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恋愛における相手の「心の壁」を取り払うには?

心理カウンセラーが解説、恋人との心の壁、解決の鍵は安心感

恋人との間に「心の壁」を感じることが増えました。以前のような関係に戻れるのでしょうか?またどうすれば心の壁を取り払えるでしょうか。

この記事ではこんな疑問を解説します。

この記事の内容
  • 時間が解決できない心の壁は幼少期のトラウマによって築かれることが多い。
  • 相手が心の壁を築いている場合、焦らずに信頼関係を積み重ねることが重要。
  • 無理に壁を壊そうとするあまり「共依存」に陥らないよう注意して行動する。


恋愛において時に相手との距離を感じる瞬間が訪れます。

それは、相手が「心の壁」を築いているサインかもしれません。

なぜ心の壁が生まれるのか、そしてどうすればその壁を取り除けるのか。この記事では、心の壁の原因と対処法についてわかりやすく解説します。

そもそもなぜ「心の壁」ができたのかを考える

まず「心の壁」が築かれる理由は一つではありません。

相手の心の壁にはいくつかの要因が考えられます。

ここでパッと思いつくのは

  • 日常的なストレス
  • 過去の恋愛経験のトラウマ

などですね。

仕事が忙しかったり、時間的な余裕がなかったりすると、誰でも余裕がなくなります。

さらに、過去の恋愛で傷ついた経験があると、時に相手と距離を置こうとすることもあるでしょう。

ですが、こうした日常的なストレスや過去の恋愛による心の壁は、たいていの場合、時間が解決してくれるものです。

時間が解決できない「心の壁」こそ問題

しかし、中には時間が解決できない心の壁もあります。

この記事を読まれているあなたは、むしろこちらの問題で悩まれているかもしれませんね。

ずばり時間が解決できない「心の壁」とは「幼少期のトラウマ」によるものです。

幼少期に過酷な体験をした場合、たとえば

  • 不十分な愛情
  • 過干渉や無視
  • 虐待

これらを経験していると、人に対する信頼感や安心感が育まれれず「心の壁」が大人になっても残り続けます。

もし、あなたが想う相手があまり良い子供時代を過ごしていなかった場合、心の壁の原因は幼少期の経験にあるかもしれません。

回避型愛着スタイルの人は心の壁を築く

あなたは「愛着理論」や「回避型」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

愛着理論とは、幼少期の両親との関係が「愛着スタイル」を形成し、それが

成人後の恋愛や対人関係に大きな影響を与えるという理論

です。

愛着スタイルは大きく分けて

  • 「安定型」
  • 「不安型」
  • 「回避型」
  • 「恐れ・回避型」

の4つに分類されます。

そして4つのスタイルの中でも、心の壁を築くことが多いのは「回避型愛着スタイル」の人たちです。

彼らは人と親密になりすぎるのを恐れていて、人と一定の距離を保つことで自分を守ろうとするのです。

また、もし相手がこの「回避型愛着スタイル」に当てはまる場合、正しいコミュニケーション方法を知らないと、相手の心の壁を壊すことは難しいでしょう。

しん | 心理カウンセラー
しん | 心理カウンセラー

正しいコミュニケーションについては記事の後半で解説します。

回避型愛着スタイルの詳しい説明は以下の記事を参考にして下さい。

関連記事:回避型愛着スタイルの特徴と恋愛への影響について

心の壁のサインを見逃さないこと

もし相手に回避型の傾向があるのなら「心の壁を築いているサイン」を見逃さないことが非常に重要です。

なぜなら、無理にその壁を取り崩そうとすることで、逆に関係が悪化する可能性があるからです。

ここでは心の壁を見極めるための具体的なサインをいくつか取り上げます。

これらのサインに気づくことで、相手の状況を理解し、適切なアプローチを取ることができるでしょう。

  • コミュニケーションが減る
  • 物理的に距離をおく
  • 会話であいまいな返答が増える
  • 感情の起伏が少なくなる
  • 関係への興味が薄れる

では順に解説していきましょう。

コミュニケーションが減る

相手があまり積極的に会話をしようとしなくなるのは、典型的な心の壁のサインです。

メッセージの返信も遅くなり、以前のようにスムーズなコミュニケーションが取れなくなることもあります。

相手の感情や本音が見えづらくなり、話す内容がいつも似たりよったりになってしまいます。

物理的に距離をおく

物理的に距離を置こうとするのも心の壁を築いている明確なサインです。

以前は頻繁に会ってくれていた相手が、急に会う回数を減らしたり、約束を避けるようになります。

多くの場合、忙しさを理由にされることが多いですが、実際は心理的に距離を取りたいというサインです。

会話であいまいな返答が増える

質問に対して曖昧な返事をしたり、はぐらかすような行動が増えることも心の壁のサインです。

具体的な予定や約束を避け、現状の関係をそのまま維持しようとすることが多くなります。

これは回避型特有の、相手と親密になることを恐れ、距離を保とうとする行動の表れです。

感情の起伏が少なくなる

心の壁を築いていると、相手の喜怒哀楽の表現があいまいになります。

あなたが楽しそうに話しかけても、無表情や淡々とした態度で返されることが増えます。

これはつまり「感情の抑え込み」。自分を守ろうとする心理が働いているからこその行動です。

関係への興味が薄れる

以前は相手から積極的に関係を進めようとしていたのに、無関心な態度や冷たい対応が目立つようになることも心の壁のサインです。

デートや会話をしていても、相手がつまらなそうにしている、または無気力な態度を取る場合、相手が距離を置きたがっている可能性があります。

「以前はこんなんじゃなかった!」ならそれは「回避依存症」かも?

もし、「以前はこんな風じゃなかったのに、相手が急に変わった」とあなたが感じるなら、それは回避型ではなく「回避依存症」の可能性があります。

「回避型」と「回避依存症」は言葉は似ていますが実際には大きな違いがあります。

回避型愛着スタイルの人はほぼ全ての人間関係で親密さを避けますが、回避依存症の場合は「恋人」に対し

「依存」と「回避」を交互に繰り返す

これが回避型との明確な違いになります。

しん | 心理カウンセラー
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心の壁がないどころか、むしろ一時期は依存されていたように感じる場合は回避依存症の可能性が高いでしょう。

回避依存症の人は、恋愛の初期や関係の最初の段階では、非常に強く恋人を求めます。

しかし、仲が深まるにつれて

  • 音信不通
  • 冷たい態度
  • モラハラ的な発言

こうした行動が増え、態度が急変させていきます。

回避依存症については、このブログで専門的に解説していますので、ぜひ下記の記事を参考にしてみてください。

関連記事:『回避依存症』って?原因や特徴、タイプごとの性格について。元・回避依存症が徹底解説します

心の壁を感じた時にあなたができること

話を戻しますね。

相手に心の壁があると感じた時、まずはその壁の存在をありのままに受け入れることが大切です。

無理に壊そうとせず、相手がどのような気持ちでいるのかを考え、冷静に状況を受け止める姿勢を持って下さい。

そうは言っても当然、相手の心の壁に向き合う中で、あなた自身が感情的な負担を感じることもあるでしょう。

特に

「相手に変わってほしい」
「壁を取り払って欲しい」
「もっと私のことを信じて欲しい」

こうした気持ちが強い方だと、余計にその負担が大きく感じられるかもしれません。

しかしそれでも、焦って相手を変えようとしてはいけません。

大切なのは、相手が自ら心を開く準備ができるまで待つこと。

しん | 心理カウンセラー
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無理に変化を求めると、相手はさらに壁を強固にしてしまう可能性があります。

相手が安心して心を開けるような環境を整え、時間をかけて接してあげて下さい。

相手を思いすぎるあまり「共依存」に陥らないこと

相手を思いやる気持ちは素晴らしいですが、それが行き過ぎると自分自身の感情や生活が相手に支配されてしまいます。

しん | 心理カウンセラー
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いわゆる「共依存」と呼ばれる状態ですね。

相手が心の壁を築いているのは、相手自身の問題です。

ですから、あなたがその全てを解決しようとしてはいけないのです。

むしろ、相手の問題をすべて引き受けようとすることは、共依存の危険を高める行動です。

大切なのは、相手を支えつつも、自分の感情や時間を犠牲にしすぎないこと。

相手が自然な形で自分の問題に向き合い、解決できるような機会を提供することが、健全な関係を保つための鍵です。

心の壁を取り払う方法

相手の心の壁を取り払うためには、まずあなたの存在が相手にとって「安全」でなければなりません。

自分が攻撃されたり批判される心配がないと感じることで、相手は徐々に心の壁を崩し始めるのです。

くり返しになりますが、ここでは焦らずに行動することも重要です。

心の壁を早く取り払いたいという気持ちで焦ってしまうと、相手にプレッシャーを与えてしまい、かえって壁がさらに厚くなる可能性があります。

しん | 心理カウンセラー
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時間をかけて、ゆっくりと信頼を積み重ねていきましょう。

結局のところ、相手に負担をかけず、少しずつ信頼関係を築くことでしか、心の壁を取り払う方法はないのです。

特に以下のような行動を心がけるといいでしょう。

  • 小さな約束を守る
  • 安定した態度や言葉で接する
  • 一貫した行動を取る

また、相手との「心の境界線」を意識することもとても大切です。

相手がどれくらい話せるのか、どれくらいの距離感が心地よいのかを理解し、その範囲内で関係を深めていきましょう。

そして今ここで挙げたスキルを持っている人を、愛着理論では「安全基地」と呼びます。

相手にとって安全基地となるための具体的な方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:心の拠り所:大切な人の『安全基地』になれる人の特徴

この記事のまとめ

この記事のまとめ
  • 相手の心の壁を取り払うには、相手にとってあなたが安全だと感じられることが大切。
  • 共依存を避け、自分の境界線を守りつつ常にサポートする姿勢を見せる。
  • 小さな信頼を積み重ね、時間をかけて心の壁を取り除くことが最良の方法、近道はない。


心の壁を取り除くには、忍耐と信頼が何よりも重要です。

焦らず、相手のペースに寄り添いながら、少しずつ絆を深めていきましょう。

関連記事:回避依存症の人との正しい付き合い方【距離感の意識が大切】

しん | 心理カウンセラー
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