では、下のような相談サービスがあります。
一つ注意点としては
SNSやネットで知り合った大人を頼るのは危険
です。絶対に止めましょう。
もしあなたのことをかくまってくれると言っても、大人が未成年をかくまうのはれっきとした「犯罪」です。
まともな大人は、犯罪のリスクを負ってまであなたをかくまったりはしません。
なんども家出を繰り返した私の中~高校生【体験談】
普段このブログでは私個人の話はあまりしないようにしているのですが、未成年の方向けに、少し私の昔話を書きたいと思います。
この記事を書いている私の親も、とんでもない毒親でした。
過干渉や執拗な叱責は日常茶飯事、さらにつらかったのは肉体的な暴力でした。
- 「冬に裸で外に追い出される」
- 「ベランダに紐でくくりつけられ放置される」
- 「6時間以上正座させられ、ひたすら自己批判の反省文を読まさせる」
読むだけで気分が悪くなってしまうかもしれませんが、すべて実話です。
大人になって冷静に考えてみれば、周囲の人に助けを求めれば良かったのですが当時はそれができませんでした。
なぜなら「親が怖かった」からです。
暴力は紛れもない「犯罪」です。しつけではありません。
そんなこんな毎日を過ごしている内に、この家にいたら「死んでしまうかも?」ということが頻繁に起こるようになりした。
なので、私は中~高校生の頃よく家出をしていました。
期間は大体3日~2週間程度。
夜中に街にいると補導されるので、夜は雑居ビルの非常階段で寝ていました。
家出の結果、私は「非行少年」という扱いになっていた
一週間以上も家出をしていると、親も焦りが出始めるのか捜索願いが出されました。
私の親は心配していたのではなく、自分の思い通りに子どもが動かないことに対して怒りを感じていた、とあとで姉から聞きました。
そんなこんなで警察に見つかり補導された私を待っていたのは少年課の刑事のおじさんでした。
そのおじさんは開口一番
「俺はお前を施設に入れることに決めた」
この言葉を聞いた時、私は助かったと思いました。
普通の子供であれば悲しむポイントなのかもしれませんが、私としては家を出られる喜びのほうが大きかったのです。
ですが、その喜びはすぐに覆されます。
「だが、今回は親父さんがどうしてもというから見逃す」
私はなにを言われたのか、しばらくの間、理解ができませんでした。
結論をいうと、私は
「児童虐待から逃げた子ども」ではなく、「非行を繰り返す少年」
として扱われていました。
親が警察に私の家出をどう説明したのかは分かりませんが、子供ながらに、相手からの敵意をヒシヒシと感じました。
「親の執念」を甘く見てはいけない
私が過去の話を書いたのは、不幸自慢をしたいからでも、家出をすれば施設に入れる可能性があると伝えたかったからでもありません。
一番あなたに知って欲しかったのは
毒親はあなたに依存していて、決してあなたを離そうとはしない
ということです。
毒親はあなたを自分の手元に置いておくためなら、なんでもします。
毒親から離れるのに「勇気」が必要とお話したのはこのためで、自分に依存している人間を見捨てるのは簡単ではありません。
親に植えつけられた罪悪感に打ち勝つには「強い勇気」が必要になります。
家出はその家に二度と戻らない「覚悟」をもつこと
家出をするにあたって、大切なのは「家出を中途半端に終わらせないこと」です。
中途半端に家出をし、いやいやながらも家に戻ってしまうと親は
「バカなことをしないで」
「親の言うことは聞きなさい」
「今度家出をしたら学費は出さない」
と、ここぞとばかりにあなたを非難したり、自立心を奪うような言葉を投げてくるでしょう。
また、気持ちばかり焦って家出を早まってしまうと
知らずしらずの内に、こうした団体に狙われてしまう可能性もあります。
この記事のまとめ
最後に今回の記事の内容をまとめます。
- 大人の家出に必要なのは「勇気」と「お金」
- 未成年の家出は危険。精神的に家を出ること
- 家出を中途半端に終わらせると、余計につらくなる
今回は「毒親からの家出」というテーマでお話しました。
もしあなたが今未成年で、誰にも親の相談をできず困っているのであればお問い合わせより連絡してください。
どうしても家を出られない方は、下の記事を参考に毒親を克服して下さい。
【おすすめ】毒親の克服、親への不安や恐怖を手放す方法【心理カウンセラーが解説】今回は以上となります、ぜひ参考にしてくださいね。