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心の拠り所:大切な人の『安全基地』になれる人の特徴

心理カウンセラーが解説、大切な人の心の拠り所、安全基地になるには?

「安全基地」という言葉を始めて知りました。私も大切な人の安全基地になれるのでしょうか?コツや気をつけるべきポイントを教えて欲しいです。

この記事ではこんな疑問を解説します。

この記事の内容
  • 安全基地の存在は、相手に安心感を与え、信頼関係を築くための土台。
  • 特に不安型や回避型パートナーが自分らしく成長できるためには、安全基地が不可欠。
  • 長期的な安全基地を維持するためには、自分自身の安定が重要。


あなたは「安全基地」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

これは相手に「安心感」や「信頼」を与える存在を指す言葉です。

この記事では、安全基地となるための具体的な方法や、信頼関係を長期的に維持するためのポイントについて解説します。

また、回避型・不安型のパートナーに対しても、どのように対応すれば良いかが分かるでしょう。

安全基地とは?

「安全基地」を一言で言うと、他者からのサポートや安心感を得られる「安全な心の拠り所」になります。

この言葉は、イギリスの心理学者ジョン・ボウルビーが提唱した「愛着理論」に基づいています。

安全基地は

パートナーが不安を感じたときに、感情的な安定をもたらしてくれる存在

であり、また、安心して戻ってこれる場所でもあります。

しん | 心理カウンセラー
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もう少しカジュアルに言うと「ただ一緒にいるだけでとても安心できる人」になります。

安全基地が持つ特徴と役割

安全基地を考える上で最も重要なのは

  • 「信頼感」
  • 「安心感」

です。

これはつまり、

「相手がどんな状況でも、常に頼れる存在である」

ということが非常に大切なのです。

しかし、安全基地はただ安定した関係性を提供するだけの存在ではありません。

むしろ、その関係を通じて「パートナーが自由に自分を探求し成長できる場所」であることも求められます。

もう少し分かりやすく言いますね。

つまり安全基地があるおかげで

その人が自分らしく生きられること

これが安全基地の一番の役割です。

しん | 心理カウンセラー
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たとえば、仕事でストレスを感じた時も、家に帰れば安心してリラックスできる存在がいるというのは、典型的な「安全基地」のシチュエーションです。

そして、安全基地の存在は恋愛関係に限らず、家族や友人、同僚など日常的な人間関係すべてに関係しています。

「安全基地」が恋愛や対人関係において重要な理由

さきほど、安全基地は「信頼」と「安心感」を築くための基礎となる存在だと説明しました。

パートナーが安全基地を感じることで、他人との信頼関係を築きやすくなり、結果としてその関係は長期的に安定しやすくなります。

さらに、パートナーが不安や恐怖を感じる状況でも、戻れる安心できる場所があることで、精神的な安定が保たれやすくなります。

安全基地がないとどうなるのか?

安全基地がない場合、まずパートナーは不安を感じやすくなります。

その結果、不安型回避型といった愛着スタイルが強まります。

しん | 心理カウンセラー
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「不安型」や「回避型」との関係については後ほど詳しく解説します。

安全基地を持てないことで、頻繁に相手の愛情を確認したり、逆に相手からの接触を避けようとする行動が現れ、関係が不安定になってしまうのです。

安全基地があるからこそ自分の価値に気がつける

安全基地は安心して自分の気持ちや考えを表現できる場所です。

パートナーが

「自分の意見を受け止めてもらえている」

という安心感を感じられることで、自己肯定感が育まれ、これによって自分自身の価値を見出しやすくなります。

つまり、安全基地があることで、自然と自分を大切にできるようになるのです。

心の拠り所「安全基地」となるための条件とは?

ここまでで、安全基地の大切さを説明してきましたが、次は実際に「安全基地」になるための条件について解説していきます。

安全基地になるための条件として大切なポイントは5つあります。

  • 相手に寄り添う姿勢を見せる
  • 冷静な対応を心がける
  • 自分の軸をしっかり持つ
  • 相手をコントロールしようとしない
  • 行動と言葉に一貫性を持つ

それでは、順に解説していきます。

相手に寄り添う姿勢を見せる

まず、相手の話をただ聞くだけでなく、相手の気持ちに共感することが非常に大切です。

「うん、そうだよね」
「それはつらいよね」

といった言葉で、相手の感情を理解していることを伝えることで、相手は

「この人は私の気持ちを理解してくれている」

と感じるようになります。

批判やアドバイスは控え、まずは「相手の感情に寄り添う姿勢」を持つことが、安全基地になるための第一歩です。

冷静な対応を心がける

次に、安全基地になるためには、たとえ相手が感情的になったとしても、自分が冷静でいられることが重要です。

「どんなに自分が取り乱しても、あなたが落ち着いていてくれるから安心できる」

という信頼を相手に持ってもらうことで、安全基地としての役割を果たすことができます。

もし感情的になりそうな時は

  • 深呼吸をする
  • 一度その場を離れる
  • 連絡を中断する

など、自分自身も感情的にならないように心がけることがポイントです。

自分の軸をしっかり持つ

相手のために尽くすことも大切ですが、自分の価値観や信念をしっかり持つことも、相手に安心感を与える上で重要な要素になります。

「この人は自分を大切にしているから、私も安心できる」

と相手に感じ取ってもらうことで、安心感に繋がります。

相手に流されず、時には自分の意見をしっかりと伝えることも大事です。

相手をコントロールしようとしない

パートナーを縛ろうとしたり、相手の行動を細かく管理しようとすると、関係は窮屈になります。

相手の自由を尊重し、相手が自分らしくいられるようにサポートするからこそ、相手は

「この人といると安心できる」

と感じるのです。

相手をコントロールせず自由を与えることで、あなたへの信頼が高まります。

行動と言葉に一貫性を持つ

言葉だけでなく、行動も一致させることが安全基地には大切です。

たとえば

「大丈夫だよ」
「気にしてないよ」

などと言っておきながら、その後に冷たく接してしまうと、相手は混乱し、せっかく育てた信頼感も薄れてしまいます。

約束を守ったり、日常の小さなことでも誠実な態度を示すことで「この人は信頼できる」と相手に感じてもらえます。

回避型・不安型愛着スタイルにおける「安全基地」の重要さ

まず簡単に回避型・不安型について説明しますね。

回避型や不安型は愛着スタイルの一つで、冒頭でお話したイギリスの心理学者ジョン・ボウルビーが提唱した「愛着理論」に基づく考え方です。

  • 回避型:親密な関係を避け、距離を保とうとする傾向が強い愛着スタイルです。
  • 不安型:相手に対して常に不安や依存を感じ、頻繁に安心感を求める愛着スタイルです。

回避型の場合

回避型の人は「親密さを避ける傾向」があります。

しかし、安全基地が存在することで、相手は自分のペースで徐々に人との信頼関係を学び、最終的には安全基地以外の人とも信頼を深められるようになります。

安全基地を信頼できることで、結果的に他の人に対しても信頼感を持てるようになります。

不安型の場合

不安型のパートナーは「相手に対する不安や心配が強い傾向」があります。

しかし、安全基地がいることでその不安は和らぎます。

また、不安型のパートナーに対しては、定期的に安心感を与える行動や言葉が効果的です。

「いつでもそばにいるよ」
「離れていかないよ」


これらを言葉や行動で示すことで、次第に愛情を試すような行動が減っていき、次第に不安からの束縛も緩和されていきます。

つまり「無条件の受容」が大切

どちらのタイプのパートナーに対しても

「自分がどんな感情を持っても受け入れてもらえる」

という「無条件の受容」が安全基地の根幹になります。

これにより、相手は自分の感情に安心して向き合えるようになり、安定した関係を築くことができます。

また、批判せずに受け入れることで、相手は自分の感情をありのままに表現できるようになります。

しん | 心理カウンセラー
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とはいえ不安型や回避型の人の安全基地になることは決して簡単ではありません。

パートナーがどの愛着スタイルであれ、相手の特徴を理解し、その時々に応じたサポートを提供することが重要になります。

決まり切った形、いわゆる「杓子定規」のようなコミュニケーションではなく、臨機応変に相手のペースに合わせた安全基地を提供することが求められるのです。

安全基地を維持するための心構え

実は一時的に安全基地になることはそれほど難しいことではありません。

しかし、本当に難しいのは「安全基地を長期的に維持する」ことにあります。

安全基地を維持するためのポイントを押さえることで、安定した信頼関係を築き続けることができるでしょう。

  • 無理をしないこと
  • 境界線を大切にすること
  • 相手に自身の感情を共有すること

それでは、この3つについて順に解説していきます。

無理をしないこと

まず、相手にとっての安全基地であり続けるために大切なのは「自分を犠牲にしない」ことです。

むしろ、安全基地としての役割を果たすには「自分自身が安定している」ことが最も重要です。

自分が疲れてしまうと、相手にもその影響が必ず出てしまいます。

そのため、長期的に安全基地でいるなら自分の時間や心の余裕を大切にすることは欠かせません。

境界線を大切にすること

安全基地はいつでも頼れる存在である一方で、「相手の精神的な自立を促す存在」だとお話しました。

そのため、どこまで手を差し伸べるか、そしてどこで一歩引くかを見極めることは非常に重要です。

必要以上の助けは「過干渉」と受け取られてしまうこと、また行き過ぎた助けは「共依存」を引き起こします。

しん | 心理カウンセラー
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共依存とは、お互いが過剰に依存し合い、相手の問題や感情に巻き込まれてしまう状態のことです。

手を差し伸べすぎることで、相手を助けるつもりが、お互いの自立を妨げる結果を招くことがあります。

相手に自身の感情を共有すること

いくら安全基地とはいえ、相手があなたの感情を全て理解できるわけではありません。

そのため「お互いの感情や考えはオープンに共有する」ことが大切です。

もし自分にとってストレスに感じることがあれば、批判や非難といった形ではなく、冷静に自分の気持ちを伝えるように心がけましょう。

安全基地だからといって、相手の悪いところを無条件に受け入れることはしてはいけません。

この記事のまとめ

この記事のまとめ
  • 安全基地の存在は、相手に安心感を与え、信頼関係を築くための土台。
  • 特に不安型や回避型パートナーが自分らしく成長できるためには、安全基地が不可欠。
  • 長期的な安全基地を維持するためには、自分自身の安定が重要。


安全基地になることは一時的なものではなく、これから長く信頼を築いていくための過程の一つでしかありません。

相手の感情を受け入れつつ、自分自身も安定した状態を保ちながら、ちょうどいい距離感で信頼関係を育てていくことが大事です。

この記事が、あなたが大切な人にとっての「安心できる場所」になるためのヒントになれば嬉しいです。

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しん | 心理カウンセラー
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