回避型なのに友達が多いことってあり得るのでしょうか?私も友達は多い方ですが回避型の特徴に当てはまっている気がします…。
この記事ではこんな疑問を解説します。
- 回避型愛着スタイルの人が友達を多く持つことは例外的。
- 広く浅い関係は回避型の人にとって自己防衛の手段となる。
- 表面的な関係は最終的に「孤独」を生み、回避型の性質を悪化させる要因にもなる。
回避型愛着スタイルの人は親密な対人関係を避ける傾向が強く、一般的には人付き合いを好みません。
しかし、中には「友達が多い回避型」の人も存在するのです。
この記事では
- 回避型愛着スタイルの特徴
- 友達の多い例外的なケース
- 自分が回避型かどうかの見極め
主にこの3点についてお話していきます。
回避型愛着スタイルとは?
回避型愛着スタイル(以後、回避型)は、親密な対人関係を避ける傾向が強い愛着スタイルの一つです。
他者との親密さに対する恐怖を抱き、感情的な距離を保つことで自己防衛を図るのが特徴です。
回避型は幼少期の親との関わり方に主な原因があるとされています。
特に親から
- 無関心
- 過干渉
を経験した子どもは、他者に対して信頼感が形成されにくくなり「他者に依存することを避ける」傾向が強くなります。
回避型の特徴についてもう少し見ていきましょう。
- 感情を表に出すことを避ける
- 自己開示を嫌がる
- 親密さが要求される場面で冷たくなる
これらの特徴により、回避型の人は「対人関係全般」において深い感情の共有を避けようとします。
また、他者と距離を置くことで、自分が傷つくリスクを最小限に抑えようともします。
回避型ついては以下の記事でくわしく解説しています。
関連記事:回避型愛着スタイルの特徴と恋愛への影響について回避型の人は基本的に人付き合いを嫌う
大前提として、回避型の人は基本的に人付き合いを好みません。
- 人と親密な関係になりたくない
- 他者の期待に晒されることを避けたい
- 他者に依存したくない
こうした考えを持つ回避型の人にとって、人付き合いは非常にストレスがかかるものです。
親密な関係は感情的な負荷が高いため、回避型の人はそれを避けるのが普通です。
「浅く広い人間関係」を構築する回避型の存在
しかし記事タイトルにもあるように、稀ではありますが、回避型の人の中には「友達が多い」人も存在します。
人付き合いを好まない回避型の人に友達が多い矛盾、一体なぜなのでしょうか。
それは
浅く広い関係交友関係を結ぶことで、特定の人と親密になるのを避けられるから
です。
つまり、浅く広い人間関係を構築することで
- 感情の共有の必要がない
- 他者から深く関与されない
- 交友関係の断絶が簡単
こうした交友関係を築くことができるのです。
つまり、他者に深く干渉されないための「自己防衛の手段」として浅く広い関係を選ぶということですね。
また、広く浅い関係を維持することで、対人関係での負担を軽減し「孤独感を和らげる」メリットもあります。
友達が多い回避型は「例外」だということ
一見すると、回避型の人でも友達が多いことは珍しくないように思えますが、実際にはそう多くはありません。
友達が多い回避型の人は典型的なパターンから外れているため、回避型の中では「例外」と言える存在でしょう。
人付き合いを避ける傾向が強い回避型にとって、広く浅いとはいえ、多くの友達を持つことは一般的ではないのです。
友達が多い回避型は女性に多い?
私がこれまでのカウンセリングで見てきた限り、友達が多い回避型の人は特に「女性に多い」という印象があります。
そしてこの友達の多さには「孤独感」も大きく関係しているように感じています。
恋愛には興味がないが、孤独を感じやすい女性と言えばいいでしょうか。
広く浅い関係を持つことで孤独感を緩和しようとしますが、実はこれらの行動はあまり意味があるとは言えません。
なぜなら、先程もお話したように孤独感で行動で繋がった関係は
「自己防衛のための表面的な関係」
でしかないからです。
表面的な付き合いを多く持つことで一見多くの友達がいるように見えても、そこに深いつながりはありません。
そのため当然、孤独感はそのまま残り続けてしまうのです。
また、必要なときに支えてくれる親密な友人がいないという現実に直面することで、回避型の特徴を強めてしまうこともあります。
「浅く広い関係」がさらなるストレスを生む
このような人々は
心の奥底で誰かとつながりたいという願望
を持ちながら、それを実現する恐怖から「浅い関係に依存」し続けてしまいます。
また実際には、表面的な関係を維持することはかなりの労力が必要で、これがストレスの原因になることがあります。
そして、対人関係のストレスが人間関係の不安定さを引き起こし、さらなる孤独感を生むことに繋がります。
もしあなたが「自分が回避型かどうか」で悩んでいるのなら
この記事を読んでいる方の中には
と悩まれている方もいるかもしれません。
そのような方に向けて、簡易ではありますが以下に回避型チェックシートを作成しました。
自分が回避型に当てはまるかどうか以下のチェックリストで確認してみてください。
- 感情を他者に共有することが苦手だと感じる
- 親密な関係を持つことにプレッシャーを感じる
- 自分は頼られるよりも自立していたいと感じる
- 広く浅い人間関係のほうが楽だと感じる
- 他者の期待に応えることに負担を感じることが多い
- 一人の時間が必要不可欠だと感じる
- 親密な場面になると無意識に距離を置く行動を取ってしまう
- 他人からの頼みごとに対して負担を感じる
- 過去に深い関係で傷ついた経験があり、それ以来親密さが怖くなった
- 表面的には社交的に見られるが、内心では孤独を感じることが多い
8つ以上当てはまる場合
あなたには回避型愛着スタイルの特徴が多く見られます。
親密さを避けることで自分を守ろうとする傾向がかなり強いと考えられます。
7つ未満の場合
回避型の特徴を持つこともありますが、それが強く影響しているとは限りません。
状況によっては親密さを避けることがある程度です。
自閉スペクトラム症(ASD)との関連性
回避型はその特徴から自閉スペクトラム症(ASD)との共通点が多いとされています。
ですので、回避型の特徴が当てはまる場合、自閉スペクトラム症(ASD)の可能性も考えられます。
そのため、自分で判断が難しい場合には、専門家に相談することをお勧めします。
専門家の支援を受けることで、自分自身の行動や感情の背景をより深く理解し、どのように対処すればよいかを学ぶことができるでしょう。
この記事のまとめ
- 回避型の人にとって多くの友達を持つことは珍しく、その背景には孤独感を和らげる目的がある。
- 広く浅い関係を維持することで一時的に孤独感を減らせるが、深い関係がないため長期的には孤独感が増す可能性が高い。
- 表面的な関係を維持することは心理的な負担が大きく、ストレスや孤独感の原因になる。
回避型愛着スタイルの人が友達を多く持つ背景には、自己防衛や孤独感の緩和という複雑な心理が隠れています。
この記事が、対人関係における新たな気づきと前向きな変化のきっかけとなることを願っています。
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