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「毒親への仕返し」に意味がない理由【本心は別にある】

毒親_仕返しに意味無し

これまで自分を苦しめてきた毒親に仕返ししたいです。仕返しすれば気持ちが楽になるでしょうか?毒親は反省するのでしょうか?

この記事ではこんな疑問を解決します。

 本記事の内容
  • 「毒親への仕返し」はあなたが傷つくだけ
  • 「仕返ししたい」と思うのは自分が救われたいから
  • 毒親への執着を捨てることが本当の仕返し
  • しん@心理カウンセラー
    しん@心理カウンセラー

    この記事はこれまで私がカウンセラーとして得た知見、加えて自身の毒親育ちの経験を元に深く解説していきます。

    こんにちは、心理カウンセラーのしん(@psynote__)です。

    先日、こんなツイートをしました。

    もし、あなたが今「毒親へ仕返してやりたい」と考えているのであれば一旦止まってください。

    この記事では「毒親への仕返しに意味がない理由」を解説します。

    毒親への仕返しがおすすめできない理由

    まず結論からお話しますね。

    あなたが今どれだけ毒親に怒りを感じていたとしても、毒親へ仕返しすることはおすすめできません。

    なぜなら

    「仕返しをしたい」という思考そのものが、毒親からの精神的な自立を阻んでしまう

    こうした理由があるからです。

    そしてもう一つ、あなたは本当に「毒親に仕返しがしたい」のでしょうか?

    「毒親を苦しめてやりたい」
    「毒親に仕返しをしてやりたい」

    毒親との過去を振り返る中で、こうした考えを持ってしまうことは私も毒親育ちの一人としてよく分かります。

    ですが多くの場合「毒親に仕返しをしてやりたい」というのは表面的な感情であり、この裏にはもう一つ別の感情が隠れています。

    それは

    「毒親が自分を傷つけていたこと」を認め、謝罪や反省してくれることを期待している

    ということです。

    つまりあえて毒親を困らせたり、傷つけることで、毒親の考え方や行動を変化させたいということですね。

    しん@心理カウンセラー
    しん@心理カウンセラー

    ですが、こうした条件付けで相手の感情や行動をコントロールするのは正しく「毒親」の行動であり、あなたは無意識に毒親の行動をマネようとしてしまっているのです。

    なぜ毒親に仕返しをしたくなってしまうのか?自分の心を見つめ直す

    毒親へ仕返ししたくなる心理の裏には、毒親に対する期待や願望が隠れているとお話しました。

    具体的な心情としては以下のようなものです。

    「親に謝らせたい」
    「親との関係で自分が主導権を握りたい」
    「親に過去の行いを悔いさせたい」

    あなたもこうしたことを考えたことがあるのではないでしょうか?

    しん@心理カウンセラー
    しん@心理カウンセラー

    自分のことを苦しめた親を、今度は自分が苦しめてやろうと思うのは極めて自然なことです。

    ですが、毒親に謝らせるにしろ、過去の行いを悔いさせたいにしろことはそう簡単には運びません。

    さきほど、毒親への仕返しには毒親に対する「期待」や「願望」が隠れているとお話しましたね。

    実際の所、毒親への仕返しは

    毒親に期待するたびに、毒親に裏切られる行為

    だと言いかえられます。

    そもそも、毒親があなたをコントロールしていたのは

    ・自分に欠陥があることが認められない
    ・自分が尊敬されない状況に耐えられない
    ・自分の弱さを子供に見せることができない

    毒親自身がこうした問題を抱えているからです。そして、それは今も昔も変わりません。

    つまり、あなたがいくら毒親に仕返しをしようとも、毒親が過去の行動を振り返り、自分が子供に行ってきた事を理解し反省する可能性はほぼゼロだということです。

    しん@心理カウンセラー
    しん@心理カウンセラー

    逆に「被害者」として子供を責める親もいるかもしれませんね。

    一言でまとめるならば「毒親への仕返し」というのは

    親にコントロールされる状況を、再び自分で作り出す行為

    ということになります。

    毒親から「精神的に自立する」とはどういうことか?

    毒親への仕返しは、毒親からの精神的な自立を阻むと初めにお話しました。

    では「毒親から精神的に自立する」とはどういうことなのでしょうか?

    書籍「不幸にする親」ではこのようにまとめられています。

    「精神的に家を出る」というのは、コントロールばかりする親や、傷ついた過去の出来事、家で演じなければならなかった役割などとの、非生産的で傷つく結びつきから、感情的に離れるということです。

    不幸になる親,ダン・ニューハース

    さきほど「毒親への仕返しは、結果として自分が親にコントロールされる状況を生んでしまう」とお伝えしましたね。

    つまり「非生産的で傷つく結びつきから、感情的に離れる」とは真逆の行動、考え方だということです。

    そして先程の文章はこのように続きます。

    それにより、あなたは自分の新しい側面を発見し、長い間コントロールされていたために分からなくなっていた個性を回復していくことができます。

    不幸になる親,ダン・ニューハース

    この言葉からも分かる通り

    「あなたがもう毒親のことを考えたくない」
    「二度と苦しめられたくない」

    と考えているのであれば、やるべきことは「仕返し」ではなく「親への希望を捨てる」ことなのです。

    親への執着を手放して初めて、本当の自分、あなたらしい人生を手に入れられるということです。

    毒親への仕返しを諦める。「親は変わらない」という現実と向き合うこと

    では毒親への仕返しを諦め、親への執着を捨てるにはどうすれば良いのでしょうか?

    これは到底一言でまとめられるものではないので、ここでは基本的な考え方のみを解説します。

    それは以下のようなものです。

    ・親の変化に期待・希望をもつこと
    ・親から認められたいと考えること
    ・「普通の家族」にはなれないのを認めること

    こうした希望や願望を全て捨て去ります。

    そして、親への執着を捨てる過程では必ず大きな苦痛がともないます。

    たとえ間違った結びつきだったとしても、あなたにとって親は親であり、家族の一員としての役割を放棄することは簡単なことではありません。

    しん@心理カウンセラー
    しん@心理カウンセラー

    分かっていてもなお「親を許せない!」と感じてしまう方もいるかと思います。そうした方向けの記事を下に貼っておきますね。

    >>関連記事:「毒親を許せない」のなら許さなくて良い理由【無理に許すのはNG】

    「絶縁」は最後の手段。ほかの仕返しとの大きな違い。

    ここまでお伝えした内容はすべて、今後も親との付き合いを続ける必要がある方向けのお話でした。

    ですが、中にはそうでない人もいるでしょう。

    毒親に対する最後の防衛策であり、人によっては唯一の解決策となるのが

    毒親との絶縁」

    です。

    「絶縁こそが最高の仕返しになる」という方もいますが

    「親を苦しめたい」
    「親を反省させたい」

    実際のところ、このような理由で「絶縁」を選ぶ人はほぼいないでしょう。

    大抵の場合、絶縁を選ぶのは「それが自分にとって幸せになる」と確信しているからであり、そうした意味では絶縁を選ぶ人の多くは「親からの精神的な自立」に成功していると言えます。

    とはいえ、絶縁したからと言ってすぐに親から植え付けられた「負の遺産」が抜けるわけではありません。

    ・リラックスしたり自然にふるまうことが苦手
    ・親しい人の愛情を試すようなことをしてしまう
    ・摂食障害やなんらかの依存症がある

    もしあなたが今もこうした問題を抱えているのであれば、焦らず癒やしていくことが大切です。

    この記事のまとめ

    [safe title=”この記事の重要ポイント”]
  • 「毒親への仕返し」は「毒親に対する期待の裏返し」
  • 「毒親への仕返し」は再び親にコントロールされる状況を作りだす
  • 親に対する希望を捨てた直後は、強い不安や怒りに襲われる
  • [/safe]

    今回は「毒親への仕返し」に意味がない理由について解説しました。

    毒親との関係を断つために絶縁という方法を選ぶ方は少なくありません。

    ですが、一番大切なのは親と距離を取ることではなく、親からの精神的な自立を果たし、過去をありのままに受け止められる強さを持つことです。

    それは決して楽な道ではありませんが、親との関係を「すべてかゼロか」で考えなくなった時こそ、あなたが毒親を克服したといえる時かもしれませんね。

    今回は以上です。

    1 COMMENT

    田淵清美

    ずーと悩んでかなりネットで自分の気持ちに会う内容を調べました。
    毒母親と長女については、すごく当たっています。妹が一人います。
    私が悩んでいたこと、不思議に思っていたことがすべて書いてあります。
    私は今61歳です。子供時代も子供らしく生きた記憶がありません。
    母親の機嫌ばかり気になって過ごしました。母は、私が44歳の時に他界しました。
    父は跡取りが欲しいから養子。しかし母はそうではなく、奴隷の私を手放せないから同居。結婚後も家から出してもらえず足に重い鎖が付いたままです。
    また母は、私がほとんど家事他用事をしているのに、毎日、近所の人に娘は「何にもしない」と娘の悪口を亡くなるまで言っていました。
    私は生まれてから母が他界した今も、母の奴隷状態です。
    モラハラ夫も納得です。出会った頃には想像もできないくらいのモラハラです。モラハラ夫は、毒母の家来。毒母とモラハラ夫で結論はいつも私が悪者でした。娘が二人いますが、母にとって孫なのに奴隷化しようとしていました。このことを阻止するのにかなりの気力で頑張りました。しかし娘はふとした時に毒母の影響で私に罵倒することがあります。

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