心理ノート

毒親から離れたいなら知っておきたい「家を出る」と「離れる」の違い

心理カウンセラーのしん( @psynote__ )です。

毒親から離れたいと思っていても、事情があって今すぐ動けない人もいれば、なかなか離れる決心がわかない人もいると思います。

この記事では「毒親から離れる」とは実際にどういうことなのか、なぜ離れたいのに動けないのかについて書きました。

離れたいのに離れられない状況が一番つらい

「毒親 離れたい」と検索しているということは、あなたは親が毒親であることにはもう気づいている。

それなのに、わかっているのに離れられない。この状態がいちばん苦しいと思います。

経済的な事情かもしれない。きょうだいのことが気がかりなのかもしれない。住む場所がないのかもしれない。理由はそれぞれでも「離れたいのに離れられない」という板挟みは共通しています。

しかもこの苦しさは周囲に伝わりにくい。「大人なんだから嫌なら家を出ればいい」で片づけられてしまう。そう簡単にいかないからこそ、あなたは今こうして調べているのだと思います。

ただ、離れられない今だからこそあなたに知っておいてほしいことがあります。

「家を出ること」と「毒親から離れること」は同じではありません。

この違いがわかると、今すぐ家を出られなくても始められることが見えてきます。

離れられなくなる理由はあなたではなく家族の側にある

離れたいと思っているのにいざ動こうとすると手が止まる。お金や住む場所の問題とは別に何かが引き止めている気がする。

「出ていくなんて」という声の出どころ

直接言われた人もいれば、誰にも言われていないのに頭の中で勝手に再生される人もいます。

  • 「親を捨てるのか」
  • 「育ててもらった恩はどうするんだ」
  • 「一人で生きていけると思ってるの?」

どれか一つでも頭の中で鳴っている限り、離れたくても足が動かなくなる。

この罪悪感はもともと自分の中にあったものではありません。小さな頃から「親の気持ちを最優先にしなければいけない」環境で過ごした結果、身についた反応です。親との関係の中で長い時間をかけて植え付けられたもの。

毒親への罪悪感がなぜ消えないのか、その感覚の出どころを知っておくと、自分を責めるループから一歩引いて見られるようになります。

経済面を握られている場合

自分で稼ごうとしたら止められた。通帳は親が管理している。家を出たくても自分名義の貯金がない。

経済的な援助と引き換えに支配を続ける親がいます。お金を出す代わりに進路を決め、生活を管理し、「自分なしでは生きていけない」と思い込ませる。

こうした問題は表面上は「お金の問題」に見える。

けれど本当の問題は「自分には一人でやっていく力がない」と信じ込まされていること。経済的な依存と心理的な支配がセットで存在していることは毒親家庭では珍しくありません。

家を出ても「離れた」ことにならない理由

一人暮らしを始めた。実家に帰る回数を減らした。連絡も最低限にした。

それでも親のことが頭から離れない。LINEの通知音に体がこわばる。帰省のたびに数日寝込む。家を出たのに自分の中では何も変わっていない気がする。

親から離れた後もこういう状態に陥ってしまう方は少なくありません。

住む場所を変えただけでは親から植え付けられた考え方の癖は外れない。問題は距離ではなく「頭の中に残っている親の存在」です。

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離れたあと、何を決めるにも「親ならどう言うか」が浮かぶ

仕事を選ぶとき。恋人との関係で悩むとき。自分の意見を求められたとき。

何かを決める場面で無意識にこう考えていることがあります。

  • 「親に知られたらなんて言われるか」
  • 「親の基準から見てこれは正しいか」
  • 「これを選んだら親はどう思うか」

親と暮らしていないのに判断の基準が親のまま。頭の中にまだ親が住んでいる状態です。

毒親の洗脳から抜け出すために何が必要かでも書きましたが、支配の本体は一緒に暮らしているかどうかではなく頭の中に残った判断基準にあります。

どこに住んでいてもこの基準が残っている限り苦しさは変わりません。

「離れる」とは親の物差しで自分を測ることをやめること

「毒親から離れる」は一つの行動で完結するものではありません。

家を出ることでもなければ、連絡を絶つことでもない。恨みを消すことでもない。

真の意味での「毒親から離れる」とは、親の価値基準で自分を評価することから降りることです。

仕事でうまくいかないことがあったとき「やっぱり自分はダメだ」と感じる。でもその「ダメだ」は自分で考えた結論なのか。それとも小さな頃から親に言われ続けた言葉があなたを縛っているのか。

そこに親の価値観が残っているならまだ途中にいるし、逆に実家にいても自分の基準で判断できているなら、あなたは毒親から離れ始めています。

ただ、親の基準を降りることには痛みが伴います。

「親の求める自分になれば認めてもらえるかもしれない」。その期待が完全に消えることはなかなかない。何歳になっても、ふとした瞬間に「もしかしたら」が顔を出す。

親の基準を降りるということは、その「もしかしたら」という期待に区切りをつけることでもあります。

自分の状況に合った「離れ方」を整理するために

「親の基準から降りる」と頭ではわかっても、自分の状況でそれをどう進めるかは別の問題です。

同居している場合、経済的な事情がある場合、きょうだいが絡む場合。それぞれ出発点が違います。

まずは親から受けた影響を整理し、自分の中に残っている親の基準を一つずつ外していくことから始めてみてください。

▶ 親に傷つけられたあなたが自分の傷を癒やすためにやるべきこと

しん | 心理カウンセラー

愛着スタイル(回避型・不安型・恐れ回避型)の恋愛問題を専門にカウンセリングしています。累計1000件以上の相談実績あり。恋愛パターンの背景にある親子関係や愛着の問題にも対応しています。「わかった」で終わらせず、次に何をすればいいかまで一緒に考えるカウンセリングをしています。

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