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毒親への「怒り」を「悲しみ」に変える重要性。なぜ「怒り」が大切なのか?

専門カウンセラーが解説、毒親への「怒り」怒りを悲しみに昇華する

いつまで経っても毒親に対する「怒り」が収まりません。一緒に住んでいるわけでもないのに…。どうすれば怒りをなくせるのでしょうか?

この記事ではこんな疑問を解決します。

この記事の内容
  • 「怒り」は毒親を克服するための重要な要素の一つ
  • 正しく「怒り」を処理して「悲しみ」へと変化させる
  • 克服は簡単ではない、だけど勇気を出して取り組まなければ、あなたは死ぬまで親に苦しむことになる。
この記事の著者

しん | 心理カウンセラー

プロフィール

心理カウンセラー。過去のカウンセリング実績500件以上。自身の毒親育ちの経験を活かし、毒親の克服方法やアダルトチルドレンの改善などを中心に、「読者の悩みの根本的な解決」を目指し発信しています。

こんにちは、心理カウンセラーのしん(@psynote__)です。

先日、こんなツイートをしました。

この記事では「親への怒りを悲しみに変える事が大切」というテーマで解説します。

毒親への怒りや憎しみが抑えれず悩んでいる方。ぜひ最後まで目を通してみて下さいね。

毒親への「怒り」を「悲しみ」に変える重要性

「怒り」を「悲しみ」にと聞いてもあまりピンとこないかもしれませんね。

ですが、親への怒りを悲しみに変えることは、毒親の支配から逃れる為にとても重要なプロセスです。

なぜなら毒親に対する感情が「怒り」のうちは、どれだけ時間が経過しようとも心の中の親に縛られたままだからです。

  • 既に親は死去しているのに怒りが抜けない
  • 親に過去のの苦しみを伝えても否定され悔しい
  • 親元を離れ暮らしているのに、不意に怒りがこみ上げてくる

自分の人生を生きているはずなのに、あなたは今もこうした苦しみ感じているのではないでしょうか?

ではこうした苦しみを手放すためにはどうすれば良いのでしょうか?

毒親を自分の心から切り離すためには、いくつかのプロセスを順を追って踏む必要があります。

「不安」→「怒り」→「葛藤」→「悲しみ・喪失感」

この最後の「悲しみ・喪失感」を乗り越えることで、あなたは真の意味で「親に縛られない人生」を生きられるようになるでしょう。

ただし、このプロセスの中には対処するのが難しい点がいくつか存在します。

しん | 心理カウンセラー
しん | 心理カウンセラー

理解しやすいように順を追って解説していきますね。

まずは初めの「不安」→「怒り」のプロセスについてお話します。

毒親との決別。はじめは「不安」に襲われる

毒親を自分の心から追い出したいと考えた時、一番はじめに感じるのが「不安」です。

「親に対する怒りは一生消えないのではないか」
「自分もいずれ毒親になるのではないか」
「親を見捨てようとする自分は自分勝手なのではないか」

あなたも一度はこうした不安に襲われたことがあるかと思います。

ですが大抵の場合「不安」の感情は次第に薄れていきます。

なぜなら、あなたが不安を感じている間にも、親はあなたをコントロールしようとし続けるからですね。

しん | 心理カウンセラー
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親から離れようとするあなたに対し、親は必死にあなたの自立を阻もうとします。

この繰り返しによって、あなたが抱えている「不安」よりも、親に対する「怒り」の感情が徐々に強まっていきます。

「怒り」の重要性。親に負の感情を持つのは悪いことではない

「親を愛さない」「親をうやまわない」という行為は、毒親育ちでない人にはなにかと批判されます。

「育ててくれた親に感謝はないのか?」
「あなたも親になれば親の気持ちが分かる」

「いつまでも昔のことを持ち出しても意味がない」

あなたもこうした心無い言葉を浴びて「怒り」を感じたのではないかと思います。

しん | 心理カウンセラー
しん | 心理カウンセラー

「悪いのは自分じゃないのになぜ責められないといけないのか」と思ってしまいますよね

こうした意見は全て無視して問題ありません。

ここではっきりお伝えしておくと

毒親に対し「怒り」の感情を持つことは、悪くもなければ恥ずかしいことでもありません。

先程お話したとおり、毒親を自分の心から切り離すためには「怒り」は絶対に必要な感情です。

  • 親のあやつり人形になっていた自分に対する怒り
  • 虐待の事実を認めようとしない親に対する怒り
  • 親の行動によって自分の人生が狭まってしまったことへの怒り

こうした「怒り」を持つのは正常で、あなたはなにも間違っていません。

怒りというのは、意識的にしろ無意識的にしろ現状を変えたいという気持ちの現れです。

怒りはとても強いエネルギーで、怒りの中には「希望・願望」が含まれているのです。

ただし、このような毒親に対する「怒り」は、同時にあなたの心に「葛藤」を生みます。

毒親に対する希望や願望を捨てられない。「葛藤」に悩む。

あなたの毒親に対する「怒り」を「悲しみ」に変わるのを阻んでいるのが「無意識の葛藤」です。

具体的には以下のような考えです。

「時間が経てば親との関係も変わるかもしれない」

「親も時には自分を愛していたかもしれない」
「親を許せない自分が間違っているのかもしれない」

怒りに任せて親を責めたい気持ちと、無意識に親をかばってしまう気持ち。

怒りを感じながらも、子供時代、親が与えてくれなかった愛情や感情を今もまだ心のどこかで求め続けている状態です。

  • 大人になる
  • 家をはなれる
  • 結婚して配偶者を持つ
  • 子供が生まれる
  • 親が死去する

人生は進んでいるにも関わらず、それでもなお親への怒りが抜けないのは、親に対する「絶望」と「希望」、それらが入り混じった「葛藤」があなたの心の中に残っているからです。

しん | 心理カウンセラー
しん | 心理カウンセラー

多くの方が「怒り」から抜け出せないのは、この「葛藤」をうまく処理しきれないためです。

ではこの「葛藤」を超えて、「怒り」を「悲しみ」に変化させるにはどうすれば良いのでしょうか?

「怒り」を「悲しみ」に変える過程では必ず傷つく【過去と向き合う】

まず前提として、怒りを悲しみに変えるには

「親に期待し、裏切られる」という不毛な戦いの連鎖から抜け出す

こうした必要があります。

そのためにはまず「過去をありのままに受け止める」必要があります。

あなたが毒親によって奪われたものはなんですか?

  • 安心感
  • 信頼感
  • 自尊心
  • 自信
  • 自己肯定感
  • プライバシー
  • 友人関係
  • 幸せな家族像

ここには書ききれないくらい、あなたもきっと毒親に奪われたものがあるでしょう。

しん | 心理カウンセラー
しん | 心理カウンセラー

ここで気をつけて頂きたいのは「過去を思い出す」=「親を憎む」ではないということです。あくまで客観的に自分の過去を振り返り受け止めます。

苦しかった過去を一つ一つ客観的に振り返っていくと、いつどのようなときでも

「自分には問題の責任がなかった」

ということが分かるでしょう。

過去を振り返るのはとてもつらい作業になります。

自分の過去を客観的に受け止めることで、徐々に心の中には「怒り」ではなく「悲しみ」が湧き上がってくるはずです。

しん | 心理カウンセラー
しん | 心理カウンセラー

もしあなたがメンタルに問題を抱えている場合、一人でこの作業を行うことはオススメできません。カウンセラーや信頼できる方と一緒に行って下さい。

「悲しみ」の後に訪れる大きな喪失感

自分の過去を客観的に振り返り「悲しみ」を感じたその後は、大きな「喪失感」に襲われます。

  • ・親は死ぬまで毒親だということ
  • ・過去は二度と変えられないということ
  • ・親に奪われていたものが多すぎたということ

自分の力では今更変えることができない現実に対し、つよい無力感や喪失感を覚えるでしょう。

あなたがこれまで毒親に対し怒りを感じていたのは、親や自分の過去といった

変えられないもの、変わらないものを無理にを変えようとしていたから

です。

ですが、これからは「自分が変えていけるもの」だけを大切にしていきましょう。

過去をありのまま受け止めると、新しい人生が見えてくる

過去をありのままに受け止め「悲しみ」が過ぎ去ると、あなたの心には「自分らしく生きよう」という前向きな気持ちが湧くはずです。

  • 新しいことに挑戦する行動力
  • 親のコントロールを受け流す力
  • 自分の意見、主張を伝える力

今まで親に向いていた「希望や願望」が全て自分に向くことで、考え方や行動が大きく変わります。

冒頭でお話したとおり「怒り」はとても大切な感情です。

ですが、毒親に対する怒りにとらわれているうちは「あなたらしい人生」を送っているとは言えないのではないかと思います。

毒親の元で生き抜いてきた強さをもつあなたなら、絶対に毒親を克服できるはずです。

この記事の更に詳しい内容にについては、下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

【おすすめ】毒親の克服、親への不安や恐怖を手放す方法【心理カウンセラーが解説】

この記事のまとめ

この記事の重要ポイント
  • 毒親に対する怒りは「希望」の裏返し。希望がある限りあなたは苦しみ続ける。
  • 苦しい過去をありのままに受け入れることが大切。自分が閉まっていた感情に気がついてあげること。
  • 一通り悲しみを経験した後には、本当のあなたらしい人生が待っている。そしてそれは何歳からでも取り戻せる。

現在、心理カウンセラーとして活動してる私自身も毒親育ちで、親への怒りを長いこと持ち続けていました。

ですが、過去をありのままに受け止め自分を少しづつ癒やしていったことで、今は「自分らしい人生」を生きられていると感じています。

最後になりますが、もう一度。

親へ「怒り」を感じてしまうのは「こうあって欲しい」という希望の裏返しです。

今度はその希望を自分のために向けてみてくださいね。

8 COMMENTS

吉江

こんにちは
親はなぜ謝れないのかという
疑問からこのブログに出会えました。
とてもしんさんのブログは
自分の心を落ち着かせ、こういう
人間になりたいと再認識させる
ことができ、とても助かっています。
ありがとうございます。
教えていただきたいことがあり、
これまで毒親のせいで自分が失ったものを思い出し、それをありのままに受け止める
とありますが、具体的に
なにをしたらいいのでしょうか、
紙に書くなどでしょうか?
しんさんがどのようにそれをしたのかを
教えていただけると嬉しいです!
すみませんなんだか投げやりで..。
私もそれをやり、少しでも
自分と少しずつ向き合いたいと
思っていまして..!
もしできたらよろしくお願いします!

返信する
しん|心理カウンセラー

吉江さん

コメントありがとうございます。
私の文章が吉江さんの心に届き、少しでも傷ついた心を癒やすことができたのであれば、私も大変うれしく思います。

「毒親のせいで自分が失ったものを思い出し、それをありのままに受け止めるとありますが、具体的になにをしたらいいのでしょうか」というご質問についてですが、こちらについては後日、別の記事にて詳しく解説したいと考えております。記事の公開までもうしばらくお待ち下さい。

これからも皆さまの心の助けになれるような文章を書いていきますので、応援よろしくお願い致します。

返信する
Goal2030

素敵な文章ありがとうございます。先日父親に対して「対決」してきました。その後、意図せず母を美化していた自分にも気付きました。誰かが自分を慮ってくれていた、という幻想にしがみついていたんだと思います。ずっと自分は1人で、両親のエゴを満たす道具みたいな侵入されまくりの子供時代だったんだよなー、ということを今噛み締めつつあります…本当に多くを失いました。残念だったなあ…前を向ける日が来ることを信じて。

返信する
しん|心理カウンセラー

Goal2030さん

コメントとお褒めの言葉ありがとうございます。
「対決」は精神的にかなり疲弊してしまいますよね。ですが、Goal2030さんにとって「対決」が解毒の第一歩になったのであれば、それは大変価値のある行動だったのではないかと思います。
毒親によって多くを失ったのは紛れもない事実ですが、これからはきっとGoal2030さんらしい人生、親に左右されない人生を歩んでいけるのではないかと思います。
毒親の経験ごと前を向いて歩いていけるような人生が手に入れられるよう、私も祈っていますね。

返信する
Oke

はじめまして
固まっていた心が少しずつ解れました
ありがとうございました
謝るどころか逆に牙を剥いてくる 毒親を許そうという気持ちにはなれましたが,反面復讐したい気持ちは薄れません
許すが復讐もしたい
いけない事でしょうか?

返信する
しん|心理カウンセラー

Okeさん

コメントありがとうございます。
私の文章が少しでも解毒に繋がったのであれば嬉しく思います。

さてOkeさんは「親を許してもいい」でも「復讐したい」、こうした矛盾する気持ちを抱えていらっしゃるのですね。毒親を自分の心から切り離そうとすると、必ず矛盾した気持ちにさいなまれます。これは自然なことで全くもって”いけないこと”ではありません。
ですが「復讐したい」という「怒り」の感情を持ち続けることは、裏を返すと、心の中の毒親に囚われたままの状態だということです。
「怒り」を「悲しみ」に変化させる重要性についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、良ければ一度目を通して見て下さい。

>>【毒親】親への「怒り」を「悲しみ」に変える事が大切、という話

返信する
加瀬 薫

独親を持つ方って結構多いんだなと感じました。自分みたいな子どもは稀なんだと思っていました。いつも、何で満たされない物を感じながら、モヤっとした苛つき、注意されるのが恐怖、やりきれない気持ちになる、、何でだろうと、、独親家庭だったんだとハッキリしました。一度だけ親に「愛情を感じない」という主旨を訴えましたが、「衣食住満たされて何不自由なく育ってきたのに、何が不満だ、俺は悪くない、お前のわがままだ、常識がない」という内容を突きかえされ、私の辛さなんて微塵も理解できないんだ、と怒りでやりきれない気持ちで終わり30年です。
ここまでやり過ごしてきましたが、再燃しました。一言、「悪かったね」があったらもう全部解決なのにと。子ども時分に、「辛いね、悲しいね、よく頑張ったね、
そのままでいいよ」のどれかひとつでも言葉かけがあったら、私は親元から離れず、スープの冷めない距離で家庭を築いて、一生を送ったのに。このひと言があったら、「流産した最初の子が生まれていたら、あなたは生まれてなかったよ、空きがあったから産んでやったんだよ」の言葉も、ジョークとして笑って受け流せたはずなのに。

返信する
しん|心理カウンセラー

加瀬 薫さん

コメントありがとうございます。

加藤さんもとてもつらい子供時代を送られていたのですね。
「悪かったね」という親からの謝罪が一つあれば違う未来もあったはず、という加藤さんのお気持ち、私も一人の毒親育ちとして大変良く分かります。

そんな加藤さんにぜひ試して頂きたい心理療法があります。
心が落ち着いている状態で過去の子供の自分を想像し「辛いね、悲しいね、よく頑張ったね、そのままでいいよ」と、声をかけてあげて下さい。親のことでつらい気持ちになった時は、自分自身で過去の子供だった自分を癒やしてあげましょう。少しですが気持ちが落ち着くはずです。

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