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回避依存症の人が「打たれ弱い」のはなぜか。自信家の裏にある恐怖の正体

回避依存症が「打たれ弱い」のは弱いからではない。自信家の裏にある恐怖の正体

あなたは恋人に「こんなことで怒るの?」と思ったことはないでしょうか。

普段は堂々としているのにちょっとした指摘で黙り込む。軽い冗談のつもりだったのにその日一日口をきいてくれない。

「言い方が悪かったのかな」と、自分を責めた経験がある方もいるかもしれません。

こんにちは、心理カウンセラーのしん( @psynote__ )です。

回避依存症の恋人が「打たれ弱い」のは、メンタルが弱いからではありません。そしてあなたの言い方が悪いわけでもない。

この記事では、回避依存症の人がなぜ批判に対して極端に脆いのか。その心理とあなたが振り回されないための向き合い方をお伝えします。

回避依存症の「打たれ弱さ」は、性格の問題ではない

回避依存症の恋人を見ていると、不思議な矛盾を感じることがあるかもしれません。

  • 自分の話は堂々とするのに、こちらの意見には耳を貸さない
  • 仕事の実績を語るときは自信に満ちているのに、些細な指摘で急に機嫌が悪くなる
  • プライドが高いのに、メンタルが驚くほど脆い

「自信家なのに打たれ弱い」。

これは多くの相談者の方が口にする言葉です。

ただ、カウンセリングの場で多くのケースを見てきた実感として言えるのは、これは「矛盾」ではないということです。

「自信家」に見えるのは、先に傷つかないポジションを取っているから

回避依存症の人が見せる「自信」は、本当の自信ではありません。

傷つくことへの恐怖が強すぎるがゆえに、先に「傷つかないポジション」を取りに行っている。

  • 追われる側に回る
  • 余裕があるように振る舞う
  • 感情を見せない

一見すると自信家に見えるこの態度は、本心とは正反対の防衛行動です。

「強そうに見える」のではなく、「弱さを見せないことに全力を注いでいる」。

だから、その体裁をわずかでも貫かれたとき、表に出る反応が極端に大きくなるのです。

内側では「受け入れてほしい」と思っている

回避依存症の人の内面には、本心と恐怖が同居しています。

  • 本心:「受け入れてほしい」「見捨てられたくない」と強く思っている
  • 恐怖:その気持ちを素直に出せば傷つくかもしれない

だから先に「自分は大丈夫だ」という顔を作る。

冷たく見える態度の裏側に、「本当は近づきたい」という気持ちが隠れている。ここを知っているかどうかで、恋人の打たれ弱さの見え方は大きく変わります。

彼が怒ったのは「傷ついた」からではなく、「怖くなった」から

あなたが何か指摘をしたとき、恋人が怒ったり黙り込んだりする。それを見て「傷つけてしまったのかな」と思うかもしれません。

でも、実際に起きていることは少し違います。

怒りや沈黙は、恐怖から自分を守ろうとする反応

回避依存症の人にとって、批判や指摘は「自分の弱さがバレる瞬間」です。

「やっぱり自分はダメな人間だ」

この恐怖が一瞬で湧き上がる。怒りや沈黙として表に出るのは、傷ついた反応ではなく恐怖から自分を守ろうとする反応です。

あなたの言葉が「攻撃」として受け取られているわけではありません。あなたの言葉がきっかけで、相手の心の奥にある恐怖心が動いている。

この違いを知っておくだけでも、「自分の言い方が悪かったんだ」と必要以上に自分を責めることは減ります。

打たれ弱さには「二重の痛み」がある

ここが多くの人が見落としやすい点なのですが、回避依存症の人の打たれ弱さには二重の痛みがあります。

  • ①指摘そのものによる痛み:批判を受けたこと自体の痛み
  • ②傷ついた自分を相手に晒してしまうことへの恐怖: 弱い自分を見られたら、見限られるかもしれないという恐怖

回避依存症の人の内面には、「受け入れてほしい」「見捨てられたくない」という切実な気持ちが生きています。ただ、その気持ちと同じくらい強い恐怖が隣り合わせにある。

だから、傷ついたときに素直に「辛い」と言えない。傷を見せた瞬間に見限られるかもしれないから。

傷の痛みそのものに加えて「傷ついた自分を見られること」への恐怖が上乗せされる。

怒りや沈黙として出てくる反応が極端に大きく見えるのは、この二重の痛みが理由です。

「自信家」の恋人は、ナルシストタイプかもしれない

回避依存症の中でも、「自信家に見えるのに打たれ弱い」という特徴がとりわけ顕著なのが、ナルシストタイプです。

ナルシストタイプによく見られる行動には、たとえば以下のようなものがあります。

  • 自分の話ばかりする。仕事の成功談、自分がいかに有能かという話が多い
  • 少しでも否定されると途端に不機嫌になる、黙り込む、あるいは攻撃的になる
  • プライドが高く、恋人にも「自分の理想」を押し付けてくる

この「自信」と「脆さ」が同居する理由は、先に触れた防衛行動がとりわけ強く出ているからです。

ナルシストタイプの人は「自分はすごい人間だ」という理想像を強く持つことで、自己肯定感の低さを覆い隠している。

そして、理想像が大きいほどそれを否定されたときの衝撃も大きくなる。あなたにとっては些細な指摘でも、ナルシストタイプの恋人にとっては「自分の存在そのものを否定された」くらいの衝撃になることがあります。

こうした傾向がある恋人の特徴と向き合い方は、回避依存症のナルシストタイプの記事で詳しくお伝えしています。

安心させようとするほど、あなたが苦しくなる理由

打たれ弱い恋人を目の前にして、「なんとか安心させてあげたい」と思うのは自然なことです。

言葉を選び、恋人の機嫌を損ねないように気を遣い、自分の気持ちを後回しにする。

でもここには落とし穴があります。

「安心させる」と「機嫌をうかがう」は、まったく別のものです。

  • 安心させる:あなたがあなたのままでいること。恋人の不機嫌に振り回されず、いつも通り接すること
  • 機嫌をうかがう:恋人の顔色に合わせて自分の言葉や行動を変えること

後者を続けていると、あなた自身が「自分の気持ち」を見失っていきます。

回避依存症の恋人にとって、本当の安心はむしろ「何もしないこと」から生まれます。

追いかけない、機嫌を取らない、いつも通り過ごす。それだけで相手は「この人は自分が不機嫌でも離れていかない」と感じられるようになる。

あなたが頑張るほど関係がこじれるのは、あなたの優しさが足りないからではありません。

回避依存症の人を安心させるには「何もしない」が正解である理由で、この考え方をさらに掘り下げています。

言い方を変えても同じことが起きる理由

打たれ弱い恋人と付き合っていると、「自分の伝え方が下手なんだ」と感じるようになることがあります。

何を言っても不機嫌になるから、だんだん本音が言えなくなる。自分の気持ちを飲み込む癖がつく。

でも、実際にはあなたの言い方の問題ではない場合がほとんどです。

どれだけ上手に言葉を選んでも、回避依存症の人の「恥への恐怖」が反応する限り同じことが起きます。過去の相談でも「私の言い方が悪いんだと思って、ずっと自分を責めていました」という方は少なくありません。

相手が傷つくのは、あなたの言葉の鋭さのせいではなく、相手の中にある「弱さを見られたくない」という恐怖のせい。

だからあなたが悪いのではなく、それだけ相手の内側にある恐怖が根深いということです。

打たれ弱い恋人との関係で、あなたが意識できること

打たれ弱さの原因が相手の中にある以上、あなたが完全にコントロールすることはできません。ただ、振り回されないために意識できることはあるので紹介します。

恋人が怒ったとき、「私が悪い」と即座に思わない

怒りや沈黙が始まったらまず一呼吸置く。

「この人は今、自分の弱さを隠そうとしているのかもしれない」と捉えてみる。

それだけで、不要な罪悪感に巻き込まれにくくなります。

伝えたいことがあるときは、「あなたは〜」ではなく「私は〜」で始める

「あなたはいつもこうだよね」ではなく、「私はこう感じた」と伝える。

相手のプライドに触れにくくなるだけでなく、あなた自身が自分の気持ちを飲み込まない練習にもなります。

相手の機嫌を取ることを、自分の役割にしない

恋人が不機嫌でもそれはあなたの責任ではありません。

「何か怒らせたかな」と考える前に、「この人の不機嫌は、この人自身の問題かもしれない」と立ち止まって考えてみてください。

あなたの気持ちを後回しにし続けないために

この記事では、回避依存症の恋人が打たれ弱い理由と、振り回されないための考え方をお伝えしました。

回避依存症の恋人と付き合う中で、多くの方が「自分の感情よりも相手の感情を優先する」習慣を身につけてしまいます。

それは優しさから来ていることが多いのですが、長く続けているとあなただけが限界を迎えてしまう。ただ、「頭では分かっていても、目の前で恋人が不機嫌になると我慢してしまう」という方も多いと思います。

メルマガでは、恋人の不機嫌に巻き込まれないための具体的な対処手順や、自分の気持ちを伝えるときの言葉の選び方など、記事では踏み込みきれなかった内容を共有しています。

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