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「毒親」かどうかを判断する基準とは?【5つの基準から解説】

毒親の基準とは?5つ解説

自分の親が毒親に当てはまるのか分からない。毒親の明確な基準ってありますか?自分が間違っているのか親が間違っているのかハッキリさせたいです。

この記事ではこんな疑問を解決します。

 本記事の内容
  • 継続して子供にトラウマを与えるのが「毒親」
  • 衣食住を与える=毒親ではない、という思い込み
  • 親を「毒親」だと認めることが毒親克服の第一歩
  • しん@心理カウンセラー
    しん@心理カウンセラー

    この記事はこれまで私がカウンセラーとして得た知見、加えて自身の毒親育ちの経験を元に深く解説していきます。

    こんにちは、心理カウンセラーのしん(@psynote__)です。

    先日、こんなツイートをしました

    カウンセリングにて「自分の生きづらさの原因が親にあった」と気がつく方は珍しくありません。

    また「毒親」という言葉そのものは知っていても、具体的に「どういう親が毒親か?」と聞かれると悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

    今回はそんな「毒親の基準」について詳しく解説していきます。

    毒親の基準とは?毒親と普通の親を分ける決定的な要素

    毒親と毒親ではない親を分ける決定的な差とはなんでしょうか?

    その答えは

    「繰り返し日常的に子供にトラウマを与えているかどうか」

    だと私は考えています。

    まず、大前提としてこの世に完璧な親は存在しません。

    どの親にも必ず欠点はありますし、間違った子育てをしてしまうことも時にあるでしょう。

    ですが、親と子の間に基本的な信頼関係があれば、多少の間違いは大きな問題にはなりません。

    毒親というと

    「暴力をふるう」
    「食事を与えない」

    など、子供を虐待する親を想像してしまいがちですが、実はそれだけではありません。

    しん | 心理カウンセラー
    しん | 心理カウンセラー

    綿で首をしめるかのごとく、ゆっくりゆっくり子供に毒を与えていく親もいます。次の章から具体例を挙げて解説していきますね。

    あなたの親は毒親だった?基準となる毒親の要素5つ

    自分の親は毒親じゃないよ。問題もあったけどそれなりに良い家庭だったと思うし…。

    自分の親が毒親か毒親でないかを見極めるのは簡単ではありません。

    なぜなら、毒親に育てられたことで

    「事実の否定」
    「過去の正当化」

    毒親に育てられた人の頭の中では、こうした無意識の「自己防衛」が行われている可能性が高いからです。

    では、あなたの親はこうした特徴を持っていなかったでしょうか?

    ・あなたに対し否定的な言葉で罵ったり、人としての価値を貶めることを言った
    ・あなたが自分らしさを出そうとすると不機嫌になった
    ・親の機嫌によってあなたに対する接し方がコロコロ変わっていた
    ・親の面倒や兄弟の面倒ごとをあなたに押し付けていた
    ・小さなことで癇癪をおこし、あなたに暴力をふるった

    どうですか?こうした特徴はあくまで一例ですが、どれも代表的な毒親の特徴の一つです。

    そしてこれらの特徴をまとめると、以下のような基準が浮かび上がります。

    【基準1】子供を傷つけている自覚がない
    【基準2】子供をコントロールする
    【基準3】子供に愛を与えようとしない
    【基準4】親としての「義務」を果たさない
    【基準5】暴力をふるう

    しん | 心理カウンセラー
    しん | 心理カウンセラー

    全ての基準に当てはまる必要はなく、どれか一つでも当てはまれば十分「毒親」だと考えて下さい。

    では、これらの基準を順に詳しく解説していきます。

    【毒親の基準1】子供を傷つけている自覚がない親

    言葉の暴力は、肉体的な暴力と同じくらい子供を傷つけます。

    「周りの子はみんなできてるのになんで◯◯は出来ないの?」
    「〇〇は橋の下で拾ってきた子供だからね〜」
    「◯◯はいつも泣いてばっかり。嘘泣きしてるんじゃない?」

    暴力でつけられた傷は肉眼で確認できますが、言葉の暴力の傷は外からは見えないため、あなたがどれだけ苦しんでいたかを親も含め、周囲の人は理解していません。

    「見た目」
    「能力」
    「人としての価値」

    子供を傷つけている自覚のない親」は、子供が反撃してこないことをいいことに、こうした内容をタネに執拗に子供を攻撃します。

    こうした親は、自分の言葉には「悪意がない」=「笑いの一部」だと捉えているので、子供を傷つけているという罪悪感を一切もちません。

    しん | 心理カウンセラー
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    ですが、子供には親の言葉が「笑い」なのか「本音」なのかの区別はつきません。


    小さい子供にとって親の言葉は絶対です。

    親に言われた言葉が繰り返し心に刻まれることで、子供はそれが事実なのだと錯覚してしまいます。これを「内面化」といいます。

    この記事を読んでいる方の中には、内面化の苦しみから親の過去の行いを責めた方もいるかもしれませんね。

    このタイプの毒親は、子供に過去のことを責められると

    「なんで親に向かってそんなことを言うの?」
    「いつまでも昔のことをグチグチ言うもんじゃないよ」
    「あなたも傷ついたかもしれないけど、お母さんだって傷ついていた」

    など、子供を傷つけてきたという自覚がないために、自分の否を認めることを拒否します。

    また昔の記憶であることをいいことに「あれはお前のためを言っていたんだよ」と過去をまるごと正当化することもあります。

    しん | 心理カウンセラー
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    このケースでは「母親」に悩む「娘」からのご相談が圧倒的に多いですね。基準2の「コントロールする親」を併発している可能性が極めて高いのが特徴です。

    >>「自覚のない毒親」に苦しめられているあなたへ

    【毒親の基準2】子供をコントロールする親

    ある年齢までは、子供が健全に成長できるよう親が子供をコントロールするのは当たり前のことです。

    ですが、毒親の中には子供が大人になっても、子供をコントロールするのをやめられない親がいます

    こうした「コントロールする親」に育てられると以下のような悪影響が子供に出ます。

    「自信が育ちにくい」
    「自分の望みや意見を持つことができない」
    「一人ではなにも出来ないように感じる」

    親が子供をコントロールしたがるのは子供が心配だからではありません。

    親自身に子供に見捨てられる不安や恐怖心があるため、子供をコントロールすることをやめられないのです。

    子供をコントロールする手段は家庭によって異なりますが、よくある方法としては

    ・暴言
    ・暴力
    ・衣食住
    ・金銭

    これらを使ってコントロールすることが多いですね。

    しん | 心理カウンセラー
    しん | 心理カウンセラー

    ひとことで言うならば、なんらかの「脅し」によって子供をコントロールしているということです。

    コントロールする親は、子供が思春期に入り、ひとりで生きていく強さを身に着ける過程で「見捨てられたような気持ち」を持ちます。

    つまり「親」というアイデンティティを失って、自分が必要とされなくなることに耐えられないということです。

    そして「コントロールする親」の問題を更に難しくするのは

    外から見ると「教育熱心」や「子供好きの親」と見られることが多い

    ということです。

    こうした周囲の評価と実際の親とのギャップが更に強く子供を苦しめます。

    また「コントロールする親」は子供のやりたいことではなく、自分がして欲しいことを子供に強制させます。

    なぜならコントロールする親にとって、子供の人生は親の人生の延長線上にあるものだからです。

    あなたの親は

    ・進学
    ・就職

    ・恋人
    ・結婚相手

    なにかとあなたが決めたことに口を出してきませんでしたか?

    一見、子供の自由を尊重させているように見えて、子供の選択に口を出し続けるのが、コントロールする親の特徴です。

    また、コントロールする親に対し「怒り」を溜め込んだまま大人になると、親と同じように無意識に人をコントロールしてしまうといった弊害が現れます。

    また、あまりにも強くコントロールされると家族以外の社会に対して不安や恐怖心が過度に強まり、親から離れられない「共依存」的な生き方を招くこともあります。

    しん | 心理カウンセラー
    しん | 心理カウンセラー

    コントロールする親への怒りから、あえて「親が望まない選択」を取り続け、自分で自分を壊すような人生を送ってしまう人もいますね。

    【毒親の基準3】子供に愛を与えない親

    このタイプの親をひとことで表すと「子供と心を通わせられない親」ということになるでしょう。

    ・機嫌が悪くなると子供を無視する
    ・無理やり理由を見つけて子供を叱る
    ・子供が楽しそうにしているとイライラする

    こうした親は「愛情」を子供を操る道具として使います。

    子供は、親が望む行動をした時にしか愛情をもらえないので、結果として「親の言いなり」になってしまうのが特徴です。

    「親の言うとおりに行動しないと生きていけない…」
    「親に怒られないようにいい子にしないと…」
    「親の望みに応えられるよう努力しないと…」

    こうした「〜しなければならない」といった「強迫観念」を持っているので、家にいても心が休まる時が全くありません。

    本来であれば、子供は子供と言うだけで親から無条件に愛される存在であるはずです。

    ですが、このタイプの親のように「条件付きの愛情」で育てられた子供は

    「人間の愛=不確かなもの」

    だと考えるようになります。

    そのため、大人になっても他人と心を通わせるのが難しく、人間関係、特に恋愛面や結婚生活で苦労します。

    >>回避依存症とは?回避依存症の特徴や原因、考え方【経験者が解説!】

    苦労する一方で、自分を追い込む「強迫観念」によって勉強や就職などでは一流の結果を残す人も少なくありません。

    とはいえ、どれだけ成功を収めたとしても心の中は満たされないままなので

    「自分がなんのために生きているのか分からない」
    「常に孤独を感じる」

    こういった思いが強く、うつ病やアルコール依存などのアディクション(中毒)を引き起こしやすい状態だといえます。

    しん | 心理カウンセラー
    しん | 心理カウンセラー

    「コントロールする親」は比較的母親に多いタイプで、「愛情を与えない親」は父親に多いタイプと言えるかもしれません

    【毒親の基準4】親としての義務を果たせない親

    記事の冒頭でもお話したとおり、親としての義務は単に衣食住を与えればOKというわけではありません。

    「自分の人生には価値があるものだ」

    と子供が感じてくれるよう育てることもまた、子を持つ親の義務だと言えるでしょう。

    だが、毒親の中にはこうした「親としての義務」が果たせない親がいます。

    こうした親は、親としての義務を果たせないばかりか、本来、親が負う責任ですら子供に押し付けていることも珍しありません。

    「お母さんはあなたのために夢を諦めたのよ」
    「身体の悪いお母さんのためにお前が助けてあげて欲しい

    「弟妹の世話をするのは姉として当然でしょ」

    こうした言葉から分かるのは、親自身が大人になりきれていない、つまり自分の人生の責任を取ることができていないまま親になったということです。

    しん | 心理カウンセラー
    しん | 心理カウンセラー

    例えば、親が子供を産むために夢を諦めたのは親の選択であって、子供が自分が生まれる前から「そうして欲しい」と頼んだ訳ではないですよね?産むことを選択したのは親で、その責任は子供ではなく親にあります。

    また、親の精神が未熟なために

    ・夫婦の不仲
    ・仕事のストレス


    子供とは全く関係のないストレスを発散する、怒りのはけ口として、子供が身代わりになってしまうことも少なくありません。

    当然子供は親のために問題を解決してあげようと必死に努力します。

    ですが、大人が解決できていない問題を子供が解決できるわけがないのです。

    しかし、その結果として子供は

    「自分はなにをやってもダメだ…」
    「家族仲が悪いのは自分のせい…」
    「もっと努力しないと…」

    こうした誤ったセルフイメージを持ちながら成長することになります。

    また、子供が親の責任を肩代わりする状況が長く続くと、親の要求が「自分の意思」であるかのように錯覚してしまうことも問題です。

    しん | 心理カウンセラー
    しん | 心理カウンセラー

    これは「親や家族を助けているのは自分の意思だ」と思い込まないと、「親は自分を愛していないかもしれない」という、子供にとってはあまりに辛する現実に直面してしまうからです。


    もしあなたが今もまだ、なにをやっても「不十分」に感じてしまうなら、それは親に責任を押し付けられていたからかもしれません。

    【毒親の基準5】暴力を振るう親

    まず大前提として「暴力」はどんな理由があろうとも許されません。

    ですが、なぜか自分の子供に対してだけは「教育」だと考える親も少なくありません。

    「昔は暴力が当たり前だった」
    「痛みを知るからこそ分かることもある」
    「子供に向き合っているからこそ手が出る」

    あなたもこうした言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

    しかし、大多数の親は子供に暴力をふるいたくなっても、理性の力でそれを止めることができます。

    つまり暴力をふるう親は

    自分をコントロールする力

    が非常に弱いということです。

    自分のその時の感情が全てで、自身の行動が「子供にどういう影響を与えるのか」を考えることができません。

    また暴力をふるう親は、親自身が暴力を受けて育っていたり、アルコール依存の家庭で育っていることが多く

    「お前の将来のために叩いている」
    「お父さんもこうやって育てられた」
    「いつか叩かれた意味が分かる時がくる」

    などの言葉で、自身の行動を正当化しようとします。

    ですが、こうした言葉は子供に暴力をふるったことに対する自身の「罪悪感」を減らしたいだけで、真に子供のことを思って言っているのではありません。

    ではなぜこうした親は理性を抑えられず、子供に暴力をふるってしまうのでしょうか?

    しん | 心理カウンセラー
    しん | 心理カウンセラー

    少し難しく感じるかもしれませんが、精神が未熟な親にとって、子供は子供でなく「自分を満たしてくれる存在」なのです。


    自身が子供らしい子供時代を送れなかったために、子供が無邪気にはしゃいでいたり、自分の思い通りに動いてくれないと、自身の抑圧してきた怒りを抑えられなくなります。

    暴力を止めない配偶者について

    一方の親が暴力をふるい、もう一方の親もまた暴力を止めようとしないことがあります。

    この状況になると子供は更に悲惨な状況へと追い込まれます。

    「親は自分を見捨てた…」
    「自分なんてどうでもいい存在なんだ…」

    人に対する基本的な信頼感が育まれないまま成長すると、大人になった後に人間関係や仕事など、さまざまなところでトラブルを抱えやすくなります。

    毒親とどう接するべきか。今後の対応の仕方

    「自分の親は普通だと思っていたけど当てはまることばっかりだった」

    「毒親だと分かって心の中のモヤモヤが晴れた」

    「自分の過去を思うと親に対する怒りが抑えられない…」

    ここまでの文章を読み、初めて自分の親が毒親だと気がついた方。改めて親に対する怒りや悲しみが湧いた方。色々な方がいると思います。

    ここで一つあなたにお伝えしたいのは

    今あなたが抱えている感情を親にぶつけても、おそらく良い結果は生まれない

    ということです。

    毒親を克服するためには、まず第一に親から離れること。

    過去のトラウマと向き合うためにも、まずはあなたが落ち着く状況を作る必要があります。

    しん | 心理カウンセラー
    しん | 心理カウンセラー

    もし仮に物理的に親から離れられない環境であっても「精神的に家を出る」ことができます。

    「親元を離れているのに親に支配されていると感じる」
    「自分らしい人生を送れていない気がする」
    「人間関係にトラブルを抱えやすい」
    「毒親を自分の心から切り離して自由になりたい」
    「親のトラウマによって恋愛がうまくいかず悩んでいる」

    もしあなたがこうした悩みを今も抱えているのであれば、下の記事を参考に行動してみて下さい。

    *現在執筆中

    この記事のまとめ

    最後にこの記事の内容をまとめます。

    まず毒親とは「繰り返し継続して子供にトラウマを与える親」のことです。

    そして毒親の5つの基準です。

    【基準1】子供を傷つけている自覚がない
    【基準2】子供をコントロールする
    【基準3】子供に愛を与えようとしない
    【基準4】親としての「義務」を果たさない
    【基準5】暴力をふるう

    毒親について、この基準の内、どれか一つだけに当てはまるということは殆どありません。

    また、あなたの親に当てはまる部分もあればそうでない部分もあったと思います。

    最終的には基準に当てはまるかどうかではなく「今あなたが苦しい思いをしているか」が重要です

    しん | 心理カウンセラー
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    もし今あなたが「親を責めてはいけない」と感じたのなら、その考え方そのものが毒親によって植え付けられたものかもしれません。


    毒親を克服する第一歩は、自分の親が毒親だったと認めることから始まります。

    克服のために、ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。

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