回避依存症の人と友達以上恋人未満の曖昧な関係が続いています。これって脈なしなのでしょうか…?
この記事ではこんな疑問を解説します。
- 回避依存症の人は親密さを求めつつも、深い関係になると恐れから距離を取る。
- 友達以上恋人未満の関係は、回避依存症の人にとってある意味で理想的な環境。
- 相手ではなく自分自身の感情に注目し、関係が進展しない場合は、距離を置く決断を検討する。
こんにちは、心理カウンセラーのしん(@psynote__)です。
このブログでは回避依存症の話題を多く取り上げていますが、その大半は「恋人」としての関わり方について解説したものです。
では回避依存症の相手と「友達以上恋人未満」の関係にある場合、どのように接したらいいのでしょうか?
この記事では友達以上恋人未満の相手への接し方や、関係を続けることのリスク、そして関係を健全に保つための具体的なヒントを紹介します。
回避依存症とは?
まずは簡単に回避依存症について説明しますね。
回避依存症の一番の特徴は
一度は人に近づくものの、親密になると急に恐れを感じて距離を取ってしまう
になります。
深い関係を築くことに不安を感じつつも、実は「恋人とのつながり」を誰よりも強く求めているのが特徴です。
相手に強く依存する瞬間がありながらも、感情的なつながりが深まると急にその親密さを怖がり、距離を置く。
そして、この流れを何度も繰り返してしまうのが回避依存症です。
回避依存症の原因
では、なぜ回避依存症はこのような行動を取るのでしょうか。
その原因を探ると、多くの場合「幼少期の親との関係」に行き着きます。
回避依存症の人の多くは幼少期に不安定な親子関係を経験しており
- 過剰な期待やプレッシャー
- 過干渉やコントロール
- 虐待や無視
不安定な愛情を受けた彼らは、他者との親密な関係に対して常に不安や恐れを抱くようになります。
そして、心の距離感が近い恋人に対しては特に
という思いに縛られてしまうのです。
さらに、幼少期に十分な愛情を受けられなかった場合、他者からの愛情や関心を素直に受け入れることができず、結果的に自ら距離を置いてしまうことが増えます。
友達以上、恋人未満の関係:それは信頼の証?
回避依存症の人の多くは、恋愛初期においては非常に強い愛情を示します。
最初はとても親しげで、あなたに対して積極的に愛情を表現するので
と、つい相手の気持ちに期待を抱いてしまいます。
しかし、その関係が深まろうとすると突然、距離を置くのです。
この理由は先程も述べたように、彼らが
という恐怖を抱いているからです。
つまりここで一定以上の距離を保とうとする「友達以上、恋人未満」という関係が生まれるのです。
そしてもう一つ付け加えるならば、この関係は
回避依存症の人にとって一つの防衛策
なのです。
距離を取られることにネガティブな印象を抱く方も多いと思いますが、回避依存症の人が他人と距離を取ることは普通なので、あまり深刻に受け止める必要はありません。
むしろ、この「友達以上、恋人未満」の状態を維持すること自体が、多少なりとも
「あなたを信頼していることの表れ」
と考えることができます。
距離を保ちながらも、関係を維持し続けるというのは、相手があなたに少なからず興味を持ち、信頼している証拠。
特に回避依存症の人は、興味のない相手とはそもそも関係を持とうとしません。
なので、この友達以上、恋人未満の関係には、相手なりの信頼が込められていると考えて下さい。
友達以上恋人未満は親密さと距離感のバランスが良い
この曖昧な関係性は、回避依存症の人にとって「理想的な距離感を保つ」ことができるというメリットがあります。
親密さが深まりすぎるリスクを避けつつも、孤独に陥ることなく、相手とのつながりを維持することができるからです。
さらに、正式な恋人関係に進むことで発生する
- 相手への期待
- 相手に対する責任感
も、この友達以上恋人未満の状態では薄れます。
恋人としての役割を求められないため、相手はあなたとの時間や感情的なつながりを、比較的プレッシャーの少ない形で楽しむことができるのです。
しかし、この状況はあくまで相手側の論理であって、あなた自身はもっと関係を進めたいと思っているかもしれません。
相手にとっては良い環境でも、あなたにとってはモヤモヤが残る状態でしょう。
次は、この友達以上恋人未満の状態を続けるリスクについても詳しくお話しします。
「友達以上恋人未満」を続けるリスクと見極めのポイント
いくら信頼関係の表れといっても、友達以上恋人未満の関係を続けることにはいくつかのリスクがあります。
それは、相手が回避依存症の場合、そのまま関係が進展しない可能性が高いということ。
そして、友達以上恋人未満の状態が続けば続くほど、あなたの心の負担は大きくなり、相手に対する期待や不安ばかりが膨らんでしまうのです。
期待や不安が増す一方で、もしそれが裏切られた場合には深いダメージを負うことになりますし、この曖昧な状態では相手に依存してしまうリスクも高まります。
ですので、次のポイントを参考に、関係を続けるか見直すべきかを判断することが重要です。
- 自分の感情に注目する
- 関係が進展する見込みがあるかどうかを見極める
- 自分自身の幸福を最優先に考える
順に解説していきますね。
自分の感情に注目する
今の関係の中で、自分が毎日どのような感情を抱いているかを冷静に振り返ってみてください。
- 夜に相手のことを考えて眠れない
- 自分が相手の一言に過度に反応してしまう
もしあなたにそんなことが頻繁に起きているなら、それは危険なサインです。
もし、毎日の様に不安やイライラが募っているなら、関係を見直す時期が来ていると言えるでしょう。
関係が進展する見込みがあるかどうかを見極める
相手との関係が少しでも進んでいるか、停滞しているかをしっかりと見極めることも大切です。
進展の兆しというのは、例えば
- 自分の感情を共有してくれるようになる
- 二人の関係の未来の話をし始める
- 日常的に予定を教えてくれる
などの行動です。
これがいつまで経っても見られない場合、今後も関係が深まる可能性は低いでしょう。
ただ、そうなると相手にとってあなたは単に都合の良い存在になってしまう恐れがあります。
自分自身の幸福を最優先に考える
恋愛において、人はどうしても犠牲的になりがちです。
ですが、何よりも大切なのは自分自身の幸せです。
その関係の中で、最終的に自分が幸せになれるのかを冷静な心で考えてみて下さい。
もしあなたが今、感情的に大きな負担を感じているなら、距離を置く選択も必要です。
もちろん、いきなりすべての関係を断ち切る必要はありません。
- 連絡を減らす
- 他の友人や趣味に時間を割く
こうした、今できることから試してみて、それでも相手が変わらなければ距離を置けば良いのです。
友達以上、恋人未満の回避依存症の人との接し方:具体的なアドバイス
友達以上恋人未満の関係と言っても、回避依存症の人と接する基本的な姿勢は恋人関係の場合となんら変わりません。
ここでは、彼らと上手に付き合っていくための5つの基本についてお話しします。
焦らないこと
急いで関係を進めようとするのは、回避依存症の人にとって大きなプレッシャーになります。
彼らは距離が近づきすぎると不安を感じ、結果としてさらに距離を取ろうとするからです。
だからこそ、相手のペースに合わせて少しずつ信頼関係を築くことが非常に重要です。
感情を押し付けない
回避依存の人は、強い感情表現や要求に対して非常に敏感です。
自分の気持ちを素直に伝えることは大切ですが、感情を押し付けすぎると、相手はその状況から逃げ出したくなってしまいます。
適度な距離感を保ちながら、無理なく伝える方法を心がけましょう。
距離感を大切にする
回避依存症の人が一時的に距離を置こうとした場合、その意志を尊重することが大切です。
距離を置いたとしても、相手は必ずと言っていいほど再びあなたに近づいてきます。
その時が来るまで、無理に引き戻そうとせず、相手のペースに合わせて待つことが必要です。
安定感を与える
回避依存症の人に「安定したコミュニケーション」を提供することは非常に重要です。
あなたが安定感を持ち、変わらない態度で接することで、少しずつ信頼が生まれていくからです。
感情的にならず、常に落ち着いた態度で関わることを意識しましょう。
行動に一貫性を持つ
回避依存症の人は、不安定な関係や急な変化に対してとても敏感です。
だからこそ、あなた自身が一貫した行動を取ることが、相手に安心感を与えるためには欠かせません。
たとえば
- 約束を守る
- コミュニケーションの頻度を一定に保つ
- 気分で言うことを変えない
など、これらが重要です。
彼らに予測可能な安心感を与えることで、信頼関係はより深まります。
回避依存症の彼との正しい付き合い方について
更に詳しい回避依存症の彼への付き合い方については以下の記事を確認して下さい。
どこの情報よりも詳しく、回避依存症の人との正しい付き合い方をまとめています。
【関連記事】回避依存症の彼との幸せな関係の作り方もしあなたが「依存体質」なら回避依存症の人はオススメできない
私はこれまでに何百件もの回避依存症のカウンセリングを行ってきました。
その経験から断言できることが一つあります。
それは「依存体質」の人は回避依存症の人とは相性が悪い
ということ。
ここでいう依存体質とは「自分の感情や行動が相手に大きく左右されてしまう人」のことになります。
なぜ依存体質の人と回避依存症の人の相性が悪いのか?
回避依存症の人は、親密な関係が築かれると急に距離を置くと説明しました。
このため、相手に強く依存しようとする依存体質の人は
相手が距離を取った際に非常に大きな不安やストレスを感じやすい
という問題があります。
その不安やストレスが大きくなり、感情的にることが増え、結果的に相手を追い詰めてしまうことが多くなります。
例えば
- 過剰にメッセージを送る
- 相手の予定を細かく把握しようとする
- 誰と一緒に過ごしていたのか確認する
など、相手にとって負担となる行動を取ってしまいがちです。
そしてこうした行動が、結果として相手をさらに遠ざけてしまうという「負のループ」が生まれます。
突然気が向いたかのように、時には相手が一時的にこちらに関心を寄せてくれることもありますが、それは一瞬のこと。
またその一瞬の幸せを手に入れるために、さらに無理を重ねることになります。
最終的には依存体質の人は、感情的に疲れ切ってしまう可能性が非常に高いのです。
もしあなたが依存体質で、それでも回避依存症の相手と交際したいと思うのであれば、まずは自身の恋愛依存を改善することが必要です。
恋愛依存の改善については、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】恋愛依存症を克服するための5ステップこの記事のまとめ
- 回避依存症の人との関係は、依存と回避を繰り返すため、感情的に疲弊しやすい。
- 友達以上恋人未満の状態が続くことは、信頼の証である一方、リスクも伴う。
- 自分の幸福を最優先に考え、依存体質の人はまず自身の恋愛依存を克服すること。
友達以上恋人未満の曖昧な関係を続けるかどうか迷ってしまうことも時にはあるでしょう。
ですが、いつでもいちばん大切なのはあなた自身の幸福。
自分が傷つかない環境を最優先に考え、無理をせず、必要であれば距離を置く勇気を持ちましょう。
関連記事:回避依存症の人間は『クズ』なのか?クズと思われてしまう理由と自己防衛の心理について解説しますTwitter(@psynote__)もやっています!この記事が役に立ったという方はぜひフォローして頂けると嬉しいです。