被害者ぶる毒親に「私が悪いの?」と思わされているあなたへ

心理カウンセラーのしん( @psynote__ )です。
「被害者ぶられてこっちが悪いみたいになります」
「怒りたいのに罪悪感で何も言えなくなります」
この記事では被害者ぶる毒親がなぜそうするのか。その心理と振り回されないための距離の取り方についてお伝えします。
被害者ぶる毒親が狙っているのはあなたの「罪悪感」
まず結論からお話します。
被害者ぶる毒親に対しあなたが取るべき行動は「相手にしない」、これだけです。
私が最初にこの結論をお伝えするのには理由があります。
被害者ぶるという行動はたまたま感情があふれたからの行動ではありません。あなたに罪悪感を与えて思考の選択を奪う、コントロールの手段です。
小さな頃は暴力や暴言で子供を従わせていた親も子供が大人になればそう簡単にはいきません。そこで代わりに使い始めるのが「被害者のフリ」です。
親が被害者ぶることで、あなたの中にこんな言葉が浮かびます。
- 「自分が間違っているのかな」
- 「親に不満を持つのはおかしいのかな」
- 「親を大切にできない自分が未熟なのかな」
断言しますが、全部違います。
「自分が悪いのかも」と思った時点で親のコントロールは成功している
ここに気づいてほしいのです。
あなたが「自分が悪いのかも」と感じた時点で親の狙いはすでに達成されています。
親は被害者のフリをすることであなたから判断力を奪っています。
「自分の意見は間違っているのかもしれない」
「親と違う考えを持つのは悪いことなのかもしれない」
こう感じてしまうのはあなたの判断が間違っているからではありません。長年にわたって植えつけられた罪悪感が、あなたの自然な感情にブレーキをかけているのです。
「悪いのは自分ではない」と本気で信じている親の内側
被害者ぶる毒親に共通しているのは「自分に都合の悪いことは認めない」です。ここで知っておいてほしいのは、親は嘘をついているわけではないということ。
本気で自分の子育てに大きな問題はなかったと思っています。
以前、50代の女性の相談を受けたことがあります。毒親とは関連のない内容での申し込みでしたが、ご本人の過去や子供について話が及んだときに、引っかかることがありました。
「娘はもうすぐ30歳になるのにほとんどニートみたいな状態で…昔はがんばり屋だったんですがねえ」
私が「育児の中で、子供の尊厳を傷つけてしまったと感じた瞬間はありましたか」と聞くと、女性はこう答えました。
- 「思春期の頃は言い過ぎたり叩いてしまうことがあった」
- 「でも当時はシングルマザーで余裕がなかった。娘も理解している」
- 「娘は明るい性格だったので、私の行動と娘の現状は関係ない」
明言こそしなかったものの、この女性は「自分の子育てにさほど問題はなかった」と考えているようでした。
「環境」と「子供の性格」を持ち出す親の思考回路
この女性が自分を正当化するために使ったのは3つです。
- 子供も思春期で難しい時期だったこと
- 当時シングルマザーだったこと
- 娘が細かいことを気にしない明るい性格だったこと
ですが、娘の立場からすると思春期であることも親がシングルマザーであることも自分ではどうにもできない問題です。
親がどれだけストレスを感じていたとしても、そこに子供の責任は存在しません。
ストレスの原因になる環境を作り出したのは親自身であり、子供には関係のないことです。
そして「明るい性格だった」という親の認識。親が明るいと思っていた子供の性格が、実は子供の我慢によって作られていたケースは少なくありません。
本来、家庭を安心できる場所にするのは子供ではなく親の役割です。 けれど毒親のいる家庭ではその役割が親と子で逆転してしまう。
被害者ぶる毒親に「母親」が多い理由
被害者ぶる親の話は父親・母親両方から聞きますが、ケースとして圧倒的に多いのは母親です。
前時代的な価値観ではありますが、母親自身の中に「女性=弱い立場」という思い込みがあることも一因かもしれません。
被害者ぶる母親は徹底的に「弱者」を演じます。演じるだけではなく、実際に病気を抱えていたり、アルコールやタバコへの依存を持っていることも少なくありません。
「あなたしかいない」で子供の罪悪感を刺激する
そんな母親に対し不満を伝えたり、自立するそぶりを見せるとこんな言葉が返ってきます。
- 「大切に育ててきた子供にそんなことを言われるなんて」
- 「そんな昔のことをいつまで気にしてるの」
- 「お父さんは分かってくれない、わたしにはあなたしかいない」
どの言葉も、最終的に守っているのは親自身です。
子供を思っているように聞こえても、その目的は「自分のそばに子供を置いておくこと」に集約されます。
大人になって母親に「私はこんなにつらい思いをしていた」と勇気を出して告白したとき、「私のほうがもっと辛かった」と返された方もいるのではないでしょうか。
被害者ぶる毒親にとって一番大切なのは、いつも自分自身です。
親に「毒親であることを自覚させたい」と考えている方は、毒親を自覚させようとしたとき実際に起きることを先に知っておくと、余計な傷を避けられます。
相手にすればするほど抜け出せなくなる理由
被害者ぶる親の言葉を聞いて、罪悪感ではなくイライラや怒りを感じる方もいるでしょう。
ここで知っておいてほしいことがあります。
毒親に対する怒りは、毒親への執着になります。
そしてその執着が毒親の影響から抜け出せない原因につながっていく。
被害者ぶる親を言い負かしたい。反論して自分の正しさを証明したい。その気持ちは当然のことです。
ですが、親は最初から自分が悪いとは思っていません。何を伝えても「あなたが変わった」「昔はこんな子じゃなかった」と返される。あなたがどれだけ正論を伝えても、親の中ではそれは事実ではないのです。
相手にすればするほど傷つくのはあなたです。
「相手にしない」は冷たいことではない
「親を無視するなんて」と罪悪感を持つかもしれません。ですがこれは無視ではありません。
被害者のフリが始まったら黙ってその場を離れる。
これはあなた自身を守るため。親との精神的な結びつきが強い人ほど、最初はかなりのストレスを感じるはずです。すぐにできる人はいません。
けれど意識して繰り返すうちに少しずつ変わっていきます。「親が何を言っても自分は動かされない」と実感できる瞬間が増えていく。その積み重ねが毒親の影響から離れていく最初の一歩になります。
毒親への罪悪感の正体と、その感情との向き合い方を知ることで、自分を責めずに済むようになります。
被害者ぶる毒親に期待するのをやめる
被害者ぶる親に振り回されずに自分を守っていくには、罪悪感の正体を知り、親との関係で何が起きていたのかを整理する必要があります。
その具体的な道筋をこちらの記事にまとめています。

しん | 心理カウンセラー
愛着スタイル(回避型・不安型・恐れ回避型)の恋愛問題を専門にカウンセリングしています。累計1000件以上の相談実績あり。恋愛パターンの背景にある親子関係や愛着の問題にも対応しています。「わかった」で終わらせず、次に何をすればいいかまで一緒に考えるカウンセリングをしています。
記事をシェアしてください
この記事が役に立ったら、ぜひシェアしてください。
記事をXでシェアするあなたのシェアが、同じ悩みを抱える誰かの助けになります



