「回避依存症の独裁者ってどんな人?」
「恋人のモラハラやDV行為に悩んでいる」
「恋人にモラハラやDVを止めてもらう方法は?」
この記事ではこんな疑問を解決します。
しん | 心理カウンセラー
心理カウンセラー。過去のカウンセリング実績500件以上。毒親育ち。自身の恋愛依存症・回避依存症の経験を活かし、「読者の悩みの根本的な解決」を目指し発信しています。
- 独裁者タイプの特徴について
- DVやモラハラは「支配」されることへの恐怖
- 独裁者タイプとの上手な付き合い方
回避依存症の独裁者タイプは、他のタイプと比べても「回避依存症」であることに最も気が付きにくいタイプです。
なぜなら一昔前であれば、このタイプの人の性格は「男らしい」や「亭主関白」として捉えられていたからです。
「回避依存症なんてわざわざ大層な名前つけなくても・・・」
と思うかもしれませんが、あなたの恋人や夫がなぜモラハラやDVに走るのか。
この心理を知っておくことは、あなた自身の自衛のためにもとても大切です。
恋人のモラハラやDVに悩まされている方、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
独裁者タイプの特徴
まずは独裁者タイプの特徴についてざっとまとめてみます。
- 非常に自己中心的な考え方をする
- 常に自分が「教えてあげている」という態度を取る
- 人には命令するが、自分が命令されるのは許せない
- 精神的に痛めつける様な言葉を日常的に使う
- 話し方、食事、掃除など恋人が自分の思い通りの行動を取らないと怒り出す
代表的な特徴だと、この辺が当てはまるかと思います。
ざっと眺めるだけもなんとなく伝わるかと思うのですが、独裁者タイプが恋人と「フラットな関係」を築くことはまずありません。
独裁者タイプは恋人と「主従関係」のような縦の関係を作ることで、恋人を自分の支配下に置くことを第一に考えています。
分かりやすくいうと”王様”と”手下”のような関係ですね。
「独裁者タイプはなんでこうした関係を作りたがるの?」という質問について後ほど詳しく解説しますが、一言でまとめると
自分が支配されないよう、あらかじめ恋人を支配する
といった歪んだ考えが根本にあるのが原因です。
独裁者タイプが使い分ける「怒り」と「無言」
独裁者タイプの特徴を考えてみたとき
- 精神的に痛めつける言葉や罵声
- 細部にわたる徹底的なダメ出し
- 人格攻撃
あなたはこうした”直接的”な支配行動を、つい頭に浮かべてしまうのではないでしょうか?
ですが、実は独裁者タイプの行動にはもう一つ大きな特徴があります。
その特徴とは
あえて無言に徹することで恋人を威圧する
という特徴です。
たとえば、意味もなく無言でムスッとしてみたり、机を指でトントン叩いてイライラを表現したりですね。
こうした恋人の行動を見て
「私がなにか不機嫌になることをしてしまったのかな…?」
と相手が不安感を感じるように仕組むのです。
この「直接的な支配」と「間接的な支配」を交互に組み合わせることで、独裁者タイプは恋人への支配を深めていきます。
回避依存症の独裁者タイプの原因
次に、回避依存症の独裁者タイプの原因についてお話します。
原因となるのは大きく分けて下の2つです。
- 過干渉・過保護な両親に育てられた
- 独裁者タイプの親に育てられた
順に解説します。
過干渉・過保護な両親に育てられた
独裁者タイプになる理由の一つに「過干渉・過保護な両親に育てられた」があります。
両親と書きましたが、これまでカウンセリングを見てきた限りでは、独裁者タイプの原因は「母親の接し方」に問題がある場合が非常に多かったです。
母親が子供のことを心配したり世話をするのは当然のことです。
しかし、過保護や過干渉な母親は、子供が自立心を持つ思春期になっても、過干渉や過保護をやめられません。
子供を一人の人間として見ることができず
「自分の所有物」
のように考えているので、子供を自分の思うように操ろうとし、子供の考えや自由を奪います。
母親本人は「子供のためにいいことをしている」と考えているので、子供が抱えている辛さを感じることができません。
こうした環境で育った子供は、人に束縛や干渉を受けることを極度に嫌がるようになり
「コントロールされるくらいなら、逆に相手をコントロールしてやろう」
と考えるようになり、それがモラハラやDVといった行動として現れます。
DVやモラハラをする相手として女性が選ばれやすいのは、無意識の中にある母親への怒りの裏返しといえます。
独裁者タイプの親に育てられた
そしてもう一つの理由は、親、特に父親が「独裁者タイプ」だったということです。
「独裁者タイプの親に育てられるとどうなるか」
については後ほど僕の体験談を踏まえて解説しますが、なんせその家庭状況は良いものとはいえません。
配偶者だけでなく、子供に対しても
- 命令する
- 精神的・肉体的に痛めつける
- 食事・掃除・勉強のミスを執拗に責め立てる
こうした行動を取るため、子供は次第に自分に対する自信を失っていき、心に大きなキズを負います。
親子といえども関係性は王様と手下のような関係なので、子供は常に不安や恐怖に怯えながら暮らすことになります。
そして、大人になって恋人や家族が出来ると、無意識に辛かった子供時代、過去のトラウマを思い出してしまうのです。
弱かった自分を認めることができないがために、自分が「独裁者タイプ」となり弱者(恋人・子供)を支配することで、自分のトラウマを隠そうとします。
社会的な背景って関係あるの?
とある記事では、独裁者タイプの原因の一つは「社会的背景」だと解説されていました。
昭和の時代は「亭主関白」が普通だったので、自然にこうした環境が形成されていたという意味では、社会的な背景も関係していたかもしれませんね。
ですが、現在では体罰や虐待が強く非難される時代になっているので、現在ではこの理由は薄くなっているのではないかな、と私は考えています。
DVやモラハラは「支配」されることへの拒絶反応
原因が「両親による過干渉・過保護」「独裁者タイプの親に育てられた」このどちらにあるにせよ、根本にあるのは
「もう人から支配されたくない」
という強い不安や恐怖心です。
独裁者タイプの回避行動(モラハラ・DV)は自分のトラウマを隠すための無意識の防衛反応です。
無意識というのがポイントで、恋人にとってはそれが自然な行動になってしまっているので
自分が恋人のことを傷つけている実感に乏しい
という面があります。
また、中にも恋人を支配することで「優越感」のようなものを感じ、いつしか自分の”ストレス解消”として恋人に対しDVやモラハラを行う人もいます。
こうなるとモラハラが加速し、自分の身にも危険が及ぶ可能性があるので、しかるべき場所に相談するのも一つの手段であると思います。
※独裁者のモラハラについて更に詳しく知りたい方⇒
回避依存症とモラハラの深い関係性とは【モラハラの心理を探る】自分を責めるのは絶対にNG【あなたは悪くない】
独裁者タイプのモラハラやDVを受けているあなたは次第に
恋人の不機嫌=自分の言動に問題があるから
だと思うようになってしまうかもしれませんね。
ですが、恋人のDVやモラハラ行為に対してあなたが責任を感じる必要はありません!
恋人の行動は全て「自分を守るための無意識の防衛反応」ということを思い出してください。
独裁者タイプの人は「支配」されないこと、主従関係をつくることが目的です。
あなたがどれだけ頑張って恋人に接したとしても、目ざとくミスを見つけ、責め立てるでしょう。
少しのことを大きく責め立て、あなたに対し”罪悪感”を植え付けていきます。
あなたがこの恋人の罠にハマり、小さなことを恋人に謝ってしまったり、相手に無理に寄り添おうとすると、ますます関係は不健全な形になってしまいます。
ミスのない人なんていません。
本来恋人や配偶者とは
お互いが思いやりをもって共に成長していくもの
です。
それが出来ないのは、あなたが頑張っていないからではなく、恋人に問題があります。
自分を責める必要はありません。
独裁者タイプに育てられた子供はどうなるか【実体験】
既婚で配偶者が回避依存症の独裁者タイプ、という方に向けての内容となります。(独裁者タイプとの結婚を考えている人も参考にしてください)
このブログを書いている私自信、過去は回避依存症でした。
そして私の父も回避依存症です。
私は脱走者と搾取者タイプの面が強いタイプでしたが、父は独裁者とナルシストタイプの特徴を煮詰めたような人でした。
そしてこの記事で紹介した通り、父は「過干渉・過保護な母親」に育てられていました。
独裁者タイプの人に対する接し方は、恋人だけでも十分に問題ですが、子どもに対してはより強い悪影響を与えます。
いやゆる毒親、機能不全家族というやつですね。
やることなすこと全て否定され、罵声を浴びせられ、常に不安を抱える環境で育った子どもは、当然まともには育ちません。
どうなるかは育ってみないと分かりませんが
- 恋愛依存症
- 回避依存症
- セックス依存症
- アルコール依存症
- 自傷癖
その他にも対人不安などを抱え、子供に生きづらい人生を歩ませることになります。
「父(母)は昔からこういう人だから・・・」
と諦め、子どもに自分と同じ我慢を強いてしまうと、あなたは一生子どもに恨まれてしまうかもしれません。
独裁者タイプは配偶者にも子どもにも同じ行動を取るので、せめてあなただけは、子どもの味方でいる必要があります。
恋人や配偶者にモラハラやDVを止めてもらうには
独裁者タイプの「モラハラ」や「DV」は、自分のトラウマから逃げるための防衛反応なので、あなたが
「モラハラやDVを止めて!!」
といっても、止めさせることはできません。
むしろ、「止めさせようとする」行為そのものが、「命令」や「干渉」のように受け取られ、より酷い状態になってしまうかもしれません。
自分や子どもを、モラハラやDVから守るには「恋人を刺激しない正しい感情の伝え方」を学ぶ必要があります。
こちらについて知りたい方は、下のページを参考にしてください。
【おすすめ】回避依存症の彼との幸せな関係の作り方まとめ
最後に今回の記事の内容のまとめです。
- モラハラやDVの原因は幼少期の両親との関係性にある
- モラハラやDVはトラウマからくる自己防衛反応
- あなたに責任はない。ただしい感情の伝え方を学ぶことが大切
今回は回避依存症の独裁者タイプについて解説しました。
独裁者タイプの厄介なところは、結婚してもそれがずっと続く、ということですね。
モラハラやDVを止めてもらうには、まずは自分が悪くはないということを意識して、付き合い方を徐々に変えていく必要があります。
「自分はあなたをコントロールしようとしていない」ということを恋人に分からせていくことでしか、安定した関係を築く方法はありません。
今回は以上となります。