心理ノート

回避型のモラハラは「相手が何を守ろうとしているか」を見極めること

心理カウンセラーのしん(@psynote__)です。

相手は冷たくて距離を取りがち。回避型に当てはまる気がする。だけど、それだけじゃなくて、言葉で傷つけてきたり、自分を悪者にしたりもする。

「回避型の人がこういうモラハラっぽい振る舞いをすることってあるんだろうか?」

そう思って検索した方も多いと思います。

この記事では、回避型でも「モラハラ」に見える振る舞いが起きること、そして回避依存症(恐れ・回避型)のモラハラとの違いを解説します。

相手が「守ろうとしているもの」が見えると、モラハラの理由がわかります。

回避型でも「モラハラ」に見える振る舞いは起きる

先に結論からお伝えします。

回避型の人にも、モラハラに見える振る舞いは起きます。

冷たい無視、論理で詰めてくる態度、「お前が悪い」と突き放す言葉。これらは回避型の人にも見られます。

ただ、よく似た言葉で語られる「回避依存症」のモラハラとは行動の心理がまったく違います。

回避型は「自分の領域」を守るために攻撃します。一方で回避依存症は「自分の正しさ」を守るために攻撃します。

同じ冷たさに見えても、守ろうとしているものがそれぞれ違う。

違いそのものは『「回避型」と「回避依存症」の違いが分からず混乱しているあなたへ』で整理しています。

見分ける方法は「相手が何を守ろうとしているか」にある

さきほど

回避型は「自分の領域」を守るために攻撃します。回避依存症は「自分の正しさ」を守るために攻撃します。

と書きました。

次はここをもう少し掘り下げて解説します。

回避型の人のモラハラは「自分の領域」を守るため

回避型の人は関係が深まりそうになる瞬間に冷たくなります。

  • 「会話を増やしたい」「気持ちを聞かせてほしい」と伝えた直後に黙り込む
  • 連絡頻度を増やしたら返信が少しずつ雑になる
  • 論理(正論)を持ち出して距離を作られる

彼らが守ろうとしているのは、ひとりで考える時間や自分のペース。

それらが乱されそうになると

  • 冷たい態度
  • 論理や正論での追い詰め
  • 「お前が悪い」と突き放す言葉

こうしたモラハラ的な言動で相手を遠ざけようとします。

つまり、回避型の人のモラハラは「自分の心に踏み込まれた」と相手が判断することで起こります。

回避依存症(恐れ・回避型)の人のモラハラは「自分の正しさ」を守るため

相手が回避依存症の場合、モラハラが起きるタイミングはまったく違います。

  • 「もっとこうしてほしい」と要望を伝えた瞬間に声を荒げる
  • 相手の判断にやんわり異議を唱えた瞬間に「お前が間違っている」と追い詰める
  • 自分のルールや常識と違うことをされた瞬間にキレる

こうした反応は、相手が「自分の正しさ」を守ろうとしているサインです。

守ろうとしているのは、自分の判断、自分のやり方、自分の中にある「こうあるべき」という考え方。

これらが脅かされたと感じた瞬間に自己防衛からモラハラを行います。

詳しくは『回避依存症の独裁者タイプがモラハラをする理由は「強さ」ではなく「恐怖」にある』で解説しています。

あなたの怒りが届かない理由

モラハラの本当のつらさは、相手の言動よりもその先に残る「無力感」にあります。

回避型の人のモラハラは本人にほぼ自覚がない

回避型の人が攻撃的な言動をしているとき、本人の中では「正論を言っただけ」「相手の間違いを正しただけ」という認識です。

相手を傷つけているという感覚そのものが、薄いか、あるいは存在しません。

これは回避依存症の独裁者タイプとは明確に違うポイントです。

なぜなら回避依存症の人の場合、感情を爆発させた後で罪悪感を抱くことがあるからです。

これは「相手に見捨てられたくない」という気持ちが回避型の人よりも強いから。

「言いすぎた」
「あの時の自分はおかしかった」

など、本人が後になって謝罪することがあります。

一方、回避型の場合こうした「反省」はほとんど見られません。

なぜなら、冷たくして距離を取ったことを、本人は「適切な対応」だと信じているからです。

だから怒りが「無効化される」感覚になる

自覚がないのは、本人にとって自分の振る舞いが「何の問題もない当然の対応」と考えているのと同じ。

問題のないところに怒りを向けられても、相手は「お前のほうがおかしい」としか受け取れません。

だからこそ

「もう少し優しい言い方をしてほしかった」
「あの言葉は傷ついた」

このようにあなたが訴えたとしても、返ってくるのは

「何が悪いのかわからない」
「お前が考えすぎ」

といった反応です。

怒りを伝えた側が「大げさに反応した側」に位置づけられてしまう。

相手の中では、あなたの感情がそもそも「考えるべきもの」として扱われていないんですね。

やりきれない無力感の正体はここにあります。怒りが届かないのは、あなたの怒りが小さいからでも伝え方が悪いからでもありません。

相手の中に「怒りを受け止める」という思考がそもそも存在しないのです。

回避型のモラハラにどう対応すべきか?配偶者の場合と恋人の場合

ここまで解説した回避型のモラハラですが、配偶者と恋人では置かれている状況がかなり違います。

配偶者の場合:すぐ別れるか決める段階ではない

配偶者の場合、子ども・経済・家族との関係・長年積み上げてきた生活。すぐに動けない事情がいくつもあるはずです。

また、配偶者に回避型の傾向があることに気がついたのも結婚後で、苦しさが何年も積み重なっていることも多い。

モラハラが起きるたびに

「自分が大袈裟なんだ」
「気にしすぎだ」

と自分を納得させてきた方も多いでしょう。

この記事では、別れるか続けるかの判断を迫りません。

ですからまずは「あれはおかしかった」「自分は間違っていなかった」と確認することから始めていきましょう。

長く抑え込んできた感情を表に出していくことで、少しずつ状況を客観的に見られるようになるはずです。

恋人の場合:あなたの動き方次第でモラハラの頻度は減らせる

恋人の場合、まだ関係が動かせる段階にあります。慌てて別れる結論を出す必要はありません。

むしろ知っておいてほしいのは、あなたの動き方次第で相手のモラハラを減らせる可能性が高いということです。

回避型のモラハラ的な振る舞いは踏み込まれた瞬間に出る防衛反応です。

だから近づき方や関わり方を見直せば、その反応が出る回数そのものを減らせる余地があります。

「モラハラさえなければ完璧なのに」と感じているあなたへ

ここまで読んで、まだ消化しきれない気持ちが残っているはずです。

相手は基本的には悪い人ではない。優しい瞬間もある。でも、ある瞬間だけ別人のように冷たくなる。

だからこそ「モラハラさえなければ完璧なのに」と悩んでしまうのだと思います。

その「さえなければ」を少しずつ手放していく接し方を、下の記事でまとめています。

▶ 回避型の彼に「この人だけは手放したくない」と思わせる関係の作り方

しん | 心理カウンセラー

愛着スタイル(回避型・不安型・恐れ回避型)の恋愛問題を専門にカウンセリングしています。累計1000件以上の相談実績あり。恋愛パターンの背景にある親子関係や愛着の問題にも対応しています。「わかった」で終わらせず、次に何をすればいいかまで一緒に考えるカウンセリングをしています。

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