毒親の影響からか、仕事も恋愛もうまくいかず、すごく生きづらい人生を送っています。最近は生きていて苦しいです。どうすればこの苦しみを解消できますか?
この記事ではこんな疑問を解決します。
しん | 心理カウンセラー
心理カウンセラー。過去のカウンセリング実績500件以上。自身の毒親育ちの経験を活かし、毒親の克服方法やアダルトチルドレンの改善などを中心に、「読者の悩みの根本的な解決」を目指し発信しています。
こんにちは、心理カウンセラーのしん(@psynote__)です。
先日、こんなツイートをしました。
仕事が長続きしない、周りの人と良い人間関係を作れない。いつも気分がふさぎ込みがち。
毒親に自信や自己肯定感を奪われ続けた結果、生きづらさを感じながら日々の日常を送っている方は少なくありません。
この文章を書いている私自身、生きづらさを抱えていた20代の頃は、毎日この世に生まれてきたことを呪っていました。
今回はなぜ毒親育ちが人生終了と感じてしまいがちなのか、具体的に解説します。
【結論】毒親育ちでも人生終了にはならない
まずこの記事であなたに一番伝えたいことからお話します。
結論、毒親育ちだとしても人生終了にはなりません。
いやいやそんなこと言われても…。現に自分の人生は親のせいでめちゃくちゃなんですが…
と思った方、ぜひもう少し我慢して読み進めて頂ければと思います。
今現在、毒親によってあなたの人生に大きな悪影響が出ているのは紛れもない事実です。
ですが、失ったものを嘆き続けること。人生を後悔して生きつづけるのは、とても苦しいことです。
毒親に奪われた過去を取り戻すことはできませんが、あなたらしい人生、生きていて楽しいと思える状態を取り戻すことは、誰にでも必ずできます。
今回は、そのための方法を順番に詳しく解説していきますね。
毒親育ちはなぜ「人生終了」だと考えてしまうのか?
私がカウンセリングで見てきた限り、人生終了だと考える方の特徴は以下の通りです。
- 仕事が長続きしない、望んだ仕事につくことができない
- 安定した対人関係、恋愛関係をつくれない
- なにをしていても楽しくない、だけど、いまさら頑張ろうとも思えない
あなたにも当てはまる部分があるのではないでしょうか?
「人生終了」の気持ちを紐解くために、これらを少し深堀りしてみます。
仕事が長続きしない、望んだ仕事につくことができない
毒親育ちの方の特徴のひとつに、普通の人と比べ成功体験が圧倒的に少ないことがあります。
また、一般的には成功と言われる体験をつんでいても、親がその結果に満足していない限り、成功としてカウントされません。
成功体験をつめなかった子どもになにが起こるのでしょうか?
具体的には以下のような特徴を持つようになります。
- 挑戦することへの恐れ
- 失敗への恐れ
- 人と比べられることへの恐れ
職場という環境はは、良くも悪くも他人と比較される場です。
それは働きだす前の面接から始まり、働きだしたあと、ますます顕著になっていきます。
人と比較されることや、人に失敗したと思われるのが怖いと感じる毒親育ちにとって、一般的な「社会人」という立場はあまりにも重すぎるのです。
そのため、小さな失敗をきっかけに仕事を辞めてしまったり、あえて非正規の仕事を選ぶなど、仕事関係の苦労が絶えません。
自分の思うように働けない、お金を稼げないというのは、人生終了だと感じてしまう理由のひとつと言えるでしょう。
安定した対人関係、恋愛関係をつくれない
対人関係や恋愛関係に問題を抱えやすいのも、毒親育ちの特徴の一つです。
具体的には
安定した人間関係を作れない、恋愛ができないというのは、想像以上に人の心を病ませます。
なぜなら
安定した対人関係を作れない=信用できる人を作れない
になるからです。
小さな頃、親に受け入れてもらえなかった経験を持つ毒親育ちは、人を信用するということが苦手です。(そしてたいていの場合、自分自身のことも信用出来ていないでしょう。)
友人関係にしろ恋愛関係にしろ、人を信頼できない毒親育ちは年齢を重ねるほど孤独を深めやすく、人生に絶望していきます。
なにをしていても楽しくない、だけど、いまさら頑張ろうとも思えない
あなたは、これまで自分の望みではなく「親の望み」を優先して生きてきたのではないかと思います。
なぜなら、そうすることでしか親に認めてもらえなかったからですね。
ひたすら「自分」を押し殺して生きてきた毒親育ちにとって
自分のために努力する
というのはとても難しいことです。
そして、子供の頃からひたすら親の言うことだけを聞いて育った子供は「自分が本当にやりたいこと」が分からなくなります。
「やりたいこともない」「なんのために努力をするのかも分からない」こうした状態が続くことで気持ちがふさぎ込み、セルフネグレクトやニートになってしまう方も少なくありません。
毒親育ちの人に対し「大人になって努力をしないのはただの甘え」という方もいます。
しかし、いくら努力しても否定され続ける環境というのは、子供にとって本当に大きな心の傷になります。
人生終了だと感じてしまう人に共通していること
ここまで人生終了だと感じてしまう具体例として、仕事や人間関係を例に挙げました。
これら全ての例に共通しているのは
「現在に至るまで、自分らしい人生を生きている実感がない」
と感じていることです。
逆にいえば、毒親育ちであっても以下の条件を満たせば、生きづらさは少しづつ解消されていきます。
大切なのは、人生の主導権を親から取り戻すことです。
「毒親育ち=人生終了」という思い込みを手放す
あなたは子供の頃、親に甘えられなかっただけでなく、やりたいことや行動を制限され、とても苦しい思いをしてきたでしょう。
また、親からの暴力や暴言によって、自分に対する自信や、自分を大切にする心を徐々に忘れてしまったのではないかと思います。
そんな環境で育ったあなたが
「努力をしても意味がない」
「どうせ自分は幸せにはなれない」
「親の意思に逆らうのが怖い」
このように考えてしまうのは仕方のないことです。
ですが、これは親がそう思わせるようにあなたを支配してきただけ。あなたの意思で今の状況になったのではありません。
つまり、あなたが今感じている苦しみは「すべて親に責任がある」ということです。
ですが、ここで勘違いして頂きたくないのは
毒親に苦しめられてきたからといって、努力を放棄していい理由にはならない
ということです。
これまでの人生を思い返せば、全て親のせいにしたくなるのは当然です。
しかし、親を責めていても人生は一向に良くならないのが現実なのです。
「毒親育ちだから人生終了」なのではなく、「毒親育ちで全く努力せずに生きていると、次第に人生が終了していく」が正しいのです。
「そんなこと言われても努力できないよ…」と思った方、安心して下さい。
あなたは努力ができないのではなく、努力をするためのきっかけを忘れてしまっているだけ。
きっかけを取り戻せば、必ず自分のために頑張れる人になれます。
「自分の意思」と「親の意思」を混同しないことが大切
今のあなたの人生の決定には、いつも「親」が付きまとっているのではないでしょうか?
あなたはなにか行動のたびに、親が喜ぶこと、傷つかないことを無意識に考え選択してはいませんか?
これは子供の頃、親の望む行動を取ることが親に愛される、見捨てられない唯一の方法だったからです。
つまり、今のあなたの人生は「自分の意思」の横に常に親がいる状態と言えるでしょう。
ですが、この心の中の親の声、いわば「親の呪縛」は捨てることができます。
すごく大切なことをお伝えしますね。
もしあなたが毒親から人生を取り戻したいのであれば
「親に愛されることを諦める」
必要があります。
勘違いされる方がいるのですが、これは決して
という意味ではありません。
親への執着を手放し、精神的に親から離れることを意味します。
そしてこれはあなたがいま何歳であろうと実行可能です。
自分を幸せにする責任から逃げ出さないこと
なぜ精神的に親から離れる必要があるのか?
それは「親の責任」と「自分の責任」を明確にするためです。
この責任の所在が自分の中であいまいになっていると、「悪いのは全て親!!」という思考になってしまい、いつまでも親を憎むだけの人生になってしまいます。
これまで親があなたを傷つけ苦しめてきたことに関しては、紛れもなく親に責任があります。
ですが、その事実を受け入れて毒親を克服できるかどうかは「あなたに責任」があるのです。
(つらい事実だとは思うのですが、こればっかりは受け入れて頂くしかありません。)
「親に愛されなかった自分」を認める勇気を持つ
毒親から精神的に離れるための第一歩は
「親に愛されなかった自分を認める」
ことです。
これまで愛されなかった自分を認めた上で、今後もそれは変わらないことを自分に納得させる必要があります。
そして、この過程では、親に対する強い怒りや悲しみに襲われることに注意が必要です。
あなたがこれまで溜め込んできた思いがあなたの心を支配し、それこそ冒頭のように人生終了だと感じてしまうでしょう。
ですが、この怒りや悲しみは、親に対する期待がなくなることで自然と落ち着きます。
逆に言えば、親に対する怒りが残っている内は、心のどこかでまだ「親に愛されたい、認められたい、変わってほしい」という気持ちが残っているということです。
普通の親、普通の家族を諦めるというのは、どれだけ親を憎んでいたとしても、そう簡単に割り切れるものではありません。
ですが、これらの現実をありのまま受け止められるようになると、「自分の人生は自分でどうにかしてやる」といった
「諦めにも似た謎の自信」
が湧いてきます。
過去は変えられないこと、親も変えられないことを認めたことで、自分を変えるしかないことに自然と気がつけます。
「毒親のせいで人生が台無し…」と思ってしまうのは仕方がないこと
「毒親のせいで人生が台無し…」と考えてしまうこと自体は仕方のないことです。なにせそれだけつらい思いをしてきたのですから。
ですが、その思いにとらわれ、ただ毎日を過ごすのはあまりにもツラい人生と言えるでしょう。
毒親を許す必要はありません。
ですが、自分のために努力することまで投げ出してしまうと、人生はあっとう言う間に詰んでしまいます。
「あのとき、親がこうしてくれていれば…」
「親が今からでも変わってくれれば…」
「親がひとこと謝ってくれれば水に流せるのに…」
私も毒親育ちとして、このようなことばかり考えていた時期があります。
ですが、こうした考えは裏を返せば
「自分の人生の責任や選択権を、自分から親に委ねてしまっている状態」
なのです。
あなたがどれだけ親を憎み、怒りをぶつけようとも親が変わることはありません。
親を変えようとしたり、変わってくれることを望むのではなく、自分が変わる方向で努力をしない限り、あなたが本当に幸せだと思える瞬間はやってこないのです。
あなたには能力がある、それを思い出すだけ
カウンセリングの中で、元々の能力は高いのに、その能力を活かせていない毒親育ちの方をたくさん見てきました。
親が子供の自主性や長所をつぶす発言を繰り返してきたせいで、本人は自分の能力を信じられなくなっているのです。
もしかしたら、あなたもそんな中のひとりかもしれませんね。
繰り返しになりますが、そんなあなたに必要なのは自分を変える「きっかけ」と「具体的な毒親の克服方法」です。
毒親を克服すれば自然と自己肯定感も高まり、本当に自分がやりたかったことや、人生における目標なども見えてくるでしょう。
あなたの人生を変えるのは「親」ではなく「あなた自身」なのです。
今日が人生で一番若いときです。
少しでも
- 「毒親を克服したい」
- 「自分の人生を取り戻したい」
- 「これ以上親に支配されて生きたくない」
と感じた方は、ぜひ下の記事も読んでみてくださいね。
【おすすめ】毒親の克服、親への不安や恐怖を手放す方法【心理カウンセラーが解説】この記事のまとめ
今回の内容は、人によってはすごく冷たい内容に思えてしまったかもしれませんね。
ですが、毒親を克服するということは、仲のいい親子関係になることでは決してないのです。
一番大切なのは、人生の主導権を親から自分に取り戻せるかどうか。
この記事が参考になったという方は、ぜひ下の記事も読んでみてくださいね。
【関連記事】毒親育ちが一つの仕事を続けられない理由【経験から語る】