親が私の自立を認めてくれません。本当はもっと自由に生きたいのに…これって毒親なのでしょうか?
この記事ではこんな疑問を解決します。
- 子供の自立を邪魔する親の心理
- 自立の邪魔をする親にどう対応すべきか
- 自立してからの苦しさとどう向き合うか
しん | 心理カウンセラー
心理カウンセラー。過去のカウンセリング実績500件以上。自身の毒親育ちの経験を活かし、毒親の克服方法やアダルトチルドレンの改善などを中心に、「読者の悩みの根本的な解決」を目指し発信しています。
こんにちは、心理カウンセラーのしん(@psynote__)です。
「子供の自立を邪魔する親なんているの?」
普通の人からするとこのように感じてしまいますよね。
ですが、毒親は子供の自立を意志的にしろ、無意識にしろ徹底的に邪魔します。
今回は、子供の自立を邪魔する毒親の心理について詳しく解説していきます。
なぜ毒親は子供の自立を妨害するのか?
ではまず「なぜ毒親は子供の自立を妨害するのか」という疑問に答えます。
毒親が子供の自立を妨害する主な理由は以下の3つです。
- コントロール欲求
- 親自身が精神的に不安定(無自覚)
- 過保護
一つずつ順に解説していきますね。
1.子供に対するコントロール欲求
まず大前提として、毒親は子供を独立したひとりの人間として認識できていません。
親は子供をコントロールすることで、自分の「力」や「威厳」を確かめているんですね。
コントロール欲求が強い毒親は、子供が自分の考えや意見に従わないと不機嫌になったり、子供を叱ります。
また、子供の気持ちやニーズを徹底的に無視するために、子供の自立が妨げられ、その影響は大人になって強く現れます。
例えばあなたは
「自分のやりたいこと」
「好きなこと」
などを他人に伝える時、恐怖を感じることはありませんか?
親のコントロールに従い続けた子供は、自分の意見を持つことに強い抵抗を感じるようになります。
本来であれば、親と子供に上下関係は存在しません。しかし、毒親は子供をいつまでも格下の存在として扱います。
2.親自身が精神的に不安定
子供にとって大人、特に一番身近な親は決して間違うことのない「完璧な存在」だと考えます。
ですが、実際にはそんなことはないですよね。
大人になったあなたがお気づきのとおり、完璧な親や大人なんてものは存在しません。
そして、毒親はその中でも特に完璧から遠い、精神的に未熟な人間だと言えるでしょう。
精神的に未熟だからこそ、自分で自分の機嫌を取ったり、自分で自分を認めることができないのです。
子供に対してどれだけ威圧的にふるまっても実は自分に自信がなく、
「子供が親に依存せざるをえない状況」
を作り出すことで、自己肯定感であったり自己価値観を高めようとします。
つまり、親にとって子供は一種の「精神安定剤」で、こうした親の元で育った子供は子供らしい子供時代を送ることができません。
そして私の経験上このタイプの親は、なんらかの依存症や精神疾患を併発している場合が多いです。
3過保護
子供の自立を妨害する2つ目の理由は「親の過保護」です。
過保護の一番の問題は
「親が自分の行動によって子供を苦しめているという罪悪感がない」
ことです。
子供の世話をしたり心配をすることは、普通の親にとっても当たり前のことです。
ですが、普通の親は親はあくまで傍観者の立場。あくまで「子供を見守る」という意識で子育てをします。
子供が望めば助言を与えたりサポートしますが、必要以上に干渉したりはしません。
では、なぜ干渉せずに見守ることが大切なのでしょう。
これは子供に「自分は頑張ればなんでもできる」という「自信」や「自己肯定感」を持たせるためです。
過干渉の親の場合、子供がひとりでできることでもあれこれと口を出してしまうため、子供の成長の機会が奪われます。
日常的に成長の機会が奪われたり、自分の意見が認められない環境で育った子供は
「どうせなにをしても文句を言われる」
「親の言うことだけやればいい」
「自分の意見や考えには価値がない」
と考えるようになり、大人になってもこうした意識に苦しめられます。
過干渉な毒親にとって子供はいわば「もう一人の自分」です。
子供らしい考え方や失敗を認められないのは
「子供の失敗」🟰「自分の失敗」
という風にとらえてしまう、他者と自分を同一視してしまう親の意識に問題があるのです。
【具体例】親はこうして子供の自立を邪魔する
子供の自立を邪魔する親の具体例を見ていきましょう。
「あなた一人じゃ生活できないでしょ」
「一人暮らしなんて危険だからだめ、どうせうまくいかないわよ」
「あなたがいなくなったらお母さんは悲しい」
これらのセリフは私がカウンセリングで相談者の方から実際に聞いた言葉です。
親がこうした言葉を子供に使う理由は先ほど解説したとおり
- 子供をコントロールすることで感じていた自己価値感が失われる
- 毒親自身が子供に依存している
- 子供が自分の手の届かない存在になる恐怖心
親がこうした心理を抱えているためです。
特に娘に対する母親の妨害はかなり強く現れます。
くり返しになりますが、毒親には「自分が子供の邪魔をしている」という自覚はありません。
自立を邪魔する親にはどう対応すべきか?
では、自立を邪魔してくる毒親にはどう対応すべきなのでしょうか。
もっとも簡単な方法としては「親との関係を絶ち、物理的にはなれること」です。
ですが、ここでひとつ気をつけなければいけないのは、
親と離れたからと言って、あなたがこれまで受けた傷がすぐに消えるわけではない
ということです。
信頼できる友人や恋人、カウンセラーなどを頼りつつ、毒親から受けた傷を癒していかなければなりません。
心を癒すヒントについてもう少し解説しますね。
親とのコミュニケーションは最低限に
親と離れて暮らすようになると、だんだんと自分が置かれていた状況の異常性に気がつき、親に対する強い怒りが湧いてきます。
強い怒りに動かされ
- 怒りをそのまま親にぶつける
- 親に過去の行動を謝らせようとする
- 「自分が傷ついていたという事実」を親に認めさせる
ついついこうした行動を取りたくなりますが、これは絶対にやってはいけません。
なぜなら、親は必ず否定するからです。
「自分の子育てに問題があった」と認められる親であれば、はじめから毒親にはなりません。
親は自分の非を認めるどころか、自分がさも子供に傷つけられた「被害者」のようにふる舞う可能性すらあります。
中には「それは悪かったねえ」などと謝罪する親もいますが、たいていは本心からの発言ではなく、その場を収める表面的な謝罪です。
親と無理に話し合おうとしたり、謝罪を求めることは
過去のトラウマの再体験
になる可能性が高いのです。
離れて暮らすにしろ、同居にしろ大切なのは「親と自分の間に境界線を引いて付き合うこと」です。
本当の苦しさは自立してから
さきほどお話ししたとおり、毒親育ちの苦しさは自立したからといって簡単に消えるものではありません。
毒親育ちだからこその自己肯定感の低さや、過去のトラウマはその後の人生に大きく影響します。
いくつか例をあげると
- 対人恐怖やストレス耐性が低く仕事が長続きしない
- 人と円滑はコミュニケーションが取れず孤立する
- 自己評価が低く努力が続かない
毒親育ちでない人からすると「甘え」のようにとらえられてしまいがちですが、こうした問題を抱える方は多いのではないでしょうか。
「いい大人なんだから家を出ればいいだけ」という問題では決してありません。
毒親育ちというのはいわば「呪い」なのです。
- 自己肯定感の低さ
- 人間関係の不安定さ
- 自身の感情の抑圧
- 過剰なまでの責任感
- 毒親のループ
こうした特徴をもつ毒親育ちが幸せで健康な生活を取り戻すのは、決して簡単なことではありません。
精神的に毒親とのつながりを消すには、時間をかけ、じっくり取り組んでいく必要があります。
毒親との精神的なつながりを消す方法については下の記事で詳しく解説しています。
【おすすめ】毒親の克服、親への不安や恐怖を手放す方法【心理カウンセラーが解説】この記事のまとめ
- 親は自分の行動によって子供を苦しめているという罪悪感がない、過干渉な親は、子供の自立を妨げることがある。
- 親が子供の自立を妨げることで、子供が自己肯定感や自己価値観を育てられない環境を作り出し、将来的に苦しむことになる可能性がある。
- 自立を邪魔する親から離れることは大切。だが、親と離れたからといって心の傷が消えるわけではない。
今回は「子供を自立させない毒親」というテーマで解説しました。
この記事を読んでいる方の中には、さまざまな事情から自立したくてもできないという方もいると思います。
同居の場合でも、親との境界線を引くことは非常に大切なので、ぜひ他の記事も読んで参考にしてくださいね。
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