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恐れ・回避型愛着スタイルの特徴や改善方法、恋愛への影響

心理カウンセラーが解説、恐れ・回避型愛着スタイル、その特徴と恋愛への影響

「恐れ・回避型」という言葉を聞いたのですがいまいちピンときません。どのような特徴を持つ人なのかを教えて下さい。

この記事ではこんな疑問を解説します。

この記事の内容
  • 恐れ・回避型愛着スタイルは、他者との親密な関係を避けつつも、深い愛情を求める複雑な行動パターンが特徴。
  • 恋愛や対人関係において距離を取る傾向が強く、特定の相手との関係を不安定にしがち。
  • 克服には自分の感情や行動を理解した上で、専門家の支援や安定したパートナーシップを育むことが重要。

近年、恋愛や対人関係において「愛着理論」や「恐れ・回避型愛着スタイル」という言葉が、多くの場面で注目を集めています。

この記事では

  • 恐れ・回避型愛着スタイルとは何か
  • 特徴や恋愛や対人関係に与える影響
  • 克服するための方法

これらについて、できる限り分かりやすく解説していきます。

あなたが抱えている悩みに対処するためのヒントや解決策がこの記事で見つかることを願っています。

愛着スタイルとは?

「愛着スタイル」の概念である「愛着理論」はイギリスの心理学者ジョン・ボウルビィによって提唱されました。

愛着理論を一言でまとめるならば

幼少期における養育者との関係が、その後の対人関係や人生全般にどのような影響を与えるか

になるでしょう。

例えば、両親との関係が安定していれば、子どもは安心感を持ち、他者との信頼関係を築きながら自立した大人へと成長します。

しかし、反対に両親との関係が不安定であった場合、子どもは不安や他者との親密さを避ける傾向を持つことがあります。

これが、後に「不安型愛着スタイル」や「回避型愛着スタイル」へと繋がっていくのです。

しん | 心理カウンセラー
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さらに、この愛着スタイルは大人になってからの恋愛や友情にも大きく影響を与えます。

自分の愛着スタイルを知ることは、対人関係の問題に対処するためにとても重要です。

愛着スタイルの分類

愛着スタイルは、大きく分けて

  • 安定型
  • 不安定型

の2つに分けることができます。

安定型の人は、幼少期に両親と一貫した信頼関係を築くことができたため、大人になっても他者を信頼し、安心して深い関係を築くことができます。

彼らは自立心が強く、他者と健全な依存関係を保つことができ、恋愛や対人関係において安定した行動を取れます。

一方、不安定型の愛着スタイルを持つ人は、幼少期に一貫性のない愛情を受けたことが原因で、不安や恐れを感じやすくなります。

この不安定型はさらに3つのタイプに分類されます。

  • 不安型: 他者からの承認や愛情を強く求め、見捨てられることを常に恐れるスタイル。
  • 回避型: 他者との親密な関係を避け、感情的な距離を取ろうとするスタイル。
  • 恐れ・回避型: 他者との関係を望みながらも、強い恐怖心からそれを避けようとする、非常に複雑なスタイル。

では、この恐れ・回避型愛着スタイルの具体的な特徴ついて詳しく見ていきましょう。

恐れ・回避型愛着スタイルの特徴

恐れ・回避型愛着スタイルの人は、「他者との親密な関係を強く望む一方で、同時に深い恐怖を感じる」のが特徴です。

彼らは

愛されたい気持ちを抱きながらも、幼少期のトラウマや不安から他者に近づくことを避ける

という複雑な心理状態にあり、いざ親密な関係に進展すると

「自分が傷つけられるのではないか」

という強い恐怖心が湧き上がり、急に冷たい態度を取ったり、音信不通になるなど、相手から距離を取ろうとします。

また、彼らは「見捨てられることへの不安」を強く抱えているのも特徴で、恋人の愛情を疑うことが少なくありません。

このように「他者を強く求める感情」と「親密さに対する恐怖」が相反することで、結果として対人関係において安定感を欠くことになります。

なぜ恐れ・回避型愛着スタイルが生じるのか?

恐れ・回避型愛着スタイルが生じる理由として最も多いのは

幼少期に親から一貫した愛情や安心感を得られなかった

になるでしょう。

  • 過度に厳しい
  • 冷淡
  • 過干渉・過保護

親の性格がこれらに当てはまる場合、子どもは愛されたいと感じながらも、同時に「愛されることへの不安や恐れ」を抱くようになります。

さらに、親が時に優しく接したかと思えば急に冷たくなるなど

  • 一貫した愛情がない親
  • 感情の起伏が激しい親
  • 気分で発言が変わる親

こうした親の元で育つと、子どもは他者との親密な関係に対して「不確かさ」を覚えるようになります。

また、当然のことながら、これらに加えて「虐待やトラウマとなる出来事」を経験した人は、更に強く他者に対してより強い恐れや警戒心を抱くようになります。

こうした環境下で幼少期を過ごすことで、子供は信頼や親密さを学ぶことができず、結果として「恐れ・回避型」の行動パターンが形成されるのです。

しん | 心理カウンセラー
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一部の研究では、愛着スタイルには遺伝的な要因も関係しているとされていますが、ここではその詳細については割愛します。

恐れ・回避型愛着スタイルと回避依存症は同じ?

結論から言うと、恐れ・回避型愛着スタイルがそのまま「回避依存症」を意味するわけではありません。

恐れ・回避型愛着スタイルは、幼少期に形成された愛着パターンが、成人期における対人関係や恋愛にどのように影響を与えるかを説明したものだからです。

一方で回避依存症という言葉は「恋愛面のみ」に着目する考え方。

とはいえ、これら2つの間には「心理的な背景に多くの共通点」があることも事実です。

しん | 心理カウンセラー
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少しややこしいですよね。

あなたの恋人が恐れ・回避型で、相手の行動に悩んでいるのであれば、回避依存症について学ぶことは非常に意味のあることです。

さらに詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。

【関連記事】『回避依存症』って?原因や特徴、タイプごとの性格について。元・回避依存症が徹底解説します

恐れ/回避型スタイルがもたらす恋愛や人間関係への影響

ここまで、恐れ・回避型の人は恋愛や友情において親密な関係を避ける傾向が強いことをお話しました。

しかし、ここではさらに、恐れ/回避型の人が生きづらさを感じる要因となる3つの重要な特徴について解説します。

  • 「見捨てられ不安」による過剰な反応
  • 感情の不安定さ
  • 一貫性のない愛情表現

順に見ていきましょう。

「見捨てられ不安」による過剰な反応

恐れ・回避型の人は、見捨てられることへの強い恐怖を抱いており、相手の行動に対して過剰に反応します。

友人や恋人が少しでも自分から距離を取ったと感じると、突然感情的な行動に出ることもあります。

特にこの「見捨てられ不安」は恋愛面にて顕著に現れ、相手にすがるような姿勢を見せたかと思えば、自分の思いが通らないと見ると、唐突に怒りを爆発させることもあります。

感情の不安定さ

恐れ・回避型の人の感情は非常に不安定です。

幼少期に両親との間で適切な感情表現を学べなかったため、感情をうまく表現できず

  • 突然の怒り
  • 無関心
  • 過度な依存

などを見せることがあります。

こうした行動は極端になりがちで、結果として相手に「不安」や「不信感」を抱かせてしまい、信頼できる人間関係を築くことが難しくなります。

一貫性のない愛情表現

感情の不安定さは行動にも現れ、特に愛情表現に顕著に表れます。

過剰とも思える愛情表現をしたかと思えば、突然連絡を絶ったりと、依存と逃避を交互に繰り返すことが多く、相手を疲れさせます。

特に相手が不安型の愛着スタイルを持っている場合「共依存」が生じやすく、不健全な関係が作られてしまうのが特徴です。

恐れ・回避型の行動の多くは「自己防衛」によるもの

恐れ・回避型の人の行動の多くは、幼少期の「傷ついた経験」や「拒絶された体験」に深く根付いています。

過去のトラウマを思い出させるような状況が生じると、自分を守るために「自己防衛」が働き、傷つくリスクを最小限に抑えようとする行動が出ます。

:幼少期に親に見捨てられたと感じた人は、他者に対して常に裏切りや見捨てられる恐怖を抱く。この恐怖によって、相手との距離を保ち、自分が傷つかないように恋人に対してあえて冷たい態度を取る。

今挙げた例は一例で、恐れ/回避型の人は時に非常に「攻撃的」な反応を見せることもあります。

これは、相手が自分に批判的だと感じた瞬間の過剰反応によるもので、「自分を傷つける可能性がある人を許せない」といった心理背景があります。

またそれ以外にも、相手に見捨てられる前に自分から関係を終わらせようとする行動などもよく見られます。

しかし、自分から関係を終わらせて翁が、その後時間が経つと相手への気持ちが戻り、再び依存するまでがセットになるケースが大半です。

恐れ・回避型の克服方法と改善について

この章では自身の恐れ・回避型の克服方法と改善についてお話しします。

しん | 心理カウンセラー
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パートナーの恐れ・回避型の改善については次の章で触れていきます。

恐れ・回避型の克服の第一歩は

自分の行動パターンや感情を認識すること

になります。

なぜ自分が他者との親密な関係を避けているのか、または自己防衛的な行動を取ってしまうのか。

その理由を自分自身で理解しようとすることが、改善に向けた非常に重要なステップになります。

ただし、このプロセスには「痛み」を伴います。

これまでお話ししたように、恐れ/回避型の原因になるのは幼少期のトラウマが原因にあるからです。

しん | 心理カウンセラー
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誰でも過去のトラウマを思い出すのは辛いものです。

しかし、このトラウマに向き合い、自身の「自立心」を高めていくことで初めて、克服への道が開かれます。

また、恐れ・回避型の改善にあたっては「安定型」の人との関わりも非常に重要です。

恐れ・回避型の人は、その性質上、不安型の人とのコミュニケーションがどうしても増えてしまうのですが、安定型の人と関わることで、自然な形で

  • 信頼
  • 他者との健全な境界線

を学ぶことができます。

また、克服にはどうしても時間がかかるため、急激な変化を期待してはいけません。

過去のトラウマに向き合いながら、ゆっくりと自分自身を認めていくことが何より大切です。

恐れ・回避型の恋人と向き合うあなたへのアドバイス

恐れ・回避型の恋人との関係に悩んでいる方は、決して少なくありません。

そして先程もお話したように、恐れ・回避型は「回避依存症」との強い関連があります。

あなたが「恐れ・回避型」、または「回避依存症」のパートナーの行動に悩んでいる場合は、問題解決のために

  • 専門的な知識
  • 正しい付き合い方

を学ぶことが非常に有効です。

もし、あなたが恐れ/回避型の恋人の行動に振り回されているのであれば、私が書いた記事

は非常に参考になるはずです。ぜひ、以下のリンクからご覧ください。

【関連記事】回避依存症の彼との幸せな関係の作り方

この記事のまとめ

この記事の内容
  • 恐れ・回避型の人は、他者に対するトラウマや恐怖心から無意識に関係を遠ざけてしまう。
  • 恋愛や人間関係における問題は、自己防衛の一環であると理解すると、対処がしやすい。
  • 解決には時間がかかる。専門家の支援や安定したパートナーシップが、改善のカギになる。

恐れ・回避型愛着スタイルの克服には時間が必要ですが、正しい理解と向き合い方を持つことで、関係を改善することができます。

この記事が、あなたの悩みを解決するための一助となれば幸いです。

しん | 心理カウンセラー
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