
回避依存症の恋人に振り回されるのに疲れました。回避依存症の治し方を知りたいです。あと、自分が回避依存症の場合はどうすればいいですか?
この記事ではこんな疑問を解決します。

しん | 心理カウンセラー
心理カウンセラー。過去のカウンセリング実績500件以上。毒親育ち。自身の恋愛依存症・回避依存症の経験を活かし、「読者の悩みの根本的な解決」を目指し発信しています。
先日、こんなツイートをしました。
ツイートに答えを書いてしまっているのですが、回避依存症を治すということは基本的にはできません。
でもがっかりしないで下さいね。
恋人の回避依存症を完璧に治すことはできなくても、幸せな関係をつくることは十分に可能です。
今回は「回避依存症」と「治す」について解説してきます。
回避依存症を「治す」というのは難しい

繰り返しになりますが、恋人の回避依存症を完璧に治すことは基本的にはできません。
そもそも「治す」とはどのような状態のことをいうのでしょうか?
「治す」を辞書で調べてみるとこのように書かれています。
「治す」は、間違った状態や具合の悪い状態などを本来あるべき姿にしたり、好ましい状態にしたりすること~
Goo辞書(治す)
ですが、恋人である回避依存症の当人は自分のことを
とは考えていません。
なのであなたがいくら「恋人に治してもらおう!」と考えても、それはうまくいきません。
では、「治す」と似た言葉である「癒やす」を辞書で調べてみます。
「癒やす」は、病気や傷をよくしたり、苦しみ、悩みなどをなくしたりすることである。
Goo辞書(癒やす)
回避依存症の人が自ら自分の胸の内を明かすことは少ないのですが、多くの場合、人に言えない生きづらさや苦しみを抱えて過ごしています。
察しの言い方であればお気づきかもしれませんが、回避依存症の恋人と良い関係を築きたいのであれば
この考え方を前提として、恋人との付き合い方を考えていく必要があります。
恋人の回避依存症を治したい(癒やしたい)【まずは原因を知ること】

あなたが恋人の回避依存症を治したいと考えるのであれば、まずは恋人の回避行動の心理とその原因を知ることが大切です。
回避依存症の原因となった出来事を知ることで
などが分かるほか、相手がどんな心理で行動しているのかが理解できると、自分と恋人の状態を客観視することができます。

相手の言動の意図が分からないと「恋人に傷つけられている」という思いが先行してしまうので、どうしてもお互いに感情的なやり取りになってしまいますね。
回避依存症の原因はちいさな頃の親との関係

回避依存症の原因は大きく分けて2つあります。
大きく分けてと書きましたが、たいていの場合、回避依存症の原因は「両親とのかかわり合い」にあります。
以前の研究では、回避依存症の原因は幼少期の母親との関係にあると言われていましたが、現在では母親・父親関係なく「両親」とのかかわり合いにあることが分かっています。
回避依存症の人が子どもの頃に置かれていた環境

では両親とのかかわり合いにて、どんな関係が問題だったのかを見ていきます。
過保護や過干渉な親のもとで育った子供は、人に干渉されたり、コントロールされることに対し敏感になります。
また一貫性のない態度で接された子供は「愛情とはいつ壊れてもおかしくない不確かなもの」と学びます。
回避依存症の人が、恋人との距離が近くなると音信不通になったり、相手をコントロールしようと威圧的に命令したりするのは
なのです。
回避依存症にはいくつかのタイプがありますが、全てのタイプに共通して言えるのは「自己肯定感」が限りなく低いというこです。
素の自分を認められず、自分で自分のことを愛することができないので、恋人に回避行動を取り自分の弱さから目をそむけます。
無理に過去と向き合わせても相手は逃げるだけ

回避依存症の原因は両親との関係にあって、恋人が回避行動を取るのは過去のトラウマから逃げるためだとお話しました。
つまり、恋人に無理に回避依存症を治させようとする行為は
と同じということになります。
恋人に無理に過去と向き合わせようすれば、恋人は「過去と向き合わず逃げる」と「過去と向き合い、あなたと一緒にいる」を天秤にかけ、間違いなく前者を選びます。
過去のつらい思いを無意識に避けるための回避行動なのに、トラウマを思い出させてくる人と一緒にはいられないのです。
恋人の「自己肯定感」を高めて、回避行動を抑えていく

避依存症の恋人に回避行動を止めてもらうには、「治す」ではなく「癒やす」に目を向けることだと冒頭でお伝えしました。
実はこれ、言うのは簡単なのですが、実際に行うとなるとすごく難しいのです。
というのも、回避依存症の恋人を持つ方の多くが
このような状況なため、付き合えば付き合うほど、関係を悪化させてしまっています。

「もしかして私もそうなのかも・・・?」
と思った方は下の記事をぜひご覧ください。
回避依存症の彼との幸せな関係の作り方【完全版】などなど、ケーススタディを交え、回避依存症の人との付き合い方について経験から詳しく解説しています。

特に回避依存症の恋人と、破局⇔復縁を繰り返している方に読んで欲しいですね。
もしかして自分は「回避依存症」なのかも?

ここまでの内容は、「回避依存症の恋人に悩む人」向けの内容でした。
ここからは「もしかしたら自分は回避依存症かも?」と疑念を持った方に向けてお話します。
まず結論から。
あなたが自分のことを「回避依存症」だと自覚したのであれば、今後はできる限り回避依存症の特徴を抑えていく努力をすべきです。
なぜなら、回避依存症のままでは、今と同じ「お互いを痛めつける恋愛」を繰り返すことになってしまうからです。
回避依存症の改善は簡単ではありませんが、まず最初の一歩は
他人を遠ざけてしまう思考パターン
を自覚することからです。
思考パターンはいくつかあるので、ここでは3つ紹介します。

現在カウンセラーとして活動している私自身も、過去の経験から、年に1、2度は無意識に回避行動取りそうになる時があります。
相手から離れたいと思ってしまう、自分を客観視する

もしあなたが今、好きだったはずの恋人と離れたいと感じているならば、一旦立ち止まって考えて下さい。
こうした行動を取って逃げるのは簡単ですが、その前になぜ
「自分はこうした気持ちになるのか?」
を自問自答してみて下さい。
この作業は自分の過去と向き合う作業なので、一度や二度では上手くいかないと思います。
ですが、あなた自身、本当は恋人を必要としているはずです。
一度好きになった人をあやふやな気持ちで手放すことを、まずは止めましょう。
恋人を批判したくなる気持ちを抑える

回避依存症のあなたは、恋愛初期の居心地のいい時間が終わると、次第に恋人の嫌なところばかりが目につくなるようになると思います。
そして、嫌なところが目に付けばつくほど、あなたは無意識に恋人から離れたくなるでしょう。
ですが、自分の内面と向き合わず、相手の表面的なところだけをみて
「自分はこの人のことがそんなに好きじゃなかったんだな」
と離れても、結局のところ、あなたはまた別の異性で同じことを繰り返すだけです。
また、あなたは心のどこかで
「自分にピッタリ合う運命の異性がどこかにいるはずだ」
と考えているかもしれませんが、そんな都合の良い人は決して現れません。

あなたが自分の内面と向き合い、恋人を批判する思考を捨てない限り「運命の人」が現れることはないのです。
もしいまあなたに恋人がいるのであれば、相手があなたを信頼していること、あなたのために色々考えてくれていること。
こうした恋人の気持ちに対して、素直に感謝の心を持つようにしましょう。
メンタルが安定した人を身近に置く

回避依存症を改善させる方法のひとつに
「メンタルが安定した人と積極的に交流する」
という方法があります。
つまり、人と安定した交友関係を築ける人、お手本となる人と接することで自分の考えを見直していく方法ですね。
これは恋人関係でなく、同性の知人でも構いません。
回避依存症の人は、どうしてもその性格の特性から
こうした状態を作りがちなのですが、メンタルが安定した人と交流することで
「素の自分を出しても、みんな普通に受け入れてくれる」
ということが少しづつ分かってくるはずです。
「人なんて誰も信用できない」と最初から関係を断つのではなく、メンタルが安定した人と交流をもつことで、自然と自己肯定感が高まることに気がつくでしょう。
まとめ

最後に今回の記事の内容のまとめです。
今回は回避依存症の治し方というテーマで解説しました。
冒頭でもお話したとおり、回避依存症の恋人に回避依存症を治してもらうというのは現実的ではありません。
回避依存症は病気ではなく、あくまでこれまでの人生の中で学んだ特性や思考パターンです。
なので、恋人に対するこちらの付き合い方を変えていくことで、徐々に相手の思考や行動を変えていくことができます。
今、恋人に悩まされているあなたも、正しい付き合い方を続けていけば絶対に幸せな関係を築くことが出来るので、諦めないで下さいね。
今回は以上となります。
回避依存症の恋人との付き合い方のコツ【距離感を意識する】
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