回避型の彼氏の行動にほとほと疲れ果てました。どうすれば良い関係を築けるのでしょうか、付き合い方のヒントを教えて下さい。
この記事ではこんな疑問を解決します。
- 回避型の彼氏は親密さや感情表現を避ける傾向がある。
- 彼の行動は無意識の防衛反応であるからこそ、あなたが疲れる原因になる。
- 彼への期待を調整し、適度な距離感を保つことが彼にとってもあなたにとっても効果的。
この記事にたどり着いたあなたは、回避型(回避型愛着スタイル)の彼氏との関係で心が疲れてしまったのだと思います。
彼が時折見せる冷たい態度や距離感に、あなたは孤独感や不安を感じているのではないでしょうか?
また時には『彼は本当に私のことが好きなのだろうか?』と疑問に思ってしまったこともあるかもしれませんね。
そんなあなたに向けて、この記事では回避型の彼の行動の背景と、彼に対してどう対処すれば心が楽になるかについてお話していきます。
回避型(回避型愛着スタイル)の特徴
まずは、回避型の特徴について簡単に説明します。
回避型の人は親密な関係に不安を感じるため、たとえ恋人であっても近づきすぎることを避ける傾向にあります。
そして、カウンセリングでこのようにお話すると、次のように言葉を返されることがあります。
断言しますが、それは違います。
そもそもあなたに対する愛情がなければ、回避型の彼はあなたを恋人にはしませんし、もっと早くあなたの元を去っているでしょう。
回避型の人が恋人を避けるのは「無意識の自己防衛」によるものです。
本人がそうしたくてしているのではなく、幼い頃のトラウマが無意識に彼の行動を縛ってしまっているのです。
では、もう少し具体的に回避型の特徴について見ていきましょう。
親密さを避ける
先ほど少し触れましたが、回避型の人は親密な関係に強い抵抗感を覚えます。
これは、幼少期のトラウマが原因で、家族という最も親密な関係で傷ついた過去が彼にあるからです。
具体的な行動については後ほど解説しますが、彼らは恋人との関係が一定以上に深まらないように無意識にコントロールしてしまうクセがあります。
またそれらの行動が結果的に相手に対して
- 「冷たい」
- 「信用できない」
といった印象を与えてしまいます。
感情を表に出さない
回避型の人は、基本的に感情を表に出さない傾向があり、それは恋人の前でも変わりません。
特に「ネガティブな感情」や「弱さ」を見せることを人一倍嫌います。
こうした背景には、自分の内面をさらけ出すことで「他人に依存」したり、逆に「他人から期待される」のを避けたいという思いがあるからです。
特に回避型の人は次に紹介する「他人に依存されたくない」という強い思いを持っているため、感情を抑えることで、人との交流を低燃費に抑えます。
自立や独立にこだわる
回避型の人は自立や独立を非常に重んる傾向にあります。
それは恋愛面でも同様で、恋人に必要以上に干渉されたり、べたべたと近づかれるのを嫌がります。
つまり
「依存するのも、されるのも嫌い」
なのです。
この点が後ほど解説する「回避依存症」との大きな違いになります。
しかし、その自立心が強すぎるために、周囲の人からは
- 「自分勝手な人」
- 「そっけない人」
と思われることもしばしばで、恋人の立場としては「頼ってもらえない」という不安感が生まれることも少なくありません。
回避型の彼があなたを疲れさせてしまう行為
回避型の彼との付き合いで、多くの方が疲れを感じるのは、彼の行動が無意識のうちに誤解や不安を生むものだからです。
ここでは、特に多くの女性が感じる「疲れ」となる原因を3つに分けて解説します。
期待を裏切る行動
回避型の彼は、約束をドタキャンしたり、約束を守らなかったりすることがあります。
たとえば、デートの約束をしていたのに、前日になって『やっぱり行けない』と言われたことがあるかもしれません。
彼にとっては、デートの予定自体がプレッシャーになり、心の準備が整わないと無意識にその場から逃げたくなるのです。
これらが起こると、付き合っている側としては
と感じやすくなり、不安や不満が募ります。
仮に回避型のことを理解してこれが彼の「自己防衛」によるものだと分かっていても
と疲労感や徒労感を生んでしまうことは間違いありません。
彼との距離感
彼は、親密になることへの不安から、心理的にも物理的にも彼女から距離を置くことがあります。
それらは
- 「会う頻度の少なさ」
- 「音信不通」
などの問題として現れ、彼女からすると、孤独や疎外感を感じることが増えます。
特に、これまで回避型の人と交際したことがない人にとっては、このような行動を感覚的に理解することがとても難しく、結果として疲弊してしまうことも少なくありません。
彼の曖昧な態度
回避型の人は、自分の感情や意見をはっきりと表に出すことを嫌います。
特に恋人に対して「好き」と言うことを避けたり、「どこどこに行きたい」など自分の感情や意志を示そうとしないことがほとんどです。
付き合っている側からすると
「自分だけが努力しているような気持ち」
になり、非常に不満を感じやすくなります。
また、これらの不満が積み重なることで最終的には
と、彼との関係そのものに疑問を抱くようになってしまいます。
なぜ彼はあなたを振り回すのか?
回避型の彼氏の行動は、一見すると理不尽で、相手を意図的に振り回しているように感じられることも珍しくありません。
しかし、これは先程もお話したように、彼自身が意識していない防衛本能や、自由を守るための無意識の行動が、結果的にあなたを疲れさせてしまっているのです。
回避型の彼氏は、自由を重んじる一方で、親密な関係がその自由を奪うものだと感じています。
また、彼にとって、親密さは自分の自由を失うリスクを伴うため、関係を進めることにも消極的な姿勢を見せます。
そして、これらの防衛反応による一番の問題は
彼の行動に一貫性がない
ということにあるでしょう。
「前はこうだったのに今日は違う」ということが日常的に起こるからこそ、あなたを混乱させ不安にさせてしまうのです。
あなたが彼に「振り回されている」ように感じるのは、彼が無意識にあなたの存在よりも自己防衛を優先して行動しまうからなのです。
あなたを疲れさせる彼への対策
回避型の彼との付き合いに疲れている場合、あなたのためにも一度彼との付き合い方を見直す必要があるでしょう。
基本的な指針としては「彼を変えることに努力するよりも、あなた自身の行動や受け止め方を変える」こと。
ここでは、そのためのヒントを3つ紹介します。
彼への期待値を下げる
まず紹介したいのは、彼への期待値を適切に下げることです。
多くの場合、疲れを感じるのは、彼に対して「もっとこうして欲しい」と過度に期待した時。その期待に応えてもらえなかったときに不満は積み重なります。
もちろん、「もっとこうして欲しい」と思うこと自体は悪いことではありません。
しかし、彼が回避型の場合、現実的にいくら努力しても変えられない限界があることもまた事実。
彼には彼なりのペースや距離感があり
と受け入れることで、あなた自身も精神的に楽になるでしょう。
日々のコミュニケーションを短くする
回避型の彼とのコミュニケーションは「シンプルに短く保つ」ことも効果的です。
感情的な会話や深い議論は、彼にプレッシャーを与えやすく、距離を置かれる原因となりがちです。
もちろん、恋人同士である以上、時には深い会話も必要ですが、そのためにも日々のやり取りは軽く短いものにし
「私はあなたに対して強い感情をぶつけませんよ」
ということを日頃から暗に伝えることが大切です。
例えば、長々と自身の思いを説明するのではなく、必要なことだけを要点をまとめて短く伝えてみる。
感情の圧力を感じさせないようにすると、彼もリラックスしてコミュニケーションを続けやすくなります。
良い意味で彼を「放置」する
「放置」とは、彼に全く無関心になるという意味ではありません。
ここでいう放置とは、彼のペースを尊重しつつ、あえて自分から積極的に関与しない姿勢を取ることです。
こうすることで、彼に対して余計な心配やプレッシャーを与えず、彼が自分自身のペースで動きやすくなります。
たとえば
- 彼が連絡をくれなかった時
- 急に距離を置こうとした時
こうした場合にも深追いせずに、自分の時間を大切に過ごすことが重要です。
この点は、先ほどの「彼への期待値を下げる」と大きく関連しているかもしれませんね。
彼にとっての心地よさが続けば、結果的に彼からのアクションが増える可能性が高まります。
「彼に依存されている」と感じたらそれは「回避依存症」かも?
カウンセリングをしていてよくあるのは、「回避型」と「回避依存症」を混同しているケースです。
もし彼があなたに対して、依存するような行動を見せる一方で、急に距離を置こうとする場合、それは「回避依存症」の可能性が極めて高いでしょう。
回避依存症では、とても愛情深く接してくれていたかと思えば、突然距離を置こうとするような「矛盾した行動」が繰り返されます。
簡単にですが回避型と回避依存症の違いを簡単にまとめました。
- 回避型愛着スタイル:人生全般にわたる広範な回避傾向
- 回避依存症:ほぼ恋愛に限定される
もしあなたの彼が、友達とは普通に接していたり、あなたに依存していると感じる部分が多くあるなら、それは「回避依存症」かもしれません。
「回避型」と「回避依存症」の違いについて、詳しくは以下の記事で解説しています。
関連記事:「回避型愛着スタイル」と「回避依存症」の違いについてこの記事のまとめ
- あなたを疲れさせる彼の行動の多くは、親密になることへの不安からくる自己防衛。
- 疲れを感じるのは、彼の行動に対する期待値が大きく関与している。
- 期待を減らし、無理に関与しないことで、彼との関係がスムーズになる。
最後にあなたに伝えたいのは、彼との関係に疲れを感じるのは、決してあなたのせいではなく、彼自身の内面的な問題だということ。
とはいえ、そうは言っても不安や不満はたまるものですから難しいですよね。
不安や不満を溜め込まないためにも、無理に彼を変えようとせず、あなた自身の接し方や期待を見直すことで、彼との関係を少しずつ変化させていきましょう。
焦らず、少し距離を置き、お互いにとって心地よい関係を目指すことが大切です。
関連記事:『回避依存症』とは?原因や特徴、タイプごとの性格について。元・回避依存症が徹底解説します