「自分の理想像を押し付けてくる恋人がしんどい」
「恋人が自分の話ばかりして、こっちの話を聞いてくれない」
「恋人が自信家なのにメンタルが弱い」
この記事ではこんな疑問を解決します。
しん | 心理カウンセラー
心理カウンセラー。過去のカウンセリング実績500件以上。毒親育ち。自身の恋愛依存症・回避依存症の経験を活かし、「読者の悩みの根本的な解決」を目指し発信しています。
- ナルシストタイプの特徴について
- ナルシストタイプの問題は「ゆがんだ自己愛」にある
- ナルシストタイプの恋人と上手に付き合う方法
こんちには、心理カウンセラーのしん(@psynote__)です。
先日、こんなツイートをしました。
パッと見て回避依存症と分からないタイプの一つに「ナルシストタイプ」があります。
ナルシストタイプの言動を性格の一部ととらえ、結婚後に「なにかおかしい・・・」と感じ調べた結果「回避依存症のナルシストタイプだと気がつきました」と語る相談者様も珍しくありません。
今回は回避依存症のナルシストタイプが、ただの「浮気性」や「自信家」とは違う理由や、行動の心理について解説していきます。
ナルシストタイプの人との上手な付き合い方についても解説するので、恋人の言動に悩んでいる方はぜひ最後まで読んでみて下さいね。
回避依存症のナルシストタイプの特徴
まずはナルシストタイプでよく見られる特徴について紹介します。
- 生活のありとあらゆる面で自分の理想像を押し付けてくる
- 人に見下された態度を取られると激昂する
- 自信家に見えて意外とメンタルがもろい
- 自分が否定されることにすごく敏感
- 人より優れていると信じている
- 自慢話や自分を大きく見せる話が多い
代表的な所でいうとこの辺が当てはまると思います。。
この特徴からも、ナルシストタイプの人が「自分が他人からどう見られているのか」を気にしていること、また「恥をかくこと」に敏感なのが見て取れると思います。
人からどう見られているか、が考え方の中心にあり
自分の弱点が人にバレる=人生の終わり
くらいに考えているので、外から見ると高い自尊心を持った自信家に見えることが多いのです。
また、中にはその高い自尊心と相まって、仕事で大きな成功を収める人もいます。
ではなぜ、ナルシストタイプの人は人の目をこれほどまでに気にしてしまうのでしょうか?
その理由は、素の自分を認めることができない「強烈な自己愛(ナルシズム)」にあります。
言動の裏にある「強烈な自己愛」とは
「自己愛」は心理学や医学の現場で使わている専門用語で、意味としては
現実と異なる理想のイメージを自分に当てはめ、自分へ陶酔する心理
のことをいいます。
簡単に言ってしまうと
「自分には才能があってなんでもできるんだ!」
「自分は有能で人から愛される存在に違いない!」
といった「全く根拠のない妄想ともいえる自信」を持ち、他人に対し見栄を張るようになります。
その一方で、人からの批判には非常に弱く、批判を受けた時は「批判してくる人」を拒絶することで、自分の理想の世界を守ろうとします。
ではなぜ、ナルシストタイプの人は恋人に対しても、見栄を張ったり、自分の理想を押し付けてくるのでしょうか?
原因は小さい頃のトラウマ【愛情不足 or 過保護】
まず、幼い子が抱く「僕はすごい!」「なんでも出来るんだ!」という気持ち、いわゆる「幼児的万能感」は成長の中で誰もが一度は持つ感情です。
ですが、幼児的万能感は成長するにつれて周りとの関係で徐々に穏やかになり、いずれは落ち着きます。
「あの子は運動が得意だけど勉強が苦手だ」「自分は勉強はいまいちだけど運動は大得意だ」といったように、人は大人になるにつれて、自分と他人を比べ「できること」「できないこと」を有りのままに受け止められるようになります。
ではなぜナルシストタイプの人はこのように成長できなかったのでしょうか。
その理由は「小さな頃の両親との関係性」にあります。
理由となるのは大きく分けて二つで
- 理由①:愛情が不足した環境で育ったこと
- 理由②:過保護な環境で育ったこと
このどちらから、もしくはこの両方(一貫していない態度)が原因です。
順に解説していきます。
理由①:愛情が不足した環境で育ったこと
まず理由の1つは「愛情が不足した環境で育ったこと」です。
なぜ愛情が不足していると、幼児的万能感が抜けないのでしょうか?
答えは愛情が不足していると「自己肯定感」が育まれないためです。
「自分は誰にも愛されていない」
「なんで生きているのか分からない」
「自分には価値がない」
こうした思いを子供心に強く感じてしまうことで、自己肯定感が育まれず、他人と自分を比較することができません。
そんな弱い自分から目をそむけるために
「自分には才能があってなんでもできる」
「自分は有能で人から愛される存在に違いない」
と次第に信じ込んでしまうようになります。
「三つ子の魂百まで」と言われるように、物心が付く前に学習してしまったことは、大人になっても続いてしまうのですね。
理由②:過保護、過干渉な環境で育ったこと
過保護や過干渉な環境で育つことも、ナルシストタイプの人格をつくる原因の一つになります。
親の「子供の役に立ちたい」「尽くしてあげたい」という感情をひたすらに受け取った子供が
「世界の中心は自分にある」
と考えるのは自然です。
ですが、これだけで”回避依存症”のナルシストタイプが作られるのか?と考えると少し疑問が残ります。
これはあくまで表面的な理由でしかなく、こうした感情は、多くの場合成長の中で解消されていきます。
では過保護と過干渉のなにが問題なのでしょうか?
これは、親の「子供の役に立ちたい」という気持ちが、子供の自発性や自立心を奪う、いわば「制約」になってしまっていることが問題です。
子供は自分のやりたいことを親に否定され続け、「あれをしなさい、これをしなさい」と言われている内に
「自分の意見やニーズは価値がない」
「自分は親の操り人形だ」
と感じるようになり、先ほど理由①の解説と同じく「自己肯定感」が育まれません。
カウンセリング経験から、ナルシストタイプの8割以上は「親の愛情不足」が原因だと感じています。
「恥」をかくことへの恐怖
冒頭でもお話しましたが、ナルシストタイプの人は「恥をかくこと」を強く恐れています。
恥は自分の自己愛が傷ついた時に湧き上がる感情です。
例えばあなたがなんらかのスポーツのプロ選手だとして、「初心者でもやらない低レベルなミス」を人前で晒してしまったらどう感じるでしょう。
当然恥ずかしく思ったり、自分が嫌になりますよね。
プロは高い自尊心を持っているからこそ、小さなミスを恥だと捉えます。
そして、これと同じことがナルシストタイプにもあてはまります。
プライドが高く、自尊心を人より強く持つことで自分を守ろうとするために、人に対して過度に攻撃的になったり拒絶的になるのです。
強い自尊心を持てば持つほど恥をかくことに敏感になり、ナルシストタイプとしての特徴も強まっていきます。
独裁者タイプと混ざると更に厄介
多くの場合、ナルシストタイプは「独裁者タイプ」の特徴もあわせ持ちます。
独裁者タイプが取る
- 常に自分を中心に考える
- 人に命令するが、反論されると激しく怒る
- 話し方、食事、掃除など日常の小さなことを口に出し、自分の理想を押し付ける
こうした恋人と主従関係を作るための言動は、「ナルシストタイプ」の言動と相互補助のような関係です。
恋人に対し「モラハラ行為(独裁者)」をしつつ「自分はすごい人だ(ナルシスト)」という内容をすり込むことで、恋人に対し
「自分には価値がないのに、この人は付き合っていてくれる」
「少しくらい辛くても我慢しないとダメなんだ」
「これくらいの問題、どこの家庭でもあることなんだ」
と間違った思考を植え付けます。
回避依存症とモラハラの深い関係性とは【モラハラの心理を探る】ナルシストタイプに苦しまない方法
ナルシストタイプは他のタイプと比べても性格が改善される可能性が”低い”タイプです。
なぜならナルシストタイプの人は「自分に問題があるとは考えないから」です。
例えば、回避依存症の脱走者タイプのような場合であれば、程度の差はあれど「自分が回避行動を取っている」ということを自覚できます。
急に音信不通するような行為がこれに当てはまります。
ですが、ナルシストタイプや独裁者タイプの場合「自分に問題がある」とは決して考えないので、改善できる余地が少ないのです。
なので、ナルシストタイプに苦しまいための方法は、下の2つを意識することです。
- 恋人のプライドを傷つけないこと
- 恋人の言動を必要以上に考えないこと
1つは恋人のプライドを傷つけないこと。
なにか言いたいことがあったとしても、それが恋人のプライドを少しでも傷つけてしまう可能性があるなら、ぐっと飲み込んだほうが関係は安定します。
もう1つは、恋人の言動を真剣に捉えすぎないことです。
自慢話をしたり、あなたに理想を押し付けようとしてくる恋人に対して、必要以上にあれこれ考えすぎないことです。
また、恋人と比較して、自分を落ち込ませる必要は全くありません。
恋人にナルシストタイプの特徴が現れたと感じた時は、「この人は幼児的万能感から抜け出せてないんだな・・・」と客観視し、自分の心を乱されないようにしましょう。
【おすすめ】回避依存症の彼との幸せな関係の作り方この記事のまとめ
- ナルシストタイプの原因は強い自己愛にある
- 原因は愛情不足や過保護、過干渉。全ては「自己肯定感」がないこと<
- ナルシストタイプの言うことは「受け流す」癖をつける
今回は回避依存症のナルシストタイプについて解説しました。
ナルシストタイプとの付き合いはどうしても「受け身主体の付き合い方になりがち」というのが難しいところですね。
今回は以上となります。
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